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【酒場とUX#1】飲食店における「コンセプト」論議

※2016-2017年に、社内向けに趣味で発信していたものに少しだけ手を加えてこちらに掲載しております!※


神楽坂でよく飲んでいるのですが、先日よく行くお店のオーナーシェフとコンセプトに関する話をしました。

オ「新しくお店だすときって、みんなに『お店のコンセプト絞れ』って言われるんだけど」

滝「へえそうなんですね(出ましたコンセプト!)」

オ「コンセプトって絞る必要あるのかな?おれはないと思ってるんだよね」

滝「ナニソレ面白い」

というわけで唐突ですが、深夜の酒場で「飲食店におけるコンセプトとは」みたいな話を聞いてきましたのでシェアします。
※ただただシェアです


■飲食店で「コンセプト」と言われるモノは大体食材関連

飲食店業界で「コンセプト」と呼ばれるのは、打ち出したい食材または料理・ドリンクであることがほとんどとのこと(例「肉バル」「ビオワインとイタリア料理のお店」)。つまりほぼ機能価値ですね。

飲食店においては、コンセプトを立たせれば立たせるほど(=ジャンルや食材を絞る、または珍しいものとするほど)、新規客の集客がしやすいとのこと。理由は下記2つ。

①(それにピンとくるか否かは別にして)コンセプトが立っていた方が人に紹介しやすいため
→「居酒屋行こう!」よりも「ラムチョップのお店行こう!」の方が誘いやすい(わざわざ行く理由がある感、面白そう感がある、お店知ってる人っぽく見える感がある等々の理由)

②メディアに取り上げられやすくなるため
→「餃子バー」「駄菓子バー」「エミリア・ロマーニャ州の料理に特化したレストラン」みたいなのは巷にあまりなく、珍しいため


■「コンセプト」を立たせた方が良いとは言い切れない

ただ、コンセプトを立たせれば立たせるほど(=いわゆる「良いコンセプト」とされるお店ほど)、新規の集客はしやすいが、リピート客のリピート頻度が低くなる感じもあるらしい。これは具体的には、餃子バーも駄菓子バーも珍しいけど、餃子とか駄菓子を週1で食べたい?みたいな話。飽きる。
また、特に好き嫌いが出やすい食材をたてていると、人を誘いづらい場合もあるとのこと(例:パクチー専門店、オイスターバー等)

(もちろん新規は必要だが)ビジネス上相対的には新規よりリピート客の重要性が高い(ことが多い)。故にそんなにコンセプトを絞るのが大事ということはないのではないか?みたいなのがその方のお考えでした。


また「リピート獲得」という意味でも、長期的な売上に大きな影響を持つのは「コンセプト」への評価(打ち出された食材・ドリンクの質への評価)だけではないとのこと。
ある意味当然ではあるのですが、結局コンセプト(で打ち出されている食材・ドリンクの質)の評価以上に、お店の雰囲気・接客などを通して生まれる体験への高評価が来店動機となっていることが多いとのことです。


■たきさんの雑感

打ち出したい食材・ドリンクという意味の「コンセプト」については納得。

ちなみにプロダクトづくりなどでよく言われる「コンセプト」は、「何を使っているか」というような機能価値の話というより、「ここがどういう場所で、お客様にどういう体験をしてほしいか」「どういう空間か」のような情緒価値寄りの話な気がします。

打ち出す食材・ジャンルという意味での「コンセプト」はなかなか変更できないと思うのですが、いわゆる「情緒価値」のような「どのような体験を作っていくか」というようなことは、どんどんブラッシュアップ可能だと思いますし、スタッフの中で共有されていると良いのだろうと思いました。


おしまい!

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