イケズの言い分 ”甘やかし”と”優しさ”は別物です
イケズというのは、わたしのこと。傍から見てイケズなヤツに見られるのは百も承知。しかし自分としては全くそのつもりはないので、態度を変える気もない。
そうはいっても、人に話すと99%同意してもらえないので、ここに書くことにした。100人に1人ぐらいは同意してくれる人がいるだろうという期待を込めて。
イケズを発動する相手はほぼ母親だ。事件の大小はあれ、いつも母相手に似たようなことが原因でわたしは怒り、イケズっぷりをぶちまけている。今回はそんなしょうもない日常の事件の1つをご紹介。
公共交通機関のチケット予約でひと悶着あった。
母は月に一回、趣味の集まりに行くためにチケット予約をしている。そのチケットは大型連休でもない限り売り切れることはなく、当日券でも十分余裕がある。ただし、ネット限定でかなりの割引率で買えるとのことで、母はネットに疎いにもかかわらずネット予約をしたがる。
そこでわたしに「教えてほしい」と頼んできた。
母はもともと機械オンチだ。これまでの人生で一度もネットに触れなかったのが、2,3年ほど前にスマホを買ったのをきっかけに、足を踏み入れることになった。
基本的にわたしは人に教えることが嫌いなのだが、これからの時代にスマホは必須だし、高齢の母にも必要になるだろうということで、設定はすべてやった上で最初は優しく教えた。
最低限のレベルとして電話とライン、メールくらいは教えてあげなきゃいけないかなと思ったが、あとのアプリは使えなくても生きていける。母は高齢とはいえ、同年齢より若々しく元気そのものなので、「もっと活用したいのなら自分で勉強してね」ということにした。
だから公共交通機関のネット予約なんてやりたくなかったが、「頑張って覚えるから」というので、「メモを取ってあとは自分でやる」ということを条件に丁寧に教えた。しかしこれが想像以上に苦労した。
母は社会人経験がほぼない専業主婦。だからダメだというつもりはないが、母の場合は人に教えてもらうときの姿勢を知らなすぎた。
メモを取っていたとしても、ただのパフォーマンスでしかなく、次に見た時に本人が理解できていない。見返した時に分かるように書いていないのだ。
そして、わたしが家にいればこっちの都合おかまいなしに呼びつけ、「分からないから教えて」と自分のタイミングで聞いてくる。「前に教えたでしょ。メモとったでしょ」といっても「分からないんだから仕方ない。教え方が悪い」などという。
わたしがエンタメ動画を見ていたりすると、「どうせヒマなんだから教えてよ」というのだが、わたしの時間はわたしが使う権利があり、その時間を勝手に「ヒマ」と決めつけ自分のために使えというのも傍若無人。笑止千万。
さきほど、「わたしは人に教えることが嫌い」と書いたが、正確にいうと「本気で学ぶ気のない人間に教えたくない」。
家族とはいえ、最初に「教えることは嫌いだ」といっているし、必然性もないにも関わらず教えてあげているのに、感謝もなければ相手の時間を奪うことに対して何の疑問も抱かない。このことは、わたしにとって「家族だから」といって許される問題ではないし、本人として「頑張っているつもり」とかも関係ない。
また、母はスマホ以前に、ネットはおろか、パソコンの仕組みを全く知らない。「url」の意味はもちろんのこと「コピぺ」の概念すら分からない。そんなレベルの人間に表面的なスマホ操作だけを教えても無駄なのだ。
交通機関の割引のためにネット会員になったところで、IDとパスワードの概念が分からない。パスワードで大文字と小文字を混ぜるという意味も分からない。
そんな感じなので、こちらが必死になって手順を教えたところで、ひとたびアップデートでサイトの見た目が変ればゼロに逆戻り。また初歩の初歩から教えなければならないし、相変わらずネット(パソコン)の仕組みを知らないので、”大文字か小文字か”程度の引っかかりがあると、もうパニック。
「これからもネットを活用したいのなら、ネット(パソコン)の使い方そのものを知った方がいい。だとすれば、ちゃんとした教室に通った方がいい」といっても「あんたが教えてくれたらいいじゃない」と聞く耳を持たない。
確かに、わたしは使い方は分かる。しかし教え方は知らない。
わたしは母相手だとイライラしやすいし、向こうも「いつでも教えてもらえる」と思う。家族が相手だとお互いに甘えが出てくるわけだ。
なんでも家庭内で完結できたら苦労しない。でもそうじゃないから、この世の中には学校とか教室という仕事があるんだろうに。「知っているなら、家族が教えてあげるべき」というなら、親が子どもに勉強を教えるべき、というだろうか。「テレビを見るヒマがあるのだから、不可能ではない」というのだろうか。
じゃあ、母に理解してもらうのを諦めて、毎回わたしが代わりにチケット予約をしてあげるか? というと絶対に嫌だ。前はやってあげていたのだが、ある日「なんでこんなことせなアカンねん」と思って完全拒否に転じた。
正直、公共交通機関のチケット予約なんて朝飯前だ。しかし、日時や座席指定など間違いがないかを責任をもって確認し、座席が空いていなければ「変更したよ」と教えてあげ、メールだけでは不安な母がわたしにいちいち再確認しに来て…。というのに毎回イライラしていた。そして考えた。
・このチケットは母の趣味のための移動手段である
・このチケットは正規の値段なら、アナログな方法で母も問題なく買える
・お金がなくて困っているわけでもない
・割引じゃなきゃ行かない趣味なら、行かなくてもいいのでは
・わたしの仕事を時給換算すると割引より割が悪い(フィジカル、メンタル含む)
↓
わたしがやる必要、全くないだろ
という結論に至った。わたしのストレスと物理的拘束によってこのチケットは割り引かれていたのだ。
もちろん、「この程度の内容がなぜそこまでストレスなの?」と思うかもしれない。母も分かっていないからこそ頼んでくるのだと思う。
でも他人にとってどうかなんて知らない。わたしが嫌なものは嫌だ。
毎回、すべてをぶち壊してやりたいくらいマジでイライラする。わたしはブチギレ、母は戦々恐々とする日が1,2日続く。にも拘わらず、サイコパス気味な母は翌月も普通に頼んでくる…なんでやねん、を通り越して怖い。記憶喪失なの?
あと、もしこれを受け入れたら際限なくなるのが容易に予想できる。
実際、スーパーの割引アプリやらなんやらも聞いてきた。それも教えてやったが、アップデートされたらまた使えなくなるだろう(なんだかんだ教えてる)。割引アプリはアプリを使える人の特権であって、他人の労働を充てるものじゃない。割り引かなきゃ買わないものは最初から買わなくてよい。母は不要なものを「割引だから」という理由でよく買うんだなこれが。
実はスマホ事件の前にもこんなこともあった↓
母があるスクールに通い出した時、カリキュラムにパソコンの授業も入っていた。難易度は低いとはいえ、母レベルの初心者にはハードルが高い内容だ。嫌な予感がしたわたしは「絶対に教えないから。絶対に聞いてくるな」とけん制。母は「わかった」と神妙な面持ちで約束したにも関わらず、秒で反故にした。
「教えないって約束したよね」というと、「わかるんだから教えてくれてもいいじゃん」ってまた記憶喪失。
だいたい、パソコン授業はスクールのメインではなく、単位を落としても問題ない。母としても、授業に入ってるからやるだけで、今後パソコンを使う予定もない。だから「やらなくていいでしょ」というと「だって授業があるなら単位取りたいじゃん」と。
…………
わたし、安定のブチギレ。
すると母は友達に「娘が教えてくれない」とグチったらしく「イジワルね」と同情されたらしい。
よし、友達連れてこいや。話つけたる。
と言ったが、母は連れてこない。
とまあ、こんなことを1年以上繰り返して疲れた。母は何度繰り返しても懲りないのが怖い。心臓に毛が生えすぎ。もはや母の心臓ウニ。
その後もちょっといろいろあったが以下略、「金輪際、わたしはチケット予約をしない」ということで条約を結んだ。母はわたしを諦め、重すぎる腰を上げてようやくスマホ教室を予約した。この日までに2,3年かかった。最初からこうしてくれ。
めでたしめでたし。(であることを祈る)
この話を友達にすると、「そのくらいやってあげなよ」とたしなめらるか「あんたって人は」と呆れられるか。母がグチった友達と一緒だ。
外面は「そうだよ、わたしはどうせイケズだよ」と開き直ることにしているが、トータルで見ると母のためであり自分のためだと思っている。毎度同じことでイライラして怒りを沸かせるのもぶつけるのも不毛。しかもかなりのイライラだ。放っておいたら冗談ではなくいつか病気になる。
ということで、今後もこれで生きます。
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