🔷 「日の丸半導体」が凋落した根本原因について、富士通の半導体部門のトップであった人物による証言を中心に2回に分けてお伝えしていきます。今回はその後編です。
【シリーズ 半導体 1】では元経産省官僚の証言を中心に日本の半導体産業の歴史、その後の経緯等をお伝えしました。
【シリーズ 半導体 2】では企業内で半導体部門の最前線で指揮を取っていた人物による生々しい証言を中心にお伝えしました。
出典元のURLは最後に掲載しています。(東洋経済新報社)
「日の丸半導体」が凋落した根本原因 後編
証言者は、【シリーズ 半導体 2】に登場した藤井滋氏です。
▷ 半導体工場の建設 ◁
🔶 TSMCとソニーグループが合弁で熊本県に半導体工場を建設(2024年末)する話が持ち上がったのは、報道によれば2021年11月のことです。今回の記事は<2021年9月23日4:30>に公開されたものです。
▷ ファブレスで勝てない日本の弱点 ◁
🔶 EDAツールが重要な鍵を握っていましたが、日本企業は自ら放棄してしまったことが大きな損失を招いたことになります。後の祭りですね。残念です。
EDAツール
🔶 日本企業はTSMCやサムスンに完全に主導権を握られてしまったということです。
3つの戦略
いくつもの戦略がある中で、私は3つの戦略の重要度が高いと考えています。
1 ブルーオーシャン戦略
2 ルールを変える
3 極端な差別化
今回の話では、「2 ルールを変える」がポイントと考えました。
▷ 他社のルールに従わざるをえないことの問題 ◁
🔶 ルールを握り、変更できる企業が他社を支配するという構図が出来上がっています。つまり、日本企業は完全に後手に回ったということです。
▷ アメリカの優位性 ◁
🔶 戦略の選択ミスと国の支援の有無の差が日米の差を広げたと言えそうです。
▷ 金融庁が日本の半導体を殺した!? ◁
🔶 あまりに残念な話ばかりで滅入ってしまいそうですね。国のトップも企業のトップも、今や「産業の心臓」とか「産業の脳」と言われる半導体の重要性を十分に理解できなかったことがとても残念です。後講釈ですが。
今後も半導体の動向を追いかけていきます。日本の半導体産業の復活を願っています。
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