最強対決、イングランド対ニュージーランド

この一戦のために用意してきたイングランド

土曜の夕方、ついにイングランドとNZが準決勝で対決する。事実上の決勝戦とも言われている。ほとんど負けなし、W杯3連覇を目指すNZに対し、シックスネーションズなどで圧倒的な強さを誇ってきたイングランド。北半球と南半球の両雄の対決だ。エディーは就任当初はチームにハードワークを求め、自信を回復させたが、この2年は、勝利よりもチームの自主性を促し、選手やコーチ自身でチームを伸ばす方針をとってきた。全ては、このW杯にピークを持ってくるための布石だったのではないだろうか。

切れ味抜群のNZ

鉄壁の組織的に守備を誇るNZ。さらに、ターンオーバーからの逆襲の切れ味と決定力が凄すぎる。恐らく、一瞬だけ開くか開かないかわからないゲートを一人じゃなく、集団で切り込む。それが最強のNZの凄みだ。南ア戦でも、スタンドオフからパスダミーにつられたほんの隙間にカットアウトで走り込んで、ラインブレイク。そのままパスをつなぎトライにつなげた。

うちのプレッシャーを強めたらワイドに展開して手薄になったところでオフロードでつなぐ。出足が早ければキックで裏のスペースを狙う。守る側は、何で守ることがいいのか迷いが出た瞬間に、また切り裂く。自分の強みが出せない。それがNZの強さだろう。

イングランドはどう立ち向かうのか

一方、イングランドも何でも出来るチームになっている。かつては、ハイパントでキックばかりで、退屈な展開ばかりであったが、今のイングランドは全く異なる。さらに、季節はすでに秋。ヨーロッパ選手の苦手は蒸し暑さは過ぎ去り、汗は一瞬にして寒気に変わる。イングランドは運動量全開で試合が出来る。

まず、ディフェンスはうちから圧力をかけて、ゲインを切らせず、外に展開させるのではないだろうか。外には、NZの身体能力の高いウイングに対抗できる選手を配置している。ハイパントやスピード勝負でも引けを取らない。真ん中をキックで崩されてもとにかく囲んでゲームスピードを落とさせ、自分達のペースで体をぶつけながら相手を消耗させる。

先週の日本対南アではないが、重いフォワードのフレッシュレッグをなるだけ使って圧力をかけて、フィジカル優位な試合展開に持っていきたいところだろう。

策士、エディー・ジョーンズは、何を崩しに来るのか、どうやってNZを打ち倒すのか、次の数年間のラグビーの新たな戦術が見られるに違いない。

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