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#リベラル

「多様性の空間」としての居場所。

「多様性の空間」としての居場所。

■日常的に「居場所」なるものを運営していて、訪問者にとってそこが居心地のよい敷居の低い場所であるために、わたしたちが気をつけていることのひとつに「リベラルであること」というのがある。「リベラルである」とは、他者に危害を加えない限りにおいて、それぞれの嗜好/志向する価値の多様性を、最大限に尊重していこう、というもの。とりわけ重要なのは、マイノリティ(少数派)であるような価値や趣味を、マジョリティ(多

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リベラル/スローであるためのレッスン

リベラル/スローであるためのレッスン

■前回は、自分らがなぜ居場所を他の仕事と「兼業」しているのかについて述べた。繰り返すがそれは、「兼業」しているスタッフの姿、すなわち複数の「仮面」を状況に応じ使い分けるという私たちの生のありようを、利用者の子ども・若者たちに具体的に示すことで、文脈や背景についての想像力(これが「社会を生きる力」を構成する)を喚起するという戦略的な意図に基づいている。だが「兼業」の利点はそれにとどまらない。スタッフ

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居場所にリベラルの花束を。

居場所にリベラルの花束を。

■「(不登校・ひきこもりを含む)子ども・若者たちの居場所づくりの活動をしています」などというと、どうしてもマジメで堅気な(さらに言うなら、暗くて深刻な)イメージをもたれがちで、実際にフリースペースを訪れてみて、そこに流れる空気や雰囲気に驚く人も多い。そこには、バカバカしいもの、下らないもの、ナンセンスなもの、下品なもの、そしてそういったものにまつわる笑いがあふれているためだ(念のため注釈しておくと

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