最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋 2013.11.4 #30 2014-03-19 22:15:15
【『日経ビジネス』の特集記事 】 #30 初出 2014-03-19 22:15:15 <バックナンバー>
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐ 当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。
⭐ 1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当します)には、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。
⭐ 一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」と「雑誌発行年月日」を表示します。
再投稿することにした経緯
再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
(プロフィールから)
2022年8月5日現在、週刊誌『日経ビジネス』を購読していませんが、新たに電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で今年の9月以降に定期購読する予定です。
日経ビジネスの特集記事 #30
最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋 2013.11.4 1/3 2014-03-19 22:15:15
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
日経ビジネスが「会社の寿命は30年」というキーワードを発表したのは、30年前の1983年のことでした。
現代では、会社の寿命は30年でなく、18年に縮まったそうです。この30年で日本の企業を取り巻く環境は、激変したということになります。
もはや寿命は18年
「時代の寵児」の早すぎた失速
今年10月に報道されたニュースに驚きました。
ソーシャルゲームでDeNAとともに、破竹の勢いを誇っていたグリーが希望退職を募ったというニュースのことです。
「売上高は5年間で3億円から1582億円になるという爆発的成長を遂げた」(P.29)会社だったからです。
何が引き金になったのでしょう?
こうした状況はグリーだけでなく、ミクシィも同様です。
2000年代に一世を風靡した2大IT企業が失速したことは、会社の寿命が短くなった象徴的な出来事と言えるかもしれません。
最新手法で導く新・会社の寿命
日経ビジネスが「会社の寿命は30年」というキーワードを発表した当時は、売上高や総資産が企業の盛衰を表す指標として使われたそうです。
時が流れ、現在では、売上高や総資産だけでは企業の盛衰を示す基準とは言い切れなくなったということです。
そこで、日経ビジネスが新たに加えた基準は、時価総額でした。
時価総額は、発行済株式総数×終値 です。
私の記憶では、日本で最初に「時価総額で企業を評価すべきだ」と言ったのは、ソフトバンクの孫正義社長でした。
寿命が縮んでいるのはIT業界にとどまらないことです。
半導体業界も典型的な短命産業となっています。
私たちの記憶に新しいのは、エルピーダメモリの経営破綻が公になったことです。
この30年で時代が大きく変わったということです。
矛盾した2つの数字の意味
日経ビジネスが「算出した『18.07年』という数字はあくまで、1つの企業が社会的に『旬の企業』と認知されてから、その座を失うまでの時間を指している」のです。
それとは別に、日経ビジネスは、「厳密な意味での生存期間」を帝国データバンクの協力の下で、試算しました。その結果は――
短命化しているはずなのに、長寿化というのは矛盾していますね。
一体どういうことなのでしょう。
生物界で言われる「適者生存」、言い換えると「弱肉強食」のルールを産業界に当てはめると、進化のためには弱いものは淘汰されないといけないということになりますが、現実は……。
次回は、「3つの視点、取り戻せ」についてお伝えします。
日経ビジネスの特集記事 #30
最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋 2013.11.4 2/3 2014-03-19 22:36:28
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
「日本企業が短命化したのは、永続に欠かせない『3つの視点』を失ったからだ」(P.32)と、日経ビジネスは指摘しています。
その3つの視点とは――。
3つの視点、取り戻せ
上場企業は約3500社あるそうですが、日経ビジネスが算定した会社の旬の時期「18年」を超えて企業活力や成長力を維持し続けている企業はわずか48社に過ぎません。
主な企業名を挙げますと、イオン、ダイキン工業、ヤマトホールディングス、味の素、アステラス製薬、セコム、日野自動車、阪和興業、住友金属工業、日揮などです。
これらの企業は、ゾンビ企業とどう違うのか。
日本企業がなくした視点1 創業者視点
大王製紙の創業家3代目が、カジノ遊興費をグループ子会社から借り入れしていた事件が明るみに出たことは、よくご存知でしょう。
井川家の創業者、伊勢吉氏が残した言葉は、「井川家が途絶えても会社は潰すな」だったそうです。創業者の残した言葉を忘れたか、無視した結果でした。
ただ、創業者視点の欠如によって企業の中に起きることは、大王製紙のような後継者の私利私欲にための暴走に限らない、と日経ビジネスは断言しています。
事務用品メーカーのイトーキは、「今後は在宅勤務がますます増え、働く場所はオフィスに限らず、カフェやファーストフード店にノートパソコンやタブレットを持ち込んで働くノマド(遊牧民)ワーカーも増加する」(P.34)という時代の変化を見極め、経営の舵を大きく切ったといいます。
日本企業がなくした視点2 顧客視点
カネボウが発売した美白化粧品が、白斑問題を起こしても2年間も放置していたことが、発覚しました。親会社の花王としても対応を苦慮したことでしょう。
こうした問題が起きる土壌はどこにあるのか。
先の2020年東京オリンピック招致のプレゼンで滝川クリステルさんが、身振り手振りを交えて「お・も・て・な・し」という日本を象徴するキーワードを発信しました。
これは顧客満足を与える言葉です。もっと大胆に言えば、顧客を喜ばすためのあらゆる振る舞いを一言で表現したものです。
日本企業は、1990年代後半から「お・も・て・な・し」の心を失ってきたということになります。
どうしてこのような状況になってしまったのででしょう?
日経ビジネスは「『顧客の気持ちを分かっていない』と消費者が思う企業行動だ」と指摘しています。
具体的には、
そうした中で、電動工具メーカーのマキタは、一線を画す行動をとり続けています。
その結果、「現在も新興国でのシェアは約4割とボッシュを上回り、成長持続の原動力になっている」(P.38)ということです。
日本企業がなくした視点3 共創視点
液晶技術に絶対の自信を持っていた、シャープが危機に瀕しています。奢りが危機を招いたとも言えるでしょう。自前ですべてやろうとしたために、時代の流れに乗り遅れたのです。
シャープの元副社長、佐々木正氏は次のように話しています。
生産システムには垂直統合と水平分業があります。
シャープは独創にこだわったために、自前主義、つまり垂直統合を進め、サムスン電子などの韓国勢は、他社にも広く供給する水平分業により生産量を増やし、低価格化を追求したのです。
その結果、水平分業に軍配が上がりました。
そうすると、M&A(合併・買収)による経営が時間とコストを下げる有効な手段であることが分かります。
このコーナーで、日経ビジネスは1つの結論を出しています。
次回は、「日本電産、永続に挑む」についてお伝えします。
日経ビジネスの特集記事 #30
最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋 2013.11.4 3/3 2014-03-19 22:49:28
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
世界有数のモーターメーカーとなった日本電産が、今、事業の大改革の真っ最中だといいます。タブレットの普及が、予想を上回る速さで進み、パソコンの市場が急減したため、ハードディスク用モーターの需要も急減したのです。
日本電産、永続に挑む
奈落の底で誓ったV字回復
日本電産の永守重信社長CEO (最高経営責任者)は、事業改革を20年前から進めてきたそうです。
今回の大改革は、創業以来継続してきた連邦経営から一体経営への転換でした。
一体どのようにして、急回復させようとしているのでしょうか?
ただ、国内の企業だけでM&A(合併・買収)を進めても、効果は限定されるため、ここ3年は海外企業を買収し、内外グループ企業間のシナジー(相乗作用)を最大限に高める世界一体経営を進めているそうです。
20年前から進めていた事業転換
日本電産が一般企業とどこがどう違うのか。
トップに至る太い縦の神経
なぜ、日本電産はこれほど自信を持って将来を見通せるのでしょうか?
具体的には、次のようなことです。
連邦経営から一体経営へ転換
永守社長は、自分が創業時から築き上げた企業統治スタイルでも即座に変更できる柔軟性を持ち合わせています。
生産拠点を“スピード融通”
M&A(合併・買収)の目的は、時間とコストの削減であることは、誰もが認識していることです。
しかし、さらにスピードを促進するためには、工夫が必要です。
日経ビジネスは、企業の成長を人間の成長になぞらえて、次のように説明しています。
最後に、永守社長がインタビューの席で述べていることの中から一部をご紹介します。
「企業が成長するためには何を考えなければいけないのか。まず大事なのは、自社が競争に勝てる条件を常に探し続けることだ」(P.48)
「先を読むのに大事なのは、顧客が今、そして、今後、何を求めるだろうかということに常に注意し続けることだ」(P.48)
この点について、今、私が読んでいる本の中に同じようなことが書かれていました。
先を読むということと、「察知力」は同様に考えてもいいのではないか、とふと思ったのです。
サッカー元日本代表で、現在、横浜・F・マリノスの中心選手
である、MF(ミッドフィルダー)の中村俊輔選手が書いた
『察知力 (幻冬舎新書)』
という本です。
永守社長の言葉をもう一つご紹介します。
🔷 編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことです。私のブログは8年前のものです。
✅ 日本企業がなくした視点1 創業者視点
この中で「大王製紙の創業家3代目が、カジノ遊興費をグループ子会社から借り入れしていた事件が明るみに出た」と記しました。
創業家3代目とは井川意高氏です。
井川氏と堀江貴文氏の共著があります。
『東大から刑務所へ 』
この中で刑務所生活を二人で回想しています。
あっけらかんとしているところに驚きを禁じ得ません。
✅ 日本企業がなくした視点2 顧客視点
この中で「2020年東京オリンピック招致」について書きました。
ご存じのように、東京オリンピック招致に関して汚職疑惑が発覚し、電通出身で組織委員会元理事の高橋治之氏の自宅他と紳士服のアオキさらに電通に東京地検特捜部の家宅捜索が入りました。
スポーツビジネス、スポーツ利権は電通が独占してきました。そして、利権に群がる政治屋(政治家ではなく)たちが甘い汁を吸ってきた事実がありましたが、巨大メディアは報道してきませんでした。
そうした経緯が暴露されてきました。
その一つがこちらです。
【五輪汚職疑惑、メディアが嫌がる電通案件はどこまで捜査の手が伸びる?驚愕の展開】電通スポーツ利権の闇【特集】タケ小山 大宅映子 上杉隆 舟橋明慧
このオプエド(Opposite Editorials、新聞の記事のうち通常、当該紙の編集委員会の支配下にない外部の人物が、ある新聞記事に対して同じ新聞内で意見や見解(反論や異論)を述べる欄 Wikipediaから)で語られている内容は憶測ではなく、メディアの現場に実際に長年携わってきた人たちの証言です。
ただただ驚きの連続ですが、砂糖(利権)に群がるアリ(電通や一部の政治屋、巨大メディア)という構図を理解すると納得できることです。
東京地検には、とかげの尻尾切りで終わらせず、膿をすべて出しきってもらいたいのですが、懸念されることは政治圧力に屈してウヤムヤにしてしまう恐れがあることです。
✅ 日本企業がなくした視点3 共創視点
日本の半導体メーカーは今では見る影もありませんが、以前には半導体製造のシェアの大半を日本企業が占めていました。
その経緯については下記をご覧ください。