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大前研一 名言集 『50代からの選択』(4)

『50代からの選択』(4)

 私は6月末(2022年)で67歳になります。前期高齢者です。
その意味で、このタイトルの本は自分の半生を振り返る機会を与えてくれた本ですし、後半生を生き抜いていくためのよすがともなりました。

 「人生とは何ぞや」をご一緒に考えてみませんか。


  
 『50代からの選択』(初版 2004年11月10日 集英社)は、<ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか>というサブタイトルが示すように、自分の人生を真剣に考えるきっかけを与えてくれます。50代のかただけではなく、実は20代、30代、40代のかたにも読んでいただきたい本です。

 

藤田さんが会社と揉めてしまっていたということなのだろうが、アメリカのマクドナルド社は、葬式ぐらい社葬として行い、日本一のファーストフードを育て上げた功績を讃え、感謝を表わすべきだったのではないか


藤田さんは、社長を退いて会長のなり、翌年にはその会長職も退いて、2004年4月に78歳で亡くなった。僕はすごく驚いたのだけれど、30年かけてあそこまでの会社をつくりあげた人物に対して、社葬ひとつない。
マクドナルドよ、それはないだろうと、たいへんな憤りを感じた。それほど藤田さんが会社と揉めてしまっていたということなのだろうが、アメリカのマクドナルド社は、葬式ぐらい社葬として行い、日本一のファーストフードを育て上げた功績を讃え、感謝を表わすべきだったのではないか
それが人間的な対応というものではないかと僕は思ったものだ。

『50代からの選択』 大前研一の名言 1 〈196〉       


そもそも経営者には、「寿命」というものがあると僕は考えている


そもそも経営者には、「寿命」というものがあると僕は考えている。それは「時代」「年代」「世代」によって形成された世の中の価値観と密接に関わっているのである。

『50代からの選択』 大前研一の名言 2 〈197〉      







藤田さんの例をあげるまでもなく、個性の強い創業社長の引き際は難しい


藤田さんの例をあげるまでもなく、個性の強い創業社長の引き際は難しい。信頼出来る後継者が育っていなければ、それこそ、60代になっても70代になってもバトンタッチできず、走行しているうちに改革に失敗したり、ワンマン社長への不満が内部から噴出してきたりして、辞任に追い込まれる、ということにもなりかねない。

               『50代からの選択』 大前研一の名言 3 〈198〉                                                      



➳ 編集後記

『50代からの選択』(初版 2004年11月10日 集英社)は、<ビジネスマンは人生の後半にどう備えるべきか>というサブタイトルが示すように、自分の人生を真剣に考えるきっかけを与えてくれます。50代のかただけではなく、実は20代、30代、40代のかたにも読んでいただきたい本です。

🔶 大前氏は自分で考え出したことを自ら実践し、検証しています。仮説と検証を繰り返す行動の人です。

Think before you leap.(翔ぶ前に考えよ)という諺がありますが、Leap before you think.(考える前に翔べ)もあります。

あれこれ考えて、難しそうだからとか面倒くさそうだからやめようでは成長しません。

まず、やってみるという姿勢が大切です。

大前研一氏は、常に物事の本質を述べています。洞察力が素晴らしいと思います。ハウツーものは、その内容がすぐに陳腐化するので読みません。

➔ 大前氏の今回の言葉も、私たちが忘れがちな重要なことに気づかせてくれます。

🔷 藤田田(ふじたでん)さんの評価が二分されることがよくあります。
それは藤田さんが著した『ユダヤの商法』を読んだだけで、判断するからでしょう。

言葉遣いが荒っぽいとか、下品とか、あるいは金の亡者もあります。さらにユダヤ人礼賛とか。

ただ、現実問題として、藤田氏が当時日本になかったハンバーガーなるものを、マクドナルド(マック、関西ではマクドと言うそうですが)の名称とともに日本に根づかせたという事実は絶大です。

藤田さんを批判する人は、藤田さん以上のことをやってごらんなさいと言われたら、どう答えますか?
 
「そんなこと簡単だよ!」と即答できますか?

大切なことは、先人が行ったこと、残したことに対し、まず敬意を払うことを忘れてはいけないということです。その上で、明らかに間違っている点があれば、批判することが許されるでしょう。


経営者にとって避けて通れない問題が2つあります。
1つは、引き際です。リタイア(引退)です。創業者であれば、自分で作り育て上げた会社に未練を持つのは無理もないことでしょう。その気持ちを断ち切るのは容易なことではないはずです。

もう1つは、後継者問題です。最初の問題に大きく関わることですが、長年トップとして君臨してきた会社を他の人間に渡すことを躊躇するのです。

自分ほどに経営できる人間はいないと思い込んでしまっているのです。

しがらみから逃れられないのでしょう。


🖊 大前氏の著作を読むと、いつも知的刺激を受けます。
数十年前に出版された本であっても、大前氏の先見の明や慧眼に驚かされます。

『企業参謀』(1985/10/8 講談社という本に出会ったとき、日本にもこんなに凄い人がいるのか、と驚嘆、感嘆したものです。
それ以降、大前氏の著作を数多く読みました。
その本が好評であったため、『続・企業参謀』(‎ 1986/2/7 講談社が出版され、その後合本版『企業参謀―戦略的思考とはなにか』(1999/11/9 プレジデント社)も出版されました。







🔶 大前氏は経営コンサルタントとしても超一流でしたが、アドバイスするだけの人ではありませんでした。自ら実践する人です。有言実行の人です。起業し、東京証券取引所に上場しています。現在は代表取締役会長です。



大前氏の本には、ものの見方、考え方を理解する上で重要な部分が多くあります。大前氏の真意を深く考えなくてはなりませんね。

この元記事は14年前にFC2ブログで書きました(2008-03-11 22:32 by 藤巻 隆)。「新・大前研一名言集(改)」はかなりの量になりました。私にとっては、いわばレガシィです。
その記事を再編集しました。


✑ 大前研一氏の略歴

大前 研一(おおまえ けんいち、1943年2月21日 - )は、日本経営コンサルタント起業家マサチューセッツ工科大学博士マッキンゼー日本支社長を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授やスタンフォード大学経営大学院客員教授を歴任。

現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長[1]韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授[1]高麗大学名誉客員教授[1]、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役[1]、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長[1]等を務める。    (Wikipedia から)


大前研一氏の略歴補足

大前氏は日立製作所に勤務時、高速増殖炉もんじゅの設計を担当していましたが、原発の危険性を強く感じていたそうです。

その後、世界一の経営コンサルティングファームのマッキンゼーに転職。
マッキンゼー本社の常務、マッキンゼー・ジャパン代表を歴任。

都知事選に出馬しましたが、まったく選挙活動をしなかった青島幸男氏に敗れたことを機に、政治の世界で活躍することをキッパリ諦め、社会人のための教育機関を立ち上げました。BBT(ビジネス・ブレークスルー)を東京証券取引所に上場させました。

大前氏の書籍は、日本語と英語で出版されていて、米国の大学でテキストとして使われている書籍もあるそうです。











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