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お話02 完璧主義で理想主義で、そしてうつ病?

・・・前回のあらすじ・・・

2017年冬のある朝、
自宅の風呂場でうつ症状を発症した僕。
なぜ突然、そんな事が起こったのか?
今回はその原因を考えてみる・・・!

※このお話は僕の、うつ病発症から現在までに至る記録集です。
 全話まとめはコチラから。



うつ病の原因

一体なぜ、2017年のあの日
僕は風呂場から出られなくなったのか。

その原因も、医師の意見と僕の意見とを交え考えてみた。

最初に述べておくと、

うつ病はとても個別性が高く、複雑な病気だ。
そして
現在の医学の力を持ってしても、その原因は解明されきっていないらしい。
この病気が一筋縄で理解できないことは、僕も身を持って体験した。

だからこの執筆内容は、
「僕はこう考えている」という私的意見であり、
客観的事実とは異なる可能性がある
ことを承知の上で読んでいただきたい。

また僕の場合、
原因は様々な要因が絡んでおり、
「これだ!」という1個を指し示すことができない。

だから正直説明もわかりにくいと思われる・・・
でも頑張ってわかりやすく書こうと思う。


■前提知識:うつ病の分類について
 ※余談だから読み飛ばしてもOK

うつ病にはいくつかの種類が存在する。
さらにその分類方法にも様々な種類が存在し、今なお議論されている。

有名な分類方法は以下の2つかと思う。

 ①古典的分類・・・発症原因別に分類する方法
 ②操作的診断基準(DSM)分類・・・症例別に分類する方法

①は1980年代まで支持されていた分類方法だが、
その分類判断の難しさと、
MECE(漏れなくダブりなく)でないという理由から
現在は多くの医学界では採用されていない。

②はアメリカ精神医学会が提唱する
『精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)』
に基づいて分類する方法で、
現在の診断方法のスタンダードとも言える。

その他にも、
・病相の回数による分類
・重症度による分類
・治療反応性による分類

なども存在するらしい。

今回は説明のわかりやすさを重視して、
例外的に【古典的分類】を用いて説明したいと思う。


■僕がかかったうつ病の種類

古典的分類によると、うつ病の種類は大きく3種類。

 ①内因性うつ:体調変化などから気分変化が自生的に発生したもの
 ②外因性うつ:事故のダメージなど外的影響により発生したもの
 ③心因性うつ:環境との葛藤など自分と環境の相互作用が原因のもの

僕の場合は、③心因性うつ である(と考えている)。

これは僕流の原因分析方法だが、

心因性うつの原因を紐解く場合には
3つの要素を見る必要があると思う。

 1.「自分」が持つ特徴
 2.「環境」が持つ特徴
 3.上記2つが絡むとどんな相互作用が起こるか

この3つを考えることで、
本人にしか感じ得ないストレス要因(うつの原因)が特定できると考える。

では早速3つを見ていこう。


■原因の分析

①「自分」が持つ特徴

■完璧主義な性格
得意:仕事を丁寧に進める
苦手:納得度が低いまま仕事をすすめる

■理想主義な性格
得意:諦めずに高い目標にこだわる
苦手:現実との折り合いをつけること

■プライドが高い性格
得意:一人でも黙々と仕事に打ち込むこと
苦手:ピンチの時の助けてコール

②「環境(企業)」が持つ特徴

■事業確立フェーズの経営状態
・マニュアルが無い仕事
・とにかく行動/試行することが求められる

■高い目標が称賛される企業文化
・目標は宣言することにまず意味があるとされる文化
・達成可能性を吟味する文化が薄い

■部署メンバーが2人。マネジャーは他拠点在中。
・そもそも人を頼る難易度が高い
・1人がノルマを外したら終わる、という緊張感

③起こる相互作用

■完璧主義 × マニュアルなし環境
=自分の行動の完璧具合を測れず
 常に不安を覚える
  
■理想主義 × 高い目標推奨文化
=理想主義に拍車がかかり
 現実的目線がより不足する

■プライド高め × 管理職の不在
=何事も自分一人で
 解決しよう精神が強固になる


こんな感じで、結果として以下のような
悪循環がぐるんぐるん回っていた。

・自分の仕事の進め方が不安
・でも、理想を強く夢見て無理に自分を鼓舞
・現実目線不足から業務計画に無理が出る
・でも管理職は頼らない
・もちろん結果が出ない
・理想が高いから未達が余計精神的にキツイ
・コミュニケーション不足で、
 誰もrokkyがなぜ結果が出ていないのかよくわからない・・・

この止まること無い悪循環サイクルこそ心因性うつの原因である

書いていて当時の苦しさをひしひしと思い出す・・・


■仕事の手段を選ばなくなった僕

・虚偽の労働時間報告で残業
・顧客の声無視。ゴリ押し営業。

結果が出ていないと
人間はだんだん仕事の手段を選ばなくなる。

僕は、平日は虚偽の労働時間報告をし残業。
さらに土日も隠れて仕事をしていた。せざるを得なかった。

さらに、
ノルマ達成のために顧客にも寄り添えなくなっていた。
顧客はすべて数字にしか見えなくなっていた。


相手にニーズがなくても、
「悪いものは売ってないんだからいいだろ」
そんな風に考えるようになってしまっていた。

顧客と僕とのビジネスパワーバランスは、
ビジネスモデル上僕が上であり、
正直ゴリ押せば売れる仕事であった。

皮肉にも、この頃から成果が出始めていた。


しかしある日

『rokkyさんと話すのが怖い』
そう顧客からのメッセージが届いた。

一瞬、心が冷たくなるのを感じた。
手足も冷たくなり、冷や汗をかいた。

しかし、僕は結局
「そうかな?そんなことないと思うけど」
とあっけらかんと返信をした。

その顧客とはそれ以降連絡をとれていない。


顧客のメッセージが僕には刺さらなかった。
当時の僕はそれくらい、

異常なくらい数字に飢えていたし焦っていた。

高い高い理想のためには、
ノルマ達成で喜んでいる場合では無いのだ。
実際、当時僕が掲げていた目標はノルマを200%達成しないと超えられないようなものであった・・・


身体も心も疲れて悲鳴を上げ始めていたが、
僕はそのどちらともの声がもはや聞こえなくなってしまっていた。


僕の心はもはや
ブレーキを失った暴走列車だった。


あとは線路を外れ、転げ落ちるだけだった。
そしてあの朝、風呂場でパンクしたのだった。


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