見出し画像

No CodeとDX

GWは自宅でNo Code勉強します。

まだまだ勉強中なのですが、"ソフトウェア開発の民主化"という政治学科出身の人間の心が踊るNoCodeというムーブメントについて、DXや新規事業の観点から見ていきたいと思います。(ちなみに私はコーディングスクール系3種類通って結局身についていないダメな人間です。)

1. そもそもNoCodeとは

Coralさんのこちらの記事が参考になります。NoCodeは、コーディング要らずで簡単な業務アプリやマーケットプレイスなどが作れるツール群の総称であり、一つのムーブメントと言えそうです。("ソフトウェア開発の民主化")

例えば誰もがECを簡単に作れるShopifyもそうですし、Salesforceのような、営業活動の報告・分析ができるCRMもある意味その一つともされています。(下記参照)

ソフトウェアを用いた効率化・価値提供をエンパワーメントするものと位置付ければ、ある意味SaaS系は大体NoCodeと言えてしまうのかも・・。

業務効率化・生産性向上の文脈もあり、GAFAが参入している領域でもあります。

SalesforceのLightning Platform(LowCode)もよくFacebook広告で見かけるようになりましたね・・・。

(SalesforceはAppExchangeという、Salesforceの開発環境をOEMとして提供し、LowCodeによるB2B SaaSプロダクト開発を支援する枠組みも持っているようです。)

https://appexchangejp.salesforce.com/collection/OEM-App

めちゃくちゃプレイヤーもアプリケーションも多い。

画像3

2. No Code x B2B

業務のデジタル化の文脈でのNo Code/Low Codeの歴史は古く、例えば

1983年創業の老舗であるPega Systems社のように、この領域に取り組んでいる上場企業もいます。

時価総額が60億USD, 年商9.1億USD(2019), PSRが6.58倍の企業ですね。(思ったよりPSR低め?)

Kissflow(カスタマイズワークフローのNoCode)によると、デジタルタスクの自動化、プロセス合理化、マニュアル業務低減などをカスタマイズ性の高いNoCodeツールにて実現することによるデジタルトランスフォーメーションの実現が一つの提供価値として示されています。

DXというよりもシンプルなデジタル化になりますが、確かに業務効率化のためのツールを一々SIerに発注したりするよりも遥かにスピーディに対応でき、かつ現場のニーズにより即したものコーディング要らずで現場で作れるというメリットはありますね。(実際問題として、日本においてこれを現場の社員が自分でやるのか?という疑問は残りますが・・。北米企業の場合はDX部門にもエンジニアリソースを抱えていたり、そもそもシステム・サービスの内製化に耐える組織を構築していますが、日本の場合は人材のトランスフォーメーションからでしょうか。外注カルチャーから抜け出せるのか、ここが課題になりそうです。)

3. No Code x DX

ここで一旦DXの定義の確認です。IDC Japanでは以下のように定義されています。

企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内
部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること

単なる業務プロセスのデジタル化ではない、攻めのDXはNo Codeではどのように実現される可能性があるでしょうか?

一つの可能性としては、新規事業開発におけるプロトタイピングがありそうです。

例えば、こちらの本では複数のプレトタイピング(プロトタイピングよりも低コストでスピーディな手法)が示されています。

潜入者型 : 実際に製品を小売店舗に(勝手に)置いて反応を見る
ラベル貼り替え型 : 既に市場で流通している製品に異なるラベルをつけて販売する
メカニカル・ターク型 : 入力と出力の間を人間が人力で繋ぐ
ニセの玄関型 : LPを用意して、実際に購入ボタンをつけてどれほどクリックされたかを追う(ただし販売はしない)
ファサード型 : ニセの玄関型と基本的には同じだが、実際に製品・サービスを既に市場にあるものを組み合わせて提供する
ピノキオ型 : 実際にそのサービス・物が存在しているかのように振る舞い、ユーザーとしての反応を見る
その他

例えばZapposはファサード型の検証を実施したとされています。

LPに近所の靴屋の商品の写真を掲載し、注文ごとに創業者が自ら靴を購入し、発送した。この仮説検証によって、実際にユーザーが買うのかを極めて低コストに検証してます。(これはWix、Studio、Shopifyなどで今は簡単にできますね!)

例えば食べログは、グルメ本の情報を手打ちでデータベース化したものから始まっています。(これはかなりNoCode的かもしれません!)

AirBnBも創業者が自分のアパートの写真を載せたLPを作成し、宿として提供し始めたことが始まりです。

現時点でNoCodeで美しいプロトタイプを作るまでは相当力量が入りますが、このようなプレトタイプ(あくまで単一の項目を検証するためのツール)であれば有効なように思えます。

他方で、B2Bの場合は、MVPのハードルが上がります。Minimum Viable Productではなく、Minimum Sellable Product(実際に売れる最小限の製品)が必要になります。この場合、No Codeでは難しいかもしれませんが、例えばSalesforceのAppExchange OEMは有効かもしれません。(例えばTeamSpiritさんのプロダクトはAppExchange OEMで作られています。)

プロトタイプにEnterprise Readyなセキュリティとスケーラビリティを持たせることが重要になってきそうです。

異なる論点として、これはNo Codeを活用したデジタル化が日本で普及するか?という問いと共通していますが、仮にB2Cでの社内新規事業を展開するとして、社内新規事業の主体が自分自身で、リーンに、プロトタイプをNoCodeで作成するか?という点が現時点では不確かですね。(どちらかというとPoCレベルでも外注が多い。今後はwithコロナの新規事業予算削減でNoCodeに流れる可能性はあるかもしれない?)

社内新規事業でNoCodeを活用されている方がいたら是非教えてください!(Enterpriseの場合そもそも使えるツールが情シスにコントロールされている中で、どのNoCodeツールであれば使用可能なのか等ヒアリングできると面白そうです。)

まだまだ立ち上がったばかりの領域ですので、今後が楽しみです!!まずはGWに勉強しないと・・・。

有難うございました🙏











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?