賃上げ余力 格付け500社 あなたの会社はもっと払える 2014.02.24 Vol.53 1/2 2014-05-02 18:23:03
【『日経ビジネス』の特集記事 】 Vol.53 バックナンバー
⭐『日経ビジネス』とは、「日経BPから発行されている経済・経営分野の話題を扱う週刊誌である。1969年9月創刊。当初は月刊だったが、翌1970年9月より隔週刊となり、1991年4月より週刊となった」(出所:「日経ビジネス」 Wikipedia)
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。
⭐1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当します)には、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。
🔴2022.11.26以降、1つのテーマについて複数回に分けて投稿します。
⭐一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」と「雑誌発行年月日」を表示します。
再投稿することにした経緯
再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
(プロフィールから)
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日経ビジネスの特集記事 Vol.53
賃上げ余力 格付け500社 あなたの会社はもっと払える 2014.02.24 Vol.53 1/2 2014-05-02 18:23:03
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
春闘の時期を迎え、大企業の多くで賃上げが実施されるが、中小企業ではどうなのかが主要テーマです。
まず、私の経験をお話します。
25~30歳まで、私は日産系ディーラーで営業部員として勤務した経験があります。今から30年近く前のことです。
担当地域は、住宅街と工業団地でした。
工業団地に絞ってお話します。
当時の工業団地には、日産系の下請け会社の工場が数多くありました。
1次下請けから社長以下10人未満の中小企業までありました。
親しくしていただいた、中小企業の社長や従業員の方からお聞きした話で、今でも印象に残っている言葉があります。
「大手メーカーから部品単価の値下げ要請を受けている」
その企業では、新型車両向けの部品の試作を行い、お墨付きを得て、部品の量産を行っていました。
部品単価を聞いた時、あまりの安さに、「これではとても利益は出せないな」と感じたものです。
その点を、率直に伝えると、「数がまとまったり、追加生産があれば何とかなる」と答えました。
さらに、こう付け加えました。
「条件が厳しくても、受けないと次に仕事を回してくれないのでね」
下請けを泣かして、上流のメーカーは自動車生産していたことを知りました。
それから約30年後、現状はどうなっているでしょうか。
その点を頭の片隅において、ご覧ください。
トヨタ社員の高揚と戸惑い
春闘を迎えるトヨタ自動車の現状を見てみましょう。
世界生産台数が、初の1000万台超えをしたトヨタは思い切った賃上げを実施しそうですが、実情はどうでしょうか。
トヨタは上記のような、業界の標準的な賃上げしかできないのです。
リーマンショックの後遺症があり、「賃上げどころか、雇用を維持できるかどうか」という、同様な危機に見舞われるおそれがあり、組合員が賃上げを強く要求できない状況にあるのです。
なるか賃上げドミノ
ベアについて確認しておきましょう。
ベアは、基本給ですから、残業手当や企業が負担する社会保険料、さらに退職金の算定にも影響するものなので、企業は二の足を踏むのです。
では、一時金はどうでしょうか。
一時金というのは、ボーナスのことです。
一時金は業績に連動して決まる傾向がありますから、アベノミクスで潤った一部の輸出企業は支払い余力はあるでしょう。
このような状況ですから、労組も賃上げに慎重になっているそうです。
無理強いをして、企業業績が悪化した場合、リストラされたり、経営破綻に至るおそれがあるからです。
ハードルなき200社
日経ビジネスは、主要500社を次のように選びました。
「日経500種平均株価の採用企業から一部の金融を除き、かつ十分なデータが取得できる457社とした」(p.031)
具体的な指標は下記の10項目です(p.031)。
①従業員1人当たり人件費の絶対水準
②人件費の5期前との比較
③労働分配率の水準
④労働分配率の5期前との比較
⑤今期経常利益の増減率
⑥来期経常利益の見込み
⑦売上高経常利益率
⑧経常利益の絶対水準
⑨自己資本比率
⑩営業キャッシュフローの有利子負債に対する倍率
格付けはAAA、AA、A、BBB、BBまでの5つです。
今回は、AAAからAAまでの企業の一部をご紹介します。
それぞれのトップ10は次のとおりです。
AAA
1 国際石油開発帝石
2 KDDI
3 NTT
4 ソフトバンク
5 SANKYO
6 シスメックス
7 カカクコム
8 NTTドコモ
9 日本たばこ産業
10 ブリジストン
AA
1 富士フィルムHD
2 丸一鋼管
3 トヨタ自動車
4 ホンダ
5 クボタ
6 ヤフー
7 花王
8 村田製作所
9 SMC
10 セガミトミーHD
最後に、3人の経営者をご紹介します。賃上げは当然と公言しています。
一休の森正文社長、DMG森精機の森昌彦社長、アイリスオーヤマの大山健太郎社長です。
一休の森正文社長
DMG森精機の森昌彦社長
アイリスオーヤマの大山健太郎社長
あなたの会社は、賃上げ余力のある会社ですか。
次回は、
「戦略的賃上げの作法」
他についてお伝えします。
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-05-02 18:23:03)のものです。加筆修正してあります。
9年前のこの記事を読み返してみると、今年まで日本では賃上げはほとんど行われませんでした。賃金の伸びはわずかで、横ばいを続けてきました。
大幅な賃上げを表明した、ユニクロやGUを運営するファーストリテイリングを始め、下表にあるような企業が賃上げを表明しました。
🔶出典元:ニュースイッチ 2023年01月23日
なぜ、今年になって急に賃上げを表明する企業が急増したのでしょうか?
考えたことはありますか? 調べたことはありますか?
この記事の中に書かれていることを抜粋します。
✅賃上げの背景
物価高騰
岸田首相による構造的な賃上げの実現
優秀な人材の確保
継続的な賃上げを実施するためには課題もあります。
✅賃上げに関わる課題
賃上げと企業成長をセットで考える
コスト上昇に苦しむ多くの中小企業
賃上げができるか、できないか。賃上げができても金額や上昇率に大きな格差が出る可能性が大きいことが推測できます。
⭐回想録
⭐マガジン (2023.04.16現在)
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