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【読書感想】西條奈加『千年鬼』

2016.12.18、読了。

西條奈加『千年鬼』

人に宿る「鬼の芽」を千年摘む子鬼の話。

同じようなシチュエーションで鬼の目を吐き出させる展開に少し飽きた頃、物語は大きく動く。

鬼の目を宿した者たちに共通項があったこと。
鬼の目を宿した者たちに既視感があったこと。

サラッと読んできたその1頁1頁に物凄く意味があったのだ。

憑きものがとれたように呆けた後、涙がポロポロとこぼれ落ちた。そのままラストまで読み続けた。

ファンタジー、妖怪モノ、時代小説、どれにも当てはまるけど、どれでもない。
恋愛小説に近いかもしれないが、恋愛ではない。
どれにも属さない、絵草紙のような西條奈加の世界。

千年鬼の、千年の愛。
千年愛の先には、千年の希望。

あー、伝わらん。
こんな感想じゃ伝わる気がしない。
どストライクでした!
こういう小説が読みたかった!

幸せ。

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