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新エディターのベータ版を使ってみました。

先日、「note」新エディターのベータ版が公開されたというので、使ってみました。

注目している機能

マガジン言葉の覚え書きで文書のスタイルに関する情報を発信している筆者としては、特に以下の新機能に注目しています。

「Enter」/「Return」キーの挙動

従来のエディターでは、「Enter」(または「Return」)キーを押すと1行分の空白ができて段落が切り替わり、「Shift」と「Enter」を同時に押すと段落の中で強制的に改行されるという仕様でした。

新エディターでは、「Enter」を1度押すと、段落内での改行となり、

「Enter」を2度続けて押すと、段落が切り替わるという仕様に変わりました。

通常PCで文書を作成する際、「Enter」キーを1回打って改行するケースがほとんどでしょうから、このエディターの使い方をよく知らない人は、段落が切り替わっていないのに気づかないまま、続けて文章を書いていってしまうかもしれません。その結果、一つの記事に一つの段落しかないということにもなりかねず、マークアップ(文書の構造化)の観点から望ましくありません。

したがって、この仕様のまま採用するのであれば、片隅に「Enter」キーの使い方を示すなどの配慮が必要でしょう。

小見出し

現状のエディターでは、記事内の見出しは一つの階層しか設定できず、見出しの中にさらに見出しを付けるといったことができません。そのため、窮余の策として、段落の前に記述したものを太字に設定するしかありませんでした。

ウェブページは全てHTMLという文書形式に従って記述されています。HTMLでは、見出しの部分には<h1>、<h2>、……のように、専用のタグを付けるのが本来の使用法です。「note」の場合は見出しの設定をすることによってこれを実現しているのですが、本来見出しであるべき部分に太字の設定をすると、<b>という別のタグが付けられ、検索エンジンなどに見出しと認識してもらえなくなってしまいます。用法としても誤っていますし、セマンティック(構造に適切な意味づけをすること)な考え方にも反しています。

現在はまだこの機能は使用できませんが、今回の改善によって上記の問題点が解消されるため、本格的なリリースに期待したいところです。

イタリック

こちらも現時点ではまだ使えませんが、イタリックの設定も可能になるようです(太字「B」の隣に、イタリック「I」のボタンがあります)。

イタリックが必要となるのは、主に欧文の文献を記述するときです。欧文の書名はイタリックで表記するのが慣例なのですが、従来のエディターではそれができませんでした。

代替策として、私はこれまで引用符「‘ ’」などを使っていましたが、これだと引用符の他の用法と重複してしまうので、長らく改善を待ち望んでいた機能です。今回の新エディターでより正確な出典表記が可能となります。

その他の新機能

見出しを設定すると、画面左側に「Word」のようなナビゲーションが表示されるようになりました。

いちいち画面をスクロールする必要がなくなるので、特に長い記事を書くときには重宝しそうです。

ただ、ナビゲーション自体はスクロールできないので、見出しが多すぎると途中までしか表示されません。通常の記事ではそこまで見出しを付けることはないのかもしれませんが、目次記事などではあり得ることです。ここは是非とも改善をお願いしたいところです。

ベータ版の問題点

ベータ版を使用していて、気づいたことをいくつか挙げます。

ヘッダー画像の登録に時々失敗する

アップロード、及び「みんなのフォトギャラリー」の使用を問わず、ヘッダー画像の登録になぜか失敗するときがあります。

既存の記事を修正すると、従前の設定が解除される

既に公開している記事を修正して再度投稿しようとすると、追加先のマガジンや目次の設定などが全て解除されてしまうので、改めて設定し直す必要があります。

まだまだ改善の余地はありますが、新エディターのリリースによって、表現の幅がより広がることを期待しています。

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