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古い建物はアンペアを容易に変更できない。

区分マンションの1室をフルリノベーションする予定でしたが、思いもよらない方面からトラブル発覚で少し困惑しています。

部屋のアンペア数を20A→40Aに変更したかったのですが、東京電力からアンペア変更ができない可能性があり、確認する必要があるので待って欲しいと言われています。

そもそもなぜアンペアを変更したいのかというと、フルリノベーションを行うにあたり電力を消費する電化製品を複数設置するので、十分なアンペア数が必要になるためです。

駒場

IHコンロ、浴室乾燥機、ウォシュレットなど最近の新築・築浅物件ではほとんど付いてます。便利な一方で設備の電力消費が激しく、建物の電力許容範囲を超えている可能性があります。

東京電力のページに製品別の消費アンペア数が記載されているページがあります。

アンペア1

アンペア2

特に熱をだす製品ほど消費するアンペア数も大きくなります。

20Aのままでは、電子レンジを使うためにエアコンを消さないといけません。でないとブレーカーが落ちてしまいます。

ここで、なぜ部屋のアンペアを変更できないのかというと、40Aの電力供給に耐えうるだけの配線の太さが備わっているかどうかがわからないためです。

今回リノベーションする建物は築43年の旧耐震物件です。建築当時は今ほど電化製品も多くなく、アンペア数も20Aで十分足りていたわけです。

ところが、現代のように電化製品を多く利用する時代になり、建物の構造が現代の設備に追いつかなくなっているのです。

もう少し細かく説明します。

考えうる障害は2つあります。

1つは、東京電力が各建物に供給する電線(電柱~建物まで)の太さです。前面道路が狭いと送電する電力も弱まります。そういった場所では、電柱の中でもサイズが小さい「支柱」が立っています。

支柱

これは電力会社(この案件は東京なので東京電力)に依頼すれば、線を太くするなり東電が工事をしてくれます。下請けの工事会社が工事しているところをみたことがあるかもしれません。関電工さんがシェアのほとんどを占めています。

問題は工事に大変時間がかかることです。時期によっても異なりますが2~3カ月はかかります。

そんなに日数かけてたら繁忙期が終わります...。

2つ目は、建物内の配線です。線を太くしたい場合は所有者の合意が必要です。さらに言えば費用は自己負担です。

今回のように分譲マンションの場合は、コストの問題よりも必要数の合意を得られるかどうかが一番のネックポイントです。費用負担が発生する場合は工事反対派が一定数でてくる可能性があります。

総会を開くにしても管理組合はすぐに取り繕ってはくれないでしょうから、場合によっては次回の総会(1年後)まで待つ必要があるかもしれません。

ちなみに建物のアンペア許容度を調べたい場合は現地のMDF盤を見ればわかるそうです。九州電力に勤めていてる友人にMDF盤の中の写真を送ればわかるのか?質問しましたが、現場の職人でないと分からないほど難しいそうです。

来週には東京電力から回答があるので、続きは次回以降のブログで書きたいと思います。



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