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どうしようもない現実:パワハラ課長と無責任な部長の狭間で



パワハラ課長との出会い


私の横のチームには、パワハラで有名な課長(A課長)がいました。彼の部下たちは次々にメンタル不調をきたし、自ら配置換えを願い出る者もいました。他の部署でもA課長の悪評は広まり、皆が警戒していました。

私も一度、まだ管理職ではなかった頃にA課長の下に着きました。その時の経験は、彼がいかに理不尽で気分屋かを示すものでした。




気分屋の課長との日々

例えば、ある日のことです。私はある新しい施策について、他部署と連携する必要があったため、A課長に相談に行きました。報告・連絡・相談(ほうれんそう)は当然必要だと思っていたからです。しかし、A課長は「こんなのいちいち相談してくるな」と怒鳴りました。

仕方なく私はそのまま業務を進め、結果を部長に報告しました。すると、A課長はその報告をすっかり忘れていて、後日「なぜ報告しなかったんだ!」と怒鳴られました。理不尽さに驚かされましたが、こうしたことが日常茶飯事でした。

さらに課長は会議中には発言せず、会議後に部下を個別に呼び出し、発言内容を指示してくることもありました。その場で発言する勇気がないため、部下を通じて指示を出すことが多かったのです。




パワハラに耐えかねて

その後、私は昇進し、A課長と同じ課長職になりました。直接の被害はなくなりましたが、A課長の下にいる部下たちから相談を受けるようになりました。

私自身も同じ経験をしたばかりだったので、気持ちはよくわかりました。そこで私は、部下たちに日記をつけるようお願いしました。叱責や理不尽な扱いをメモし、可能であればオンラインミーティングの録音もするように指示しました。また、心療内科への診断も受けさせ、適応障害と診断してもらいました。



エビデンスを基にした対策心療内科の診断書を手に、私は会社の産業医に相談を被害者たちに勧めました。B君(パワハラを受けている部下)が言葉をつまらせながら、状況を説明しました。時折言葉に詰まって発言が難しくなることもあったので、B君の同意をもらって、事前に聞いていた話を補足したりしました。


産業医は確実なパワハラと認定し、勤労部門に報告するよう助言しました。しかし、B君は穏便に済ませたいと希望していたため、まずはA課長の上司である部長(C部長)に報告することにしました。

本人から部長に報告というのも厳しい状況なので、私から部長に相談することになったのです。


部長の無責任な対応


部長には、これまでの経緯やB君の状況を詳細に説明し、適切な対応を求めました。

しかし、ここで驚いたのが、その部長もまた同じような無責任な態度を持っていたことです。部長は「本人がハラスメントと言えばハラスメントになる時代なんだよね、怖いよね」と言い放ちました。この反応に愕然としましたが、仕方なく部長に協力を依頼しました。


作戦を変えて、部長に対して「我々管理職も見て見ぬ振りをしてしたったのは事実だし、責任を問われる可能性がある」と説明し、ようやく部長は状況の深刻さに気づきました。(と言っても、自分にとばっちりがくるという感覚だったでしょうが)

さらに部長はパワハラ課長に直接話をすることを避け、私にその役割を押し付けてきました。私の役割は部下を守ることですが、それは私の部下であって、B君は私の部下ではないのです。

本来は部長が自ら対応するべき事態です。そこで、私は部長に面談の場に同席してもらうように強く依頼しました。面談とその後面談の場で、産業医からの話や心療内科の診断結果を淡々と説明しました。

しかし、パワハラ課長は急に泣き出し、自分が被害者のように振る舞い始めました。それに対して部長も同情的な態度を取り、まるで馴れ合いのような雰囲気になりました。



面談とその後


この状況に私は深い失望を感じましたが、それでもB君を守るために何とかしなければならないと決意しました。


面談後、私は部長に対し、B君を私のチームに移動させるよう強く要請しました。部長は最初は消極的でしたが、B君の健康を第一に考える必要性を説き続けた結果、ようやく同意を得ることができました。その後、B君は私のチームに移り、徐々に元気を取り戻していきました。

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