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文化の本質を探る旅

今から4年前、12年半勤めたヤフーを卒業し、Supershipグループにジョインしました。転職を決めた一番の理由は、グループ代表の森岡さんからの熱心に誘ってもらったためです。森岡さんはヤフー時代の同僚で、一時期同じ部門に所属して仕事を共に進めていました。彼との思い出はたくさんあるので、またnoteで紹介したいと思います。

人生初のひとり旅

2015年5月28日、転職の狭間にできた17日間の休暇を丸々投じて、僕は人生初のひとり旅に出ました。旅のテーマは多様性を活かす文化の本質を知ること。この旅が、今後のSupershipでの仕事(HR領域におけるPMI推進)にとって、大きなヒントになると直感しました。

旅先には欧州を選びました。欧州は皮膚の色も、目の色も、話す言語も違う多くの民族が集い、共同体を形成するエリアです。2000年の歴史の中で最も多く戦争を起こした場所であり、一方で美しい建造物やアート、カルチャーを最も多く現代に残す場所でもあります。まずウィーンに入り、プラハ、ベルリン、ロンドン、パリを巡り、最後はバルセロナを訪ねました。

蛇足ですが、旅に4つのルールを立てました。
 ① マクドナルド禁止(現地の食を楽しむ)
 ② タクシー禁止(公共交通を利用する)
 ③ 毎日の日記
 ④ 毎朝のジョギング
いくつかのルールを立てたことで、旅の期間中よいリズムを保てたと思います。なかなか良かったです。

文化の本質

旅の終盤、テーマであった文化について一つのことを感じました。訪れた街はどれも放射線状に道が広がり、中心には大聖堂と呼ばれる教会があります。休日にはミサが行われ、街の人が教会を訪れます。教会の中に入ると最奥に大きな3枚の絵(イエス誕生の時、十字架に架けられた時、復活の時)が並びます。その一枚、母が幼き我が子を胸に抱く姿を見て、僕はクリスチャンではないので詳しいことは何も分かっていませんが、それでもこの母の持つ慈愛こそがキリスト教の根底にあるものなのではないかと感じました。

※ ヘッダーの写真はベルリン大聖堂に掲げられた絵画です。どの教会で見る絵画も荘厳で神々しい美しさを持っていました。


そして、このキリスト教が持つ慈愛の精神、他を認め受け入れていく力こそが欧州文化の本質なのではないかと感じました。どれほどの困難や衝突があろうとも、他者にある良きものを受け入れて共生してきたからこそ、この美しい街並みと文化が今に残ったのではないかと思いました。

多様な才能を活かすのは組織の受容力

多様な才能を活かすか殺すかは、その組織が持つ受容力にかかっている。そうなのであれば、この後立ち上げるSupershipでは組織の受容力に着眼し、これを高めることを念頭において創っていこうと決めました。画一的な様式を定め、グループインしてくれたスタートアップをその色に塗りつぶすのではなく、それぞれの組織が有している優れた文化を尊重し、その良きものをグループの文化に取り入れていこうと考えました。また、人と組織をあずかる人事部は、根底に慈愛の精神を持とうと決意しました。これらがその後の組織創りの大きな方針となりました。

Supershipグループの立ち上げから約4年が経ち、この間にベンチャー10社を買収し、うち5社の統合を行い、社員数は500名を超える規模になりました。「うちの会社の良いところ、素晴らしいところはどこ?」と聞くと、多くの社員が「いい人が多いところ」と答えてくれます。互いが持つ良きものを尊重し、共存共創していく。Supershipグループに少しずつそんな文化が根付いてきていると最近感じ、とてもうれしく思います。

尊敬する経営者の一人、ライフネット生命の創業者である出口治明さんは人生を豊かにする3つの要素は「人との出会い」と「本」と「旅」であるとおっしゃいます。この欧州の旅で得たものは本当に大きかったと今思います。DATUM STUDIOでの仕事にひと段落がついたら、またどこか遠くの国を旅したいと思います。


Carpe diem. Seize the day, boys. Make your lives extraordinary.

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