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【日記エッセイ】「未知との出逢い ②」
僕はその男の先輩と一緒に定食屋に向かった。定食屋で別の先輩達と合流して計5人になった。大学1年生は僕と、別の先輩たちに連れてこられた目の前の奴だけだった。
そいつはKと名乗った。
僕はKを見て驚いた。
おかっぱ頭で赤ちゃんみたいなツルツルの肌をした男がチェ・ゲバラのTシャツを来てブカブカの軍パンの裾をなぜか両脚とも靴下の中に入れていた。特に印象的だったのはKはガラケーだった。世はもう2017年だぞ!そんな奴が目の前にいる。どう打ち解けていいかわからない、そう思うのは当然である。
しかし、その不安は意外とあっけなく幕を閉じた。
僕は3、4年生が取るフランス哲学の授業をシラバスという授業計画の文面の感じだけで履修していた。シラバスに書いてある教授の文章を見て面白そうだと思ったからだ。同じ学部の人たちはそのような授業を取っておらず、簡単に取れる授業の話ばかりしていた。そこに少し物足りなさを感じていた。
「この授業が楽しみなんですよね」と先輩に話していた。
「え、それ俺も取った」とKは言った。
「えっ、マジで?!なんで取ったの?」
「シラバスを見て面白そうだと思ったから」
「えっ、マジで?!僕もそうやねん」
あの時、なぜかとても嬉しかったのを覚えている。出会いの衝撃みたいなのがあった。そこから話がどんどんと弾んでいった。結局、後の話をしてしまえばKとはこの先ずっと一緒にいることになる。
そして、僕は当分の間、Kがガラケー故に、グループラインの情報や先輩がKを誘うラインをKにメールで送る、仲介役を務めることになる。
意気投合した僕とKはもう1人の先輩とその日の夜遅くまでBoxで話すことになる。何を話したかは全然覚えてない、けど、僕はこれから何かが始まると思ってワクワクしていた。そして、それをバカみたいに2人の前で言っていた気がする。「これから何か始まる気がして仕方ないです!!」と、今思うと、確かに始まっていたのである。始まりに早いも遅いもない、これから何かが始まる気がして仕方ないと思ったら始まっているのである。
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