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港の市場・アンヘルモは今日も賑やか&鮮やか

 南米・チリのPuerto Montt(プエルト・モン)という、港町に滞在している。5月25日(土)、宿から歩いて1時間ほどの場所にあるアンヘルモ市場を訪れた。もっとも、バスを使えば15分程度で行けてしまうが、靄がかかる朝の街を歩きたかった。賑やかな場所には、彩がある。あるいは、彩が賑やかさを演出する。土曜日のアンヘルモ市場は、鮮やかだった。

 どうでもいいが、アンヘルモを発音する時には、アクセントがモに置かれる。つまり、アンヘルモ。朝8時を過ぎたころ、宿を出発し、アンヘルに向けて歩き始めた。15分ほど坂道を下ると、海だ。プエルト・モンに限らず、チリ南部は曇り空であることが多い。実際、21日に首都・サンティアゴに着いた時には晴れ晴れとしていた空が、翌日プエルト・モンに到着してからは、青空をほとんど見ない。毎日曇りで、毎日どこかしらのタイミングで雨が降る。曇り空のせいで、朝の水平線はいつも曖昧になっている。

 市場に到着すると、すでに多くの地元民が集まっていた。アンヘル漁船が寄港する魚市場であるが、野菜や肉も売られている。プエルト・モンはチリ・南部では大きな街だ。田舎の特産品を、アンヘルモで売っている者も多い。

 市場にやってきたのは、地元でチリのサーモンがどのように流通しているかを知るためだった。市場内を見ると、魚屋の3分の1くらいがサーモンを販売していた。30年ほど前から店を構えているという女性によると、サーモンは地元でも人気が高く、よく売れるという(その女性はサーモンは脂っこいから嫌いだといっていたが)。店にもよるが、さほど高くはない。50cm程度の切り身が約1000円で売られていた。サーモンの細切れをレモンで〆た、セビチェ(南米風マリネとでも呼ぼうか)もその場で食べることができる。

 おそらく、この街にきて最も多くの色を目にした日だった。いつもグレーを背景色にしている毎日だからこそ、鮮明に映ったのかもしれない。彩が恋しくなったら、またアンヘルモに足を伸ばそう。

 

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