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アンラーン💣リラーン📚ためらわん♫run80…⭐誤った前提の上で展開された面白エピソードほど罪深いものはないかもしれない⭐️

(これまでの虚栄を解きほぐす「unlearn」のため、頭の中を刷新する「relearn」を躊躇なく進めるための記録)

【記事累積:2048本目、連続投稿:981日目】
<探究対象…コラム、先入観、思い込み、堀場雅夫、デカルト>

先週の異文化理解の特別授業は「インド」でした。私は2019年の10月に北インドのカルカという町からさらに山奥に行ったところにあるNGOの宿泊施設で、国際ボランティアキャンプに参加したのでした。先週の授業ではそのときの写真や動画を用いて、インドという国を紹介しました。

インドで最も信仰されている宗教がヒンドゥー教であることは、社会の授業で扱う機会が多いため、生徒たちもよく知っていました。しかし、現在のインドの宗教の割合を見たとき、2番目に多く信仰されているのがイスラームであることや、発祥の地でありながら現在は0.7%である仏教のことなどについては、意外であるという反応が返ってきました。

確かに仏教発祥の地と言われると、現在でもそれなりに信仰している人が多いのではないかと思い込んでしまいますが、そんな先入観と実際との間にかなりのギャップがあることに驚かされます。

「先入観を捨てることは大変むずかしい。それでも、『これは絶対に正しい』と思い込まずに、『間違っている可能性が絶対ないとは言えない』と考えられれば、先入観による呪縛は少しは解けてくる。」
これは日本の実業家である堀場雅夫の言葉とされています。

この言葉の通り、先入観とか思い込みというものに一度囚われてしまうと、それを前提に色々と考えてしまって、物事を客観的に見つめられなくなることはありますね。いかにそのあとに続く推論の手順が整然としていたとしても、出発点がズレてしまっていると決して適切な結論に至ることはできません。

だからこそ大陸合理論の祖とされるデカルトが、方法的懐疑によって徹底して曖昧なものを除去し、確実な真理から推論を開始することにこだわったわけです。

私は社会科という科目を扱っているわけですが、資料の理解や解釈の不十分さによる先入観・思い込みが作り出した誤りを含む前提から始まっているとすれば、それがいかに躍動感のある面白エピソードで授業を展開したとしても、生徒を危うい認識の世界に誘ってしまうことになります。そうした躍動感のあるエピソードは特に生徒の印象に残りやすいので、面白エピソードであればあるほど罪深いものとなってしまいます。

若い頃に比べれば、資料の理解や解釈を慎重に進めているとは思いますが、いまだに先入観・思い込みが紛れ込んでいることがあるので、今後も注意したいと思います。

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#哲学   #堀場雅夫   #デカルト

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