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日経ビジネスのインタビュー バックナンバー Vol.069



ここに掲載している内容は、管理人・藤巻隆が携帯サイトで運営していた当時のコンテンツです。

2007年1月8日号からスタートしています。1カ月分毎にまとめてあります。

途中、数件記事が抜けている個所があります。データを消失してしまったため再現できません。



✪ 2012.09.03 (No.1)<285>
被災地の星は見習い漁師
立花 貴(たちばな・たかし)氏
[事業家・漁師]

目の前の人の喜ぶ姿のために感じたままにまず動く。それこそが自分の心の喜ぶ働き方ではないかと気づいた。いい行動ができれば、後から数字や結果はきっとついてくるはず。そう思うと、肩の力が抜けていました。

雄勝(宮城県雄勝町)のためでなく、日本の未来のためだから。

私は後ろの扉を閉じたら、前の扉が開きました。被災地に象徴される日本の根本問題に今、取り組まないでどうするんでしょうか。どんな形でもいい。1人でも多くの仲間を増やしたい。

<今週は、編集長インタビューが掲載されなかったため、「旗手たちのアリア」から印象に残った言葉を取り上げました>


✪ 2012.09.10 (No.2)<286>
下期黒字化で経営破綻を回避
奥田 隆司(おくだ・たかし)氏
[シャープ社長]

我々が今後も事業を展開していくためには、ホンハイ以外の様々な企業とも協業していく可能性が高く、特定の1社の出資比率が高くなるのは得策ではない。

銀行側の意向は承知している。我々は、少しでも借入額を減らす姿勢で取り組まなければならない。社長である私が陣頭指揮を執り、シビアな計画の立案に取り組んでいることを銀行側に表明している。

太陽電池、エアコンなどの白物家電、複写機、LED(発光ダイオード)チップといったキャッシュを生む事業を手放すことはない。

今後は機動力と柔軟性を高め、「1本足」経営から脱却する。「いたずらに規模のみを追わない」との経営理念に立ち返り、小さくても稼げる事業を積み上げていく。

<今週は、編集長インタビューが掲載されなかったため、「時事深層」から印象に残った言葉を取り上げました>


✪ 2012.09.17 (No.3)<287>
百貨店の「王道」を貫く
大西 洋(おおにし・ひろし)氏
[三越伊勢丹ホールディングス社長]

我々百貨店は、衣料品のシェアが5割以上あります。そこで季節に合わせて、1年間を52週に区切ってマーチャンダイジングを組みます。特に衣料品は、春夏秋冬の気温の変化とお客様の購買に至る関心度が非常に重要です。

今でも百貨店の営業利益率は2%ぐらいしかありません。30%オフにすると利益率はもっと下がりますから、企業としては存続するのは難しいでしょう。

この狙い(定休日を増やすこと)は、我々の独自性であるおもてなしを追求することです。お客様と接点のある販売員が最高のコンディションでお客様に接すること。これが百貨店の大きな存在意義ですから、そういう意味でも休む時は休む。

販売員をコストと見るか財産と見るかということなんですね。百貨店は売り上げが悪くなってコスト削減となると人件費を減らしてきました。当然、おもてなしの質はどんどん下がります。それではダメなんです。

我々は、もう一度自分たちの目で物を見て、お客様に価値のある商品を提案するということをやり切りたい。これこそが、百貨店として生き残っていく道だと思っています。


✪ 2012.09.24 (No.4)<288>
今の中国は日本の幕末期
紺野 大介(こんの・だいすけ)氏
[清華大学招聘教授、北京大学客座教授、創業支援推進機構(ETT)理事長]

(中国は)地域が違えば、国が違うようなものです。政治に対する真剣な姿勢は、日本の政治家の比ではありません。

中国人の給与水準が高くなり、コストが合わないとなると、アフリカから労働者を呼んでくる。今、広東省にはアフリカから大量の労働者が来ています。彼らは、低い収入でも喜んで労働集約型の仕事をしている。出来上がった製品のコスト競争力は、韓国も日本も太刀打ちできないレベルです。広東省の政府が打ち出した政策による成果であり、中央政府とは関係がないのです。

中国にも受験のための塾はありますが、そこでいくら学んでも太刀打ちできないほどずぬけた人材が清華大学に入学してきます。

しかも、清華大学では入学後も科目ごとの成績を壁に張り出します。学生たちはみな「我こそナンバーワン」と思って入学してくるので、順位が下ならプライドが許さない。ですから、入学後も、猛烈に勉強し続けます。

中国の知識階層の9割は苦々しく思っています。日本を怒らせたくないと。中国の経済発展にどれだけ日本が貢献しているのか、彼らこそ一番よく分かっているからです。



🔷 編集後記


この元記事をアメブロに投稿したのは、9年前のことです(2014-02-04 22:38:11)。そして、オリジナル記事は11年前のものです。
読み直してみますと、「こんなことも書いていたのだな」「この個所に関心があったのだな」ということが思い出され、当時の自分の心境に思いを馳せています。

それだけ歳をとったのだと実感しています。

編集長インタビューの記事を読み返してみると、当時の経営者の心意気・信念・余裕・揺るぎない自信といったものが伝わってきます。
月日が経ち、自分だけでなく身の回りにも、環境にも変化があります。

しかし、経営に限らず、物事の本質は変わらないものです。

今回のインタビューの中から興味深い言葉を拾い出してみます。

大西 洋(おおにし・ひろし)氏
[三越伊勢丹ホールディングス社長]


の言葉から。

販売員をコストと見るか財産と見るかということなんですね。百貨店は売り上げが悪くなってコスト削減となると人件費を減らしてきました。当然、おもてなしの質はどんどん下がります。それではダメなんです。

🔴「販売員をコストと見るか財産と見るかということなんですね」

今でこそ、「人的資本経営」が強く叫ばれていますが、10年以上前の日本の企業の多くは、販売員に限らず社員をコストと見なす傾向が強かったと思います。

企業業績が悪くなると、経営者が自ら責任を負わず(役員報酬をカットしたり、辞任するなど)、社員に責任転嫁し、削減することを当たり前のことのように実行してきました。

ジンザイという言葉があります。これを漢字に当てはめてみると、ジンザイの中身によっていくつかに分かれ、どのようなものか分かります。

人材(材料の一部であり、人間として扱われていない)
人財(企業の財産となっている人)
人罪(いるだけで罪な人)
人在(存在するだけの人)
人剤(潤滑剤になりうる人)
人済(もう済んでしまっている人、いなくてよい人)
人才(才能のある人)

以上は私が勝手に命名したものですから、取るに足らないものです。

ブラック企業だからというわけでなく、若手社員は自分がやりたいと思える仕事が現在の会社の中に見つからなければ、さっさと退職してしまう時代です。

転職はもう珍しいことではなくなりました。
売り手市場となった今、企業は社員に対し、どのようなことができる企業か具体的に説明し、スキルアップのためのプログラムを提供し、社員を引き付けることが欠かせない時代になってきています。

『日経ビジネス』(2023.02.20号)の特集記事「大転職時代 引き留めるより引き付けよ」で企業の在り方を伝えています。


この中からいくつかご紹介しましょう。

「中途採用」という呼称を「経験者採用」や「キャリア採用」に改める動きが出てきた

経団連はこれまで使用していた「中途採用」という呼称を「経験者採用」と改める方針を表明。「中途」という言葉の後ろめたい印象を払拭し、採用を後押ししたい考えだ。「キャリア採用」と呼ぶ企業も増えた。

大転職時代 引き留めるより引き付けよ 
2023.02.20 p. 013
 


大転職時代 引き留めるより引き付けよ  2023.02.20

「最近では、人材(ヒューマンリソース)に変わる言葉として人的資本(ヒューマンキャピタル)が使われるようになってきました。

NECは人的資本(ヒューマンキャピタル)ではなく、資産(アセット)と捉えています

つまり、人的資本とは人間が持つ能力(知識や技能)を資本としてとらえる考え方であり、資産は人が生み出す経済的な価値全体と見なす考え方と言えます


最近では、ダイレクトリクルーティングが行われるようになってきているということです。

つまり、ダイレクトリクルーティングは企業の経営者や採用担当者などが、自社候補人材に直接アプローチする手法であり、一方、ヘッドハンティングはヘッドハンティング会社を介して自社候補人材にアプローチする手法ということになります


「この会社に勤めれば将来こんな力を身に付けられる」「このようなキャリアを描ける」というビジョンや、長期育成の仕組みを企業は示せていない。あるいは伝わっていないがために、若手が長期的スパンで克明にキャリアステップを描けていないと言える。

大転職時代 引き留めるより引き付けよ 
2023.02.20 p. 030
 


企業の本音と実情

企業にとっては、優秀な人材に逃げられたくないのが本音だ。だが変化の激しい時代、1つの会社に人材を縛り付けておくのはもはや難しい。

大転職時代 引き留めるより引き付けよ 
2023.02.20 p. 033


雇用流動化社会がもたらすもの

雇用が流動化した社会が当たり前になれば、生産性、成長性の高い産業や企業に人を寄せることも容易になる。収益性も高まり賃上げもしやすくなる。活発な転職が可能となる雇用流動化社会は、社会のレジリエンス(強じん性)を高め、日本経済が成長しやすくなるための土台となる。

大転職時代 引き留めるより引き付けよ 
2023.02.20 p. 033
 




1回の投稿ごとに1カ月分にまとめたインタビューの概要を掲載します。
2007年1月8日号からスタートし、2013年7月までの6年7カ月分のバックナンバーだけで79件あります。
途中、数件記事が抜けている個所があります。

データを消失してしまったため現時点では再現できませんが、日経ビジネス電子版では「2011年10月から最新号まで」のバックナンバーが閲覧できるようですので、抜けている個所に該当する部分が見つかれば、追記します。

⭐ 『日経ビジネス』の電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で2022年9月12日号 No.2157 から定期購読をスタートしました。


「日経ビジネス 電子版使い方ガイド」(全24ページ)を見ると
「雑誌『日経ビジネス』のバックナンバーの閲覧について」で、
閲覧できるのは2011年10月から最新号と書かれています。
そのため、2008年8月18日、25日分の記事は確認できません。
しかも紙の雑誌は、はるか昔に処分しています。


『日経ビジネス』の記事を再投稿することにした経緯

再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。

自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。

当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。

記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。

さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです

「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
プロフィールから)

(4,867文字)


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