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❖デタラメなデカルトーク【セッション4】❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2024年4月7日)

(デカルトの著作を使ってタラタラとデタラメな考察)
【記事累積:1998本目、連続投稿:931日目】
<探究対象…デカルト、哲学、具体と抽象、形而上学>
(考察の形が固まるまで、しばらくは探究の4つのプロセスを示しながら考察をしていきます)
【課題の設定】…本日の一文で特に考えたい部分です。
本日の一文は、デカルト著『方法序説』の序文です。「第三部では私がこの方法から引き出した道徳上の規則のいくつか、第四部では神の存在と人間の魂を証明する論拠、つまり著者の形而上学の基礎、(一文がかなり長いのでひとまずここまで)」。ここで、「ナゼ(疑問を持った)・ナゾ(気になった)・アンテナ」に反応した部分は、「第四部では神の存在と人間の魂を証明する論拠、つまり著者の形而上学の基礎」です。本日はここを中心に考察します。

【情報の収集】…出てくる言葉の意味・定義などをいくつか確認してから考察を開始します。
「神」は、人間の考えや力を超越した存在で、様々な宗教において崇拝の対象になっています。
「魂」は、昔から生き物の体内に宿るもので、心の働きをコントロールする役割を担うと考えられてきました。有形のように描かれることもあれば、エネルギーのように捉えられることもあります。
「論拠」は、或る主張の妥当性を支える理由に当たる内容のことです。
「形而上学」は、事物に関わる本質や存在に関わる基本原理について考察する学問のことです。考察対象が本質や原理であるため、具体的な経験・観察と結びつかない抽象的な学問一般を指す場合もあります。

【整理・分析】…考察で活用した「考える技法」や「シンキングツール」と呼ばれる類のものの確認です。
○オイラー図…神や魂という概念と証明や論拠という言葉の関係性。

【まとめ・表現】…実際に考察した内容を綴ります。
本日気になったのは、「神の存在と人間の魂を証明する論拠、つまり著者の形而上学の基礎」という部分に登場する概念や言葉の関係性です。

形而上学は、現象界の事物を超越したものとして、神や魂、世界全体なども考察対象になっているというのが一般的な理解だと思います。だから上で示されているように、神の存在や人間の魂という概念が、形而上学と結びついたものという点には違和感はありません。

ただその神の存在や人間の魂という概念が、「証明する」とか「論拠」といった言葉と関わり合うときに、「ん?」という気持ちになるのです。

私の中で、証明や論拠というと、裁判や数学などがすぐに思い浮かびます。ただし、裁判と数学が全く同じ概念の枠組みに属していると考えているわけではありません。前者は実践的で具体的な活動で、後者は理念的で抽象的な活動だと思っているので、このような視点だけではオイラー図で考えると両者の概念円は重なりません。

しかし何らかの具体的な知覚を素材として、それらを通じて、或る物事の中身が明らかになっているかどうかで見たならば、両者にはオイラー図における重なり合いが生まれると思います。前者は事件に関わる物的証拠や証言といった具体的な知覚素材を元に、事件の真相を明らかにしていきます。その一連の流れが証明であり、証明という或る種の主張を支える理由が論拠です。

後者では例えば、二つの三角形が合同かどうかについて、その真偽を明らかにすることがあります。そのとき、実際に三角形を画用紙などで切り出し、色々な器具を用いて形を調べることは稀です。たいていは紙面上に文字や数字を書き出して考えます。器具を用いた場合はもちろん具体的な知覚素材を元に、真偽を明らかにしていますか、紙面上での活動についても現実世界に存在する個物の数や形や長さなどを想像しながら真偽を明らかにしているわけで、こちらも具体的な知覚素材を元にしているといえます。そして器具を用いた場合も、紙面上も、その一連の流れが証明であり、証明という或る種の主張を支える理由が論拠になっています。

このような裁判や数学に対して、神の存在や人間の魂はどうかというと、神にしても魂にしても、それを想像力で描いた姿・形は見たことはあるものの、神そのもの・魂そのものを見たことはありません。

すると、数学の紙面上での活動において、現実世界に存在する個物の数や形や長さなどを想像しながら真偽を明らかにするという方法も難しくなります。そのように具体的な知覚素材を元にできない状態にありながら、証明が行えるのか、また論拠は確認できるのか、そんな疑問を私は持ったわけです。

それゆえオイラー図で考えたとき、証明や論拠という円の中に、裁判や数学が入ることはあっても、そこに神の存在や人間の魂は入ってこないのではと思うのです。

デカルトは、いかなる思考でこの証明・論拠と神の存在・人間の魂とを重ね合わせているのでしょうか。

#探究   #探究学習 #哲学   #デカルト

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