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社会性とビジネスの両立について③

まいど、株式会社TAKESUMIの代表取締役社長の小松です。

当社では、「竹害」から日本の里山を守るため、ソーシャルビジネスとして、日本の最高級の竹炭を用いたD2Cブランド・竹炭インテリア「TAKESUMI」を展開する竹炭インテリア事業を行っています。

前回に続き、社会性とビジネスの両立についてと題して、キーワードをいくつかご紹介させていただきたいと考えています。

第3回目の今回は、CSVについてご紹介をしたいと思います。

3.CSV(シー・エス・ブイ)

CSV(共有価値の創造、共通価値の創造)とは、「Creating Shared Value」の略称です。

CSVは、米国経営学者マイケル・ポーターが提唱した考え方で、共通価値の概念について「企業が事業を営む地域社会や経済環境を改善しながら、自らの競争力を高める方針とその実行」と定義しています。

また、そこではコストを踏まえた上で社会と経済双方の発展を実現しなければならないという前提の下、「社会のニーズや問題に取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、経済的価値が創造されるべき」というアプローチを提唱し、「企業の成功と社会の進歩は、事業活動によって結び付くべき」としています。

(1)CSVの3つのアプローチ

CSVの考え方について、マイケル・ポーターは「製品と市場を見直す」、「バリューチェーン51の生産性を再定義する」、「企業が拠点を置く地域を支援する産業クラスター52をつくる」という三つのアプローチがあるとしています。

①「製品と市場を見直す」

このアプローチは、社会的な課題を解決する新しい商品やサービスを生み出すことにより、社会価値と企業価値の両立を図ろうとするものです。また、このアプローチでは、社会価値と企業価値の両立を実現する必要があるため、純粋に新しい商品・サービスを生み出し社会的な課題に対応するだけでなく、新しい市場を開拓したり、市場を拡大したりすることによって、企業は自らの企業価値を創造する必要があります。

②「バリューチェーンの生産性を再定義する」

このアプローチは、自社のバリューチェーンを見直すことにより、社会価値と企業価値の両立を図ろうとするものです。企業のバリューチェーンは、社会に影響を与えているため、この部分を見直すことにより、社会的な課題を解決すると同時に、コスト削減などの企業価値の創造が実現されるとしています。

具体的な見直し項目として、「エネルギーの利用とロジスティックス」、「資源の有効活用」、「調達」、「流通」、「従業員の生産性」及び「ロケーション」などを挙げています。

③「企業が拠点を置く地域を支援する産業クラスターをつくる」

このアプローチは、自社が企業価値を高めるため、企業の生産性やイノベーションに影響を与えるクラスターを形成することで、社会的な課題の解決を図ろうとするアプローチです。

労働者が搾取されたり、サプライヤーに適正価格が支払われなかったりすると生産性が悪化するため、クラスターの形成には公平かつオープンな市場が必要であるとしています。

(2)CSVとCSRの違い、CSVとソーシャルビジネスの違い

CSVと、前回ご紹介したCSRとの違い、ソーシャルビジネスとの違いについてもご説明をしたいと思います。

CSRが、コンプライアンス(法令順守)や、環境マネジメント、フィランソロピー(社会貢献的活動)など本業の周辺としての活動であったのに対して、CSVは、本業=事業そのものでの戦略的展開が目指されています。

CSVは、より事業融合的な概念として、社会的価値の実現を通じて事業価値や競争力を確立する動きとなります。

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ソーシャル・ビジネスが、ビジネスを通じて、社会課題の解決を行うことであるのに対して、CSVは、社会的価値と経済的価値とを共立させることです。

CSV は、社会的価値と経済的価値との両立を目指しますが、ソーシャル・ビジネスでは、社会的価値の追求により重点を置くところに違いがあります。



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