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オタクに絡まれる。という、おはなし

どうもハッピネストのみんなー!オゲンコしてるー!?
あたい、最近は腹がブッ壊れのピーピーでマイッチング!ホント、壊れるのは頭だけにして欲しい!みたいな~!?このまま孤独死コースって感じ~?げろげろマンモスゲリピー!

って嗚呼ああああああ!!もう死にたい!!!!

はい、どうも。いつもありがとうございます。

冒頭の挨拶に九割意味はないので、気になさらず読み進めていただければと思います。
実はですね、数年前から僕の密かな趣味としてプラモデル作成ってのがあります。昨年は小さな大会に出展して頂けたりして、何気にうふふ、と喜んだりしてました。

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あとは甥っ子に頼まれて本格的にお城のプラモを作ったり。甥っ子の部屋の一番目立つ所に飾ってくれてるみたいで、おじちゃん遺作が残せて嬉しいです。

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まぁまだ死ぬ予定なんか全然ないんですけど、こんな趣味があるので模型屋には頻繁に足を運んだりします。大雑把な頻度で言うとコンビニの五倍くらいです。
で、僕はガンプラも作ったりするので量販店にも足を運ぶんですね。いわゆる「電気屋さん」です。
いつもはフラッと立ち寄って冷やかして帰るだけなんですけど、昨年こんな出来事がありました。
一人で出掛ける事が多い僕は基本いつもイヤホンで何か聴きながら買い物します。店員に話し掛けられない為です。もちろん服屋でも外しません。なんなら音楽は聴いてないけどイヤホンだけしていることもあります。

「ワタシ話し掛ける!おまえ、死ぬよ!」

というオーラを出す為ですね。

その日もそんなオーラを出しながら、ガンプラの「ジム」を手に取って眺めていました。何度作ってもジムは出来が良いんだよなぁ、買っていくかなぁと思っていると、僕を目掛けてやたら接近してくるオタクがいるではありませんか!

警報発令!第一種戦闘配置!パターンデブ!オタクです!

そう、心の声が叫びました。
トランス脂肪酸に作り上げられた見事な肥満体系、粘土みてえな匂い、地味な眼鏡、ワックスをつけてないのに輝く伸ばしっぱなしの髪、ネルシャツ、「ジーパン色」のズボン、とまぁオタクの役満みたいな風貌の人物でした。

ATフィールドを張り、無視をしました。どう見ても僕に何かを話し掛けているのが分かっていたんです。しかし、オタクはさすがに使徒なだけあります。僕のATフィールドをいとも簡単に侵食、突破したのです。オタクは僕の態度をガン無視し、肩を叩いてきやがったのです。
仕方なくイヤホンを外し、はい?と優しく訊ねると、彼は人と触れ合えた事による感動の汗を浮かべながら、嬉しそうに言いました。

「しゅるんしゅしゅ!ひゅるぽんすらっしゅ!るしゅぽん、ぺるぽんちゃさ!?ぷるんすくわっと、ぶるーすわっとしゅっしゅ!ぐふふふふふふふ」

わかんねーーーーーーーーーーーー!!!!
わからん!わしにはわからん!貴様の言ってる意味がわしにはわからん!!
急に話し出したもんだから、彼は早口になり過ぎていたのでしょう。無意識、無自覚とはおそろしや。無知とは、罪なり。
君に鏡はいらんから、せめてボイスレコーダーで今の声を、その耳で、よく聞いてみて欲しい。
そう思いながら僕は粘土臭い匂いを我慢してもう一度訊ねました。

「あの、なんですか?」
「うしゅっしゅ、ぐひっ!すいません、あのぉ、ザクスナイパーのバックパック部分にジェガン系のバックパックって換装出来ますか!?ぐふっ」
「あー……(知らねぇ)。出来るんじゃないですか。店員に聞いてみて下さい」
「ぶふっ、換装させる為の改造とか必要になるタイプの穴配置ですかね?ぐふふふふ」

店員に聞け、という言葉すら聞いてねぇのか。なるほど、実に面白くない!
それに聞き取れない早口、実に面白くない!そしてこの粘土みてぇな匂い、実に面白くない!
でも何か困ってるのかなぁと思いながら、僕はまた優しくしてしまったのです。

「俺に聞かれてもやった事ないんで、店員に聞いてみて下さい」
「あ、あ、あの、この前マジンガー塗装したんですよ、ぐふふ」

そう言いながらオタクは夢と希望でパンパンに膨らんだリュックサックからガラケー!を取り出しました。どうやら人の話を聞かないのが基本設定のようでした。
頼んでもないのに見せられた塗装マジンガーでしたが、正直元の色もあまり知らないので答えようがありませんでした。マジンガーに罪はありませんが、こういう時って嫌な相手が好きなものにそっぽ向きたくなっちゃうんですね。
僕が曖昧な顔を浮かべていると、オタクは何とこんな誘いを僕に掛けてきたのです。

「ぐふっ、国道沿いの吉野家、行きませんか?」
「牛丼屋行かないんで、無理ですね」
「あ、あの、いつもそこで仲間同士でガンプラ見せ合ってるので来て下さい。こ、これ、メンバーの写真です」

眼前に突きつけられたガラケーの画面に映っていたのは、ガンダムのプラモデルを手に吉野家のテーブル席で嬉しそうにピースを決める四人のオタク達でした。
その写真を見た時、普段は変人の奇行にさえあまり動じないはずの僕は驚いてしまいました。
おめーらプラモはいいからメシを食え!!!!!
と、昭和オヤジがいたら全員プラモをぶっ壊されてブン殴られても致し方ない状況かと思いました。吉野家の店員は一体どんな気持ちで彼らを眺めていたのでしょうか。
牛丼屋は牛丼を食べる場所であり、ガンプラを自慢し合う場所ではないのです。ウソ、知らなかった!って人がいたらマジで覚えといて下さい。

彼はどうやら「僕らの仲間にならないかい?」と手を差し伸べているようでした。その手を振り払い、僕は唾をぶっ掛けたくなりました。

「な、中々楽しいですし、来て下さい。ライン交換しましょう、ぐひっ」

僕は誘いを断る以前に、言いました。

「あの、牛丼屋で何してんすか?」
「いえ、まだ何も言われてないので問題ないかと」
「そうですか……」

僕はライン交換直後に彼をブロック削除しました。確か、助平田みたいな名前だった気がします。帰り際、オタクはまだ僕をしつこく誘ってきました。さすがに無視しました。

ここで思ったのです、この空気感、何かに似てると。体験した事があるぞ、と。
その勘はやはり当たったのです。昔から変な目に遭ってばかりいる人間には自然とセックスセンスが備わるものなのです。いや、シックスセンスです。違った、セックスセンスで合ってました。すいません。

それからしばらくして再度立ち寄った電気店の入り口に、かなりデカデカとこのような貼紙がされていました。

【禁止事項!!】
店舗内での宗教勧誘は「絶対に!」おやめ下さい!
発見次第、退店して頂くと同時に永久に出入り禁止とさせていただきます!!
店長

やはりな、と思いながら僕は内心ゾッとしました。プラモを餌に勧誘するだなんて幾らなんでも酷過ぎじゃありませんか。
友に飢えた「寂しんぼ全百五十巻」みたいな至高のオタクだったらホイホイ引っ掛かっちゃうじゃないですか。
牛丼屋でガンプラ片手にオタトークしたいって思っちゃうじゃないですか。
僕の心の師である団子屋なのに店内でプラモデル売ってる山田さんが聞いたら、さぞブチ切れると思います。
貼紙以降、使徒オタクは見掛けなくなりました。

あの時、使徒オタクに「あのぉ、○○のパーツが欲しいんですが、ぐふふ、何処に行けばありますか?一緒に行きましょう」
と言われたので「隣街の○○にありますよ」と嘘ぶっこいておきました。
「行ってきます、ぐひひ」と言ってましたが…………おいデブ!もう二度とあんな真似すんなよ!!あと粘土くせえから身体洗えよ!!あと行っても売ってねえから一生歩き回って少しは痩せろ!!!!

と、後になって思ってたりしてます。

マジで迷惑だから、名前出さないけど変な勧誘とか本当にやめた方がいいよ。素晴らしい宗教なら知りたいと思う人の方から自然とやって来るだろうし。

てな訳で、街中での妙な声掛けにはみんな気をつけようねっ!
書き終わったし、よし!ナンパでもしに行くかな!

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