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〜今月の映画(2022年3月)〜ドリーム・ホーム

読書以外の僕の趣味の記事です。日曜更新。
毎月オススメの○○をご紹介していきます。

第1日曜 映画
第3日曜 ウイスキー

あらすじ

香港の象徴的な景観として知られる美しいビクトリアハーバーが見える湾岸エリアにある高級高層マンション「ビクトリアNo.1」。ある晩、何者かが管理室に忍び込み居眠り中の警備員を絞殺する。ほどなく、マンションの住人に対しても血の惨劇が繰り広げられるが、その犯人の正体は金融機関に勤める普通のOLだった。


普通のOLが高級マンションに忍び込み住人を次々に殺害していく、という香港発のエログロゴア満載のスプラッタースリラー

量産されてそうなよくあるスプラッタ映画なのだが、10年以上前に観たこの映画が強く記憶に残っている。
その理由が、初めて「胸くそ悪すぎて笑ってしまう」というのを経験したからだ。

殺害シーン、いわゆるグロシーンが現実味が無いぐらいイっちゃってるし、「こんな人殺しちゃダメでしょ!?」って人を平気で殺しちゃうし、犯人の女と警官が鉢合わせになるシーンでは、「その切り抜け方アリなの!?」と思ってしまうし…とにかく目を背けたくなるシーンの連続だ。
また、ストーリーはマンション内での殺害パートと犯人の女の回想パートが並行して進んでいき、女がなぜ高級マンションで大量殺人を犯したのかという動機が徐々に明らかになるのだが、その動機が呆れるようなもので愕然としてしまう。
全編通して、不謹慎で悪趣味な映画なのだ、

ストーリーと内容を口頭や文章だけで聞くと、多くの人が「そんな映画の何が面白いの?」と聞くに違いない。
しかし、当時この映画を見終わった僕は「あー、楽しかった」と満足した表情だった。
おバカなB級映画を観た時に、その馬鹿馬鹿しさが逆に「面白い」と感じる事はあるが、その感覚とも違う。
この映画を観てからしばらく経った後、僕は自分の感情について整理が出来なくなった。今思えば、僕がスプラッタ映画が好きになったきっかけの映画と言っていいだろう。信じられないが、それまでの僕は「スプラッタ映画は悪趣味なもの」と考えていたのだ。

そんなわけで、この映画をきっかけに僕は漁るようにスプラッタ映画を数々観てきた。
今ではスプラッタ映画は大好きなのだが、未だになぜこんなものが面白いのか自分でもわかっていない
人の道を外れたような内容の映画を観て「面白い」と感じる自分の感情が未だにわからない。

兎にも角にも、本作は僕を新しい映画の世界に引き込んだ(個人的な)記念碑的作品なのである。

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