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[新型コロナウイルス影響インタビュー]第2回 介護施設で働く柔道整復師の場合(後編)

※前編 https://note.com/takezo1969/n/n9ec416df2f6e からの続きです。

自粛と補償はセットだろ

──じゃあこの流れで、新コロ発生からの安倍政権の一連の対応についてはどう思う?

ダメダメだと思うよ。やっぱりさ、営業するなと言うなら補償しないとダメだよ。フランスやドイツほどじゃなくてもさ、ライターとかカメラマンとかの個人事業主に補償しないってほんとにヒドいよね。てかほんとにやらないんだこの人達、って思ったよ。

──あいつら税金、自分らのもんだと思ってるからね。

思ってるよね、絶対。ブラックマヨネーズじゃないけどどうかしてるぜ! って思うよ。税金払いたくなくなるよね。補償がなきゃ収入途絶えるといきなりヤバくなるわけじゃん。

──その時に使うのが税金だよね。オレもこのまま収入ゼロが長く続いちゃうと餓死しちゃうよ。

マジでシャレにならんよね。この期に及んで補償しないって、ほんとにみんなに死ねって言ってるのと同じだなと思うよ。オレはたまさか今働けてるからいいけどさ、極端な話フリーランスとか派遣の人とかほんとに死んじゃうと思うよ。

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──マジでオレ含めてほんとにこれから死んじゃう人増えると思うよ。

そうだよね。安倍の大好きなトランプはすぐ補償のための金、たくさん出したぞ、安倍って基本スネ夫なのになんでそんなとこだけジャイアンの真似しないんだよって。

──わはは。確かに。

たぶんね、すべては他人事なんだろうと思う。安倍も麻生も神輿の上にいてさ、実際に動いているのは下の担いでる官僚じゃん。そういう人たちが勘違いしてるんだろうと思う。安倍や麻生がバカなのは今に始まったことじゃないし、逆に言えばあいつらがスケープゴートじゃないかと思うんだよね。もっとヒドいことしてる人たちは目に見えないところにいる気がするけどね。

あと国会議員が悪いのは当然なんだけど、でもその議員を国政に送っちゃたのは我々だらかね。

──オレは一回も自民党に票を入れたことがないからこうなったのは国民のせいだって絶対に言わせないけどね!

オレもそうだよ。投票率の悪さが招いたってことだよね。

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▲30年前、地方選手権SP125クラスに出場してブイブイ言わせてた頃のオカノ氏

普通に働けるのってありがたい


──今後については? もう自分の仕事を淡々としていくだけ?

今のところはね。しんどくなりすぎたら職場変えるけど。幸い柔道整復師の資格をもってると働き口には困らないからね。

──んじゃあんまり不安感もない?

ないねえ。でも当然だけど、いつ新コロが終息するかまだ見えないのは嫌だね。やりたいことがいつできるんだろうっていうね。だからってすごいイライラしたり落ち込んだりしてるって感じでもない。

──まあヨシナリさんは昔からその辺淡々としてるし、今も普通に働けてるからなんだろうね。

それはあるかもね。普通に働けるってありがたい話ですよ。

忸怩たる思いも

──もうさ、日中家でアニメ見ながら酒呑んでるとさ、全然疲れないし、昼寝も夜寝もがっつりしちゃうから、夜まともに寝られない。よくないこととか考え出して気づけば4時5時くらいでさ。完全に昼夜逆転してるんだよね。すごいよくないと自分でも思う。そういう意味ではほんとこの業界から早々に足洗って柔道整復師になってよかったね。大正解だよね。

う~ん。でも今の仕事はオレの中ではやっちゃってる感が強いんだよ。

──やっちゃってる感とは?

つまりさ、オレは今勝負してないんだよ。言ってみればライターとか編集者に限らず、フリーでやってる人たちって常に自分の成果物で勝負しなきゃいけないわけじゃん。そこで勝ち負けがつくというかさ、そこでの評価が次の依頼に繋がる。評価が悪ければ仕事もらえないとかさ、そういう世界で働くってことじゃん。

──まあ確かにオレらは毎月の基本給というものがないから、できたものがすべてだからね。

そうでしょ? そういう勝負の場からオレは降りちゃってるわけだよ。それに対する未練というか忸怩たる思いはいまだにもってる。だからといってもう一回フリーのライターやるわっていうほどのモチベーションはないんだけね。でもその勝負の場から降りちゃってる今のオレというのを客観視した時に、残念だなという思いはある。

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──でも納得してメディア業界から足洗ったんじゃないの?

納得なんかしてないよ。いまだにあれやっとけばよかったという、いわゆるやり残した仕事ってやつがちょいちょいあるからね。

──でも今のこの状況を考えると結果的にはよかったんじゃないの?

まあ結果的にはね。フリーライターやっていた頃も、オレ、フリー向きじゃねえなって思いながらやってたからね。

──足洗ったのっていつ頃だっけ?

43歳くらいかな。いよいよ来月の支払い困るぞと思ってなんかバイトしなきゃつって、4軒くらいレンタルビデオ屋とかネットカフェの面接を受けに行ったら軒並み落ちまくってさ。これが40の壁かと思ったね。

──そうかあ。その話はまた別の機会に詳しく聞かせてよ。でもさ、こうなってつくづく痛感するけど、オレみたいな社会に必要ないフリーライターのような職業のやつから仕事ってなくなっていくよね。前々からわかってはいたことだけどやっぱそうだなと感じる。

ははは。まあそんなこと言ってもしょうがないからとりあえず生き残るために頑張るしかないよね。

──そうね。終息したらまたおもろい話を危機に阿佐ヶ谷ロフトとか行って、その後日高屋で呑みましょう。

なんでいっつも日高屋なんじゃい!

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