再び高学歴貧困について
昨日のネットの記事です。
度々ネットに上げられる、ポスドク問題という博士号は持っているけど、非正規雇用に置かれている博士の問題。今回の話は文系ボスドクに関してでした。年代的に近い人の話なので、その頃の状況が分かっていて、他人事でない身につまされる記事でした。
博士号は取ったけど
まだ私の頃は、博士課程へのハードルが高く、将来の助手(現在の助教)候補と目されないと、進学が躊躇われる感じがある時代でした。博士課程の入試で、合格者がいないケースもよく聞きました。
その直後の20世紀末に、大学院ビックバンが起こり、大学院が増加した上に、実定員を満たす事が必須となって、修士も博士も一挙に増加しました。
私は優秀ではなかったので、修士はストレートで修了して、就職してから社会人で博士を目指していましたが、仕事の多忙に加えて、博士号の価値が低下した事による目標の喪失もあって、博士への進学は断念しています。
丁度今の50代前半から30代後半の20年間の世代がそこに突き当たっている世代だと思います。本当に、博士号は取ったけど、その先が見えないのが、この時代の院生に共通する課題だと思います。
教養の無駄使い
以前にも記事にしました。
博士号まで持っている貴重な教養人を、私たちは無駄遣いしているのかもしれません。その教養を生かせる様々な分野を高等教育機関に限るのではなく、これからAIに取って代わられる時代の中で、人間だけが関われる分野を創設していく方策に生かす必要があるのではないでしょうか。
文系でも、理系のベンチャーの様に、博士号を持った人材を有機的に結び付ける団体を創設して、そこに活躍できる場を造る事を考えても良いのではないかと思います。コーディネートするのは大変かと思いますが、今の無駄遣いの状態に早く気付き、非営利団体などを創設して、各自の専門を生かした、新たな活躍の場を提供する事が求められていると思います。
社会問題でもあるこの問題が、早く良い方向に向かう事を願います。