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【昇格試験対策】記述試験(ケーススタディ試験)の対策について

2023年3月追記 例題の回答を追記しました。
例題を別記事にアップしていますが、文末にその解答を記載しました。


昇格試験について

社会人の方では、昇格のための試験を課すところが多いのではないでしょうか。
特に大企業ほどマネジメントの適正を客観的に評価する目的で試験が実施されているかと思います。

私の会社でも、中堅社員に対して、管理職への昇格のため、社内試験があります。具体的には小論文で、もう一つは記述試験です。
小論文はまだ対策が分かりますが、この記述試験が曲者で、対策の仕方が非常に困難でした。

記述試験(ケーススタディ試験)

この記述試験(ケーススタディ試験)というのは、私の会社では、架空のある職場で起こっている事例が問題用紙に詳細に記述されており、その事例を読み込んだ上で、その職場で発生している問題に対し、ライン職やリーダーの立場で、職場の状況を読み解き、解決すべき課題とその対応策を制限時間内で回答するものです。

具体的には、以下のような形式です。

1:事 例 - A4、2 ページにわたって架空の職場の事例が記載されています。
 例:○○会社 ××開発部では、新人のA、中堅B、部長Cがおり、大口顧客からの依頼で、期日までに開発を終えなければならないが、いろいろな問題が発生しており・・・。

2:登場人物 -営業部 
  新人A:入社して半年~~まだ業務に離れていないが積極性はある。  
  中堅B:仕事はできるがマイペースであり、情報共有が苦手で一匹狼の存在である。
  部長C:厳しく、時にはメンバーに強く当たる事がある。

3:設問
あなたがこの組織の◆◆課長の立場だとして、次の設問に答えなさい。
[1]このケースから読み取れる解決すべき事柄を整理して列挙しなさい。 [2]それをどのように解決するか、優先順位を踏まえながら対策案を具体的に示しなさい。  ※設問[2]は、対策の種類ごとに解答欄を分けて入力してください。  ※1つ1つの解答欄の文字数制限はありません。すべての解答欄を使わなくてもかまいません。

事例については、登場人物の会話を含めて具体的に職場でのストーリーが展開していく形となりますので、ケーススタディ試験と呼ばれています。

一回目:記述試験(ケーススタディ試験)を対策せずに受験した結果

私はこの記述試験/ケーススタディ試験を二回受験しました。結論から申し上げると、二回とも昇格となりました。

ただし一回目の受験は、後から上司から聞いた話では、記述試験は最低点であり、併用して受験した小論文と実際の業務の成果が良かったことから、結果的に挽回できて(すれすれで)合格だったということです。

この時は、記述試験がある事は知っていましたが、試験内容からして、対策方法が分からず、結果的に本番ぶっつけで受験しました。

結果、長文のケーススタディを読み込むのが精いっぱいで、問題の分類や対策案を精査する時間が無く、その場の思い付きでかなり適当な回答をしていたというのが実態でした。

二回目:記述試験(ケーススタディ試験)を対策して受験した結果

一回目の受験の際は、小論文などに助けられ、すれすれで合格した経験があったため、それから数年後、再度昇進試験を受けるタイミングが回ってきた際は、万全の準備をしようと思い、自分なりにかなり対策を行った上で試験に臨みました。

そうは言っても、どのような対策をして良いか分からなかったため、手当たり次第に「インバスケット試験」、「昇格試験」などの本や、過去に同様の受験をした方のブログなどを読み漁り、自分の中で何とか解答法を確立しました。

そして受験した二回目の記述試験は、対策をしっかり行った事から、長文の事例を読み込む所から、パターンを理解していたこともあり、スムーズに解答する事が出来ました。
二回目の受験は部長級の試験のため、半数以上が落ちると言われている試験ではありましえたが、無事に合格し、昇格も実現できました。

記述試験(ケーススタディ試験)の対策について

ケーススタディ試験は、理屈のあった解答方法が存在します。
知っているか、知らないか、で得点が大きく変わります。

また昇格試験は、大企業であればあるほど、相対評価である事が多く、解答方法を知っていれば確実に得点を取れるケーススタディ試験は、高得点を取れば昇格に関して非常に有利に働きます。

受験される方は中堅以上の会社の中核人材であるため、本業が多忙であることから、多くの人が試験対策をする時間が十分に取れていません。
ほぼ対策をしていない方がほとんどというのが実態です。
私も社内で管理職の試験対策に関わっていますが、私の体感では、しっかり対策をしている方は2割ほどとなります。

しっかりと対策を立てて高得点を取れれば、昇格のチャンスは増えます。
年収に大きく影響します。
実際に私が部長級に昇格した際は年収は100万円程度上がりました。

記述試験(ケーススタディ試験)の攻略について①<問題把握編>

これから具体的な攻略方法について記述してきます。
まず、架空の組織についての具体的事例の長文を読み込み、問題を見つけ出さなければいけません。

設問は以下のようになっています。
[1]この事例から読み取れる解決すべき事柄を整理して列挙しなさい。

事例は、さまざまな問題がありますが、例えば以下のようなものです。
営業部であれば、現販売している市場の縮小しており、別の伸びている他の市場を探さなければならないが、会議でも誰も発言しない。
新人が中堅の社員に何を言っても否定されてしまうとの不満を持っていると聞かされる。
大口顧客からの営業担当へのクレームが入ってきた。

一読すると事例の組織は問題だらけな事は分かりますが、どのように記述すればよいでしょうか。

<問題把握>の攻略方法:あるべき姿の記述

この問題把握の設問について、攻略方法は、あるべき姿と現状のギャップを探して記述する、この一点です。

重要なのは「あるべき姿」が記述できているかどうかです。逆に記述していないと大きな減点となります。

そのため、問題把握に入る前に、例題の会社の目標・理想を最初に定義する事が必要です。
そして、主人公である管理職の立場を把握する事が必要となります。

営業組織であれば、当然大テーマとして、業績が低迷しているものを回復(売り上げUP)させる。という背景が設定されています。
その大テーマをベースに問題を考えます。

ここで間違っても誰かのせいにしてはいけません。
例えば、部下(Aさん)が部長に重要なクレームを報告をしていなかったから大問題になっていたとします。

その場合、「Aさんが顧客のクレームを速やかに報告をするべきだが、しなかった」と書きたくなってしまいますが、これもNGな回答例です。

誰かが失敗したとしても、それはあくまでも「組織の問題」として定義し、あるべき組織の姿を描き、どのように改善すればよいかという前向きな意識が問われています。

記述試験(ケーススタディ試験)の攻略について②<対策記述編>

さて、問題把握が出来たら、次は対策を記述する必要があります。
実際の問題では以下の形式で問われます。


[2]それをどのように解決するか、優先順位を踏まえながら対策案を具体的に示しなさい。
・具体的な対策案(1)  
・具体的な対策案(2)
・具体的な対策案(3)
・具体的な対策案(4)
・具体的な対策案(5)
・具体的な対策案(6)
・具体的な対策案(7)
・具体的な対策案(8)


この具体的な対策案は、自由記述となり、問題にもよりますが、何個でも記載する事が出来る事が多いです。

問題把握で列挙した各問題について、対策を記述していきます。

ここでのポイントは、「優先順位」と「具体的なアクション」です。
それぞれに関して、具体的な優先順位と、具体的なアクションの記述についての考え方を述べさせていただきます。

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