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❖デタラメなデカルトーク【セッション3】❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2024年4月1日)

(デカルトの著作を使ってタラタラとデタラメな考察)

【記事累積:1992本目、連続投稿:925日目】
<探究対象…デカルト、哲学、学問領域、カテゴリー>
(考察の形が固まるまで、しばらくは探究の4つのプロセスを示しながら考察をしていきます)
【課題の設定】…本日の一文で特に考えたい部分です。
本日の一文は、デカルト著『方法序説』の序文です。「つまり、第一部では学問に関する様々な考察、第二部では私が探求した方法の主たる規則が見出される」。ここで、「ナゼ(疑問を持った)・ナゾ(気になった)・アンテナ」に反応した部分は、「学問に関する様々な考察」です。本日はここを中心に考察します。

【情報の収集】…出てくる言葉の意味・定義などをいくつか確認してから考察を開始します。
「学問」は、或る原理や理論に基づいて体系化された知識や方法のことです。大まかに、人文学・人文科学、社会科学、自然科学などの総称とされますが、これらは排他的区分ではなく重なり合っています。
「考察」は、或る対象が何であるかについて、調べたり考えたりすることです。

【整理・分析】…考察で活用した「考える技法」や「シンキングツール」と呼ばれる類のものの確認です。
○分類、細分化…学問という上位概念はどのように分けられるのか。

【まとめ・表現】…実際に考察した内容を綴ります。
本日気になった「学問に関する様々な考察」ですが、一口に「学問」といってもその内部は非常に膨大かつ複雑だと思います。

世の中には「〇〇学」と呼ばれるものがたくさんあります。例えば、数学、文学、法学、経済学、美学、哲学、物理学などがあり、「〇〇学」と呼ばれる個別の学問を列挙すればきりがありません。

そしてこういった個別のものについて、その研究対象や研究手法といった性質で分類したときに使われる大まかな区分(カテゴリー)が、「学問領域」です。

学問領域の名称として、よく使われるものに「人文学・人文科学」、「社会科学」、「自然科学」の3つがあります。

かなり乱暴ではあるものの、これら3つは以下のように説明することが一応できると思います。(この説明は以前のコラムの文章)

【1】人文学・人文科学:人間の本性や人間の文化一般について考える学問の総称であり、主に文献を用いて研究が進められる。そして文献などの解釈が論理的に整合性を持っているかどうかが重要である。例えば、「哲学」「芸術学」「美学」「心理学」「教育学」「考古学」「文化人類学」「文学」「言語学」「宗教学」「神学」「人文地理学」「歴史学」などがここに属する。

【2】自然科学:自然界の仕組みや現象のほか、現象内部にある数量的な関係ついて考える学問の総称であり、主に実験や観察といった科学的方法を用いて研究が進められる。そして実験や観察を通じて普遍性のある法則性を発見していくことが重要である。例えば、「物理学」「化学」「工学」「生物学」「農学」「医学」「生命工学」「数学」「計算機科学」「地学(自然地理学を含む)」「天文学」「科学史」「心理学(人間内部のメカニズムに関する場合)」などがここに属する。

【3】社会科学:法・政治・経済など人間が作り出した仕組みとそれに関連した現象について考える学問の総称であり、主に観察・分析・調査などを用いて研究が進められる。そしてデータを材料として科学的な方法を取り入れながら客観的な傾向を見つけ出すことが重要である。例えば、「法学」「政治学」「社会学」「経済学」「経営学」「経済地理学」(「政治史」「法制史」「経済史」)などがここに属する。

ただ最近ではこの3つを固定的に捉えることは少なくなっていますし、もう少し学問の特徴から細分化を進めた「形式科学」「応用科学」「総合科学」というものも使われています。

これら「形式科学」「応用科学」「総合科学」について、私は以前のコラムで以下のように説明していました。

まず「形式科学」という抽象的構造で考察する学問の存在に注目すると、そこには数学・統計学だけでなく、論理学・言語学・ミクロ経済学なども含まれるのでなないかということに気づく。すると、それまで人文学・人文科学の方で扱っていた論理学や言語学、社会科学の方で扱っていたミクロ経済学などは、形式科学の登場によって、あまり抵抗感なく、そちらへ移すことができると思われる。そして、この形式科学と対比される概念は「経験科学」と考えられ、人文学・人文科学、社会科学、狭義の自然科学の3つがこれに該当するとされている。

次に「応用科学」は「基礎科学」と呼ばれる概念と対比されるものと考えられ、応用科学には医学・薬学・農学・工学・情報学などが含まれる。そしてこれと対比される基礎科学に該当するのは、こちらにおいても形式科学と対比されたさきほどの3つ(人文学・人文科学、社会科学、狭義の自然科学)とされている。

さらに応用科学と関わり合いを持つのが「総合科学」という概念であり、ここには家政学・博物学・社会福祉学・環境学・情報学などが含まれるとされている。ここで情報学が応用科学の説明にも総合科学の説明にも登場することを考えると、両者は重なり合うものと捉えるのが自然である。

このような以前の分類を概念図化させたのが図5でした。(参考までに考察途中だった図1や図3なども載せておきます)

こうして学問という概念は、その下の細かな概念として、6つくらいの学問領域に分けられ、さらにその中に個々の「〇〇学」があることが分かってきました。これだけ膨大な学問について考察しようと思うと、内容も方向性も無限に近いくらいありそうです。

果たしてデカルトは、無限に近い個々の学問に対する考察を、この本でどのように行おうというのか、非常に気になるところですね。

#探究   #探究学習 #哲学   #デカルト

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