賃上げ余力 格付け500社 あなたの会社はもっと払える 2014.02.24 Vol.54 2/2 2014-05-02 18:42:33
【『日経ビジネス』の特集記事 】 Vol.54 バックナンバー
⭐『日経ビジネス』とは、「日経BPから発行されている経済・経営分野の話題を扱う週刊誌である。1969年9月創刊。当初は月刊だったが、翌1970年9月より隔週刊となり、1991年4月より週刊となった」(出所:「日経ビジネス」 Wikipedia)
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。
⭐1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当します)には、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。
🔴2022.11.26以降、1つのテーマについて複数回に分けて投稿します。
⭐一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」と「雑誌発行年月日」を表示します。
再投稿することにした経緯
再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
(プロフィールから)
新たに日経ビジネス電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で、2022年9月12日号から定期購読を開始しました。
日経ビジネスの特集記事 Vol.54
賃上げ余力 格付け500社 あなたの会社はもっと払える 2014.02.24 Vol.54 2/2 2014-05-02 18:42:33
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
春闘の時期を迎え、大企業の多くで賃上げが実施されるが、中小企業ではどうなのかが主要テーマです。
中小企業では、大企業のような賃上げは難しい、というのが現実です。
戦略的賃上げの作法
NTTドコモの販売店のケースが紹介されています。
正社員と非正規社員が一緒に働いていますが、仕事内容に際立った差はないですが、待遇は大きな差があります。
両者の格差をどう縮めるかが課題です。
そこで、NTT労組は次のように考えています。
オリックスでは、「若手に手厚く、シニアに我慢」してもらう制度を実施しているそうです。
中には、こんな企業もあります。会社側からベアを提案した、ディスコのケースです。
ディスコは業績好調の会社です。
こうした企業はごく少数かもしれません。
中小、賃上げせず9割
賃上げムードは、中小企業にも波及するのか?
日経ビジネスが調査した結果、残念ながら賃上げできる中小企業はごく少数であることが分かりました。
アベノミクスの内容が明らかになった後、懸念されていた事実が明らかになったと言えます。
中小企業経営者の一人は、このように本音をぶちまけました。
大企業は系列の下請け会社に対し圧力をかけ、法外に安い価格で部品等を納入させてきました。
その実態は、こちらに書きましたのでご覧ください。
中小企業経営者のホンネ座談会からさわりをご紹介します。
匿名性があり、ホンネが頻出します。
怒りと諦めが混じった言葉です。
登場人物は4人です。
A氏 精密部品会社社長 50代男性
B氏 電子部品会社社長 60代女性
C氏 金属加工会社社長 60代男性
D氏 金型製作会社社長 60代男性
A ここだけの話、マンションを買おうかと思っていまして。
この会社もいつまで続けられるか分からないから、マンションでも買っ
て安定的な収入を得ようと思っています。
B 仕事の大半が海外に出て、その分はほとんど返ってきていない。
職人に辞められたら、それこそ会社はやっていけない。
中小まで賃上げの動きになると、また海外との人件費の差が開いてし
まう。
これから10年、20年後に自分の会社があるのか、仕事があるのかは全く
読めない。その中でどこにカネを張るのかは難しい。
C 「例年通り5%引き下げて」と取引先は平気な顔で言ってくる。
そんな彼らが賞与増額だのベア実施だのと聞くと、俺たちにも回せよ
って思っちゃうよ。
D 金型は仕事の一部が国内に戻ってきていますよ。
2000年代に中国へ渡った技術者が高齢化して日本に帰国してきていま
す。ただ、技能がきちんと伝承されなかったみたいで、その職人が抜け
ると質が低下したらしい。
結局、日本じゃないと無理だということで。
だから、相応の対価ももらえて、結構潤っています。
(賃上げ余力 格付け500社 あなたの会社はもっと払える 2014.02.24
pp.042-3)
日経ビジネスが取材を通じて分かったことは、
「業績が回復しつつある企業ですら、賃上げには慎重」
(p.043)ということです。
前回、私の経験をお話しました。
中小企業の社長が、「大手メーカーから部品単価の値下げ要請を受けている」とか、「条件が厳しくても、受けないと次に仕事を回してくれないのでね」という実態は、その話から30年後でも何ら変化はなかったのです。
最後に、賃上げ余力のあるランキングで、A、BBB、BBそれぞれ10社ずつご紹介します。
A
1 三井物産
2 住友商事
3 NOK
4 鬼怒川ゴム工業
5 三菱商事
6 伊藤忠商事
7 パナソニック
8 ダイキン工業
9 住友電気工業
10 マツダ
BBB
1 東京建物
2 大東建託
3 出光興産
4 ソニー
5 LIXILグループ
6 東京電力
7 電源開発
8 シャープ
9 小田急電鉄
10 大塚商会
BB
1 北陸電力
2 四国電力
3 住友重機械工業
4 鹿島
5 山崎製パン
6 兼松
7 長瀬産業
8 森永乳業
9 サンデン
10 西松建設
以上、賃上げ余力 格付け500社 あなたの会社はもっと払える 2014.02.24 pp.045-7
あなたの会社は、賃上げ余力のある会社ですか。
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-05-02 18:42:33)のものです。加筆修正してあります。
9年前のこの記事を読み返してみると、今年まで日本では賃上げはほとんど行われませんでした。賃金の伸びはわずかで、横ばいを続けてきました。
日本の企業のわずか0.3%に過ぎない大企業のうちの、ごく一部の大企業は大幅な賃上げを公表しましたが、残り99.7%の中小企業の大半は賃上げが困難であるというのが実態でしょう。
中小企業経営者は優秀な人材の流出を防ぎたい、または優秀な人材を確保したという思いから、賃上げを考えていますが、現実には難しいというのが現実です。
詳細は下記サイトをご覧ください。アンケート結果が掲載されています。
出典元:【中小企業社長の賃上げへの本音調査】「賃上げしたい」が約9割を占めるも88.3%が賃上げに課題を実感 賃上げ理由「優秀人材の離職を防ぐ」が53.2%で最多 PR TIMES 2023年3月7日 11時00分
大企業(東証プライム市場に上場している企業だけではありません)は数十年間内部留保を厚くしてきました。
内部留保というのは、「当期純利益において株主配当金に回されない部分のこと」(引用元:「内部留保(社内留保)とは?!企業を守る資産で会社の強さをあらわす!」 マネーフォワード クラウド会計)です。
株主にはわずかな配当金しか支払ってこなかったのです。
それ以前に、販売費及び一般管理費の中の人件費(給与及び賞与等)を低く抑えてきていたのです。
内部留保が多い理由
「2000年以降人件費の削減」(他に法人税の減税、事業環境の改善による利益の増幅など)と明記されていますね。
出典元:日本企業は内部留保が多い?経営者なら知っておきたい影響 FOLIO