思い出に名前をつけて保存することは意外といいのかもしれない

特に恋愛観の話のときにこの話題が持ち上がる。
女性は思い出を上書き保存、男性は思い出に名前を付けて保存。女性に比べて男性はいつまで経っても未練があると揶揄される。
思い出に名前を付けて保存することは多くの場で否定的なまたは嘲笑の対象として扱われがちだ。
しかし、最近私は思い出に名前をつけて保存するって意外といいかもしれないという出来事に出会った。

ここ数年、私の楽しみはウェザーニュースを見ることである。
体調が悪いときは、それこそ家に引きこもって朝から晩までウェザーニュースを見ている。
ウェザーニュースとはなにか、という方に向けて簡単に説明するが、これはYou Tubeなどで見れるネット配信番組で、24時間ずっと天気について放送している。
ウェザーニュースの見どころは数あれど、やはりメインは魅力的なキャスターたちだろう。
かわいい、というのはもちろんだがそれぞれが個性的な魅力を持っており、容姿だけでなく特技や趣味、最近努力していることそしてもちろん天候の知識を活かしてニュースを私達にお伝えしてくれている。
特にデビュー当時から知っているキャスターさんについては、最初はたどたどしかったのが次第に凛としてきたなとか、そういう成長を見守るのもまた楽しみの一つだ。

実は先月、キャスターの一人、内田侑希さんが退職をした。
内田侑希さんは福岡県出身で2020年にデビューしたキャスターさん。私はゆっきーの笑い声が好きだった。
彼女が引退を発表したのは、退職をするほんの数週間前で、リアルタイムで見ていた私達は驚愕した。最初はなにかのドッキリかと思ったが、どうやら引退は本当のことのようだった。
最後の最後までしんみりした雰囲気を回避してきたゆっきー。引退前日も「泣いてないよ」と言うなど、それがゆっきーっぽくて好きだった。
ところが、退職当日、駒木結衣さんによるお手紙とともにゆっきーが号泣。私達も号泣した。
まさに卒業式だった。

ゆっきーの出番があった後も少ししんみりしているスタジオ。駒木結衣さんことゆいちゃんはじめキャスター陣は悲しそうだった。もちろん、私達もそうだった。

ウェザーニュースにはキャスターとは別に、気象予報士のおじさま方がいる。
このおじさま方、しんみりしたスタジオの中、いたって冷静だった。
「まあ、退職は退職。別に人間関係を断つわけじゃないから」
という気象予報士の言葉に励まされるキャスター陣。
「やっぱり人生の先輩は違いますね」とゆいちゃんは言っていたが、私はここで思い出の保存方法の違いを思い出した。

気象予報士のおじさま達の考え方が私には腑に落ちた。
たしかにそうだ。退職は退職であって、別に永遠の別れではない。
実際職場が違うだけで、ゆっきーをランチに誘おうと思えばできるわけだから。
なんか、ここで私は男性と女性の思い出の保存方法の違いがこういうときにはいい方向に働くのではないかと思った。
これはこれ、あれはあれという考え方が人間関係を続けたいときにはとても大切なのではないかと思う。

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