改行と段落の話

仕事で受け取るメールの中には、文の途中で改行が入っているものがよくあります。

試しに、スマートフォンでご覧の方は、画面を縦にしてみてください。PCでご覧の方は、ウィンドウの右端を左にスライドさせて、横幅を狭めてみてください。

お世話になっております。○○課の○○です。

お問い合わせの件について、資料を添付いたしました
のでご確認いただきますようお願いいたします。

タブレットを除く大抵のデバイスでは、何文字か孤立している行があるのではないでしょうか。例えば、このように。

お問い合わせの件について、資料を添
付いたしました
のでご確認いただきますようお願いい
たします。

こうやって、きりがいいからといって、文の途中で改行を入れるのは、2つの理由でよくありません。

まず、画面の幅は書き手と読み手とで異なるということ。上の例は、画面の右端が想定よりも狭かったため、改行より前の「添付いたしました」あたりの部分が置き去りにされる現象です。更に甚だしきは、行頭に「>」が挿入された元の文章を引用するときにもご丁寧に改行を入れて返信する人がいるのですが、こうなるともうめちゃくちゃです。

いま一つは、そもそも段落とは一つの意味の塊だということ。形式上でも意味上でも、段落ごとに目を追っていくと文章全体が理解できるのでなければなりません。上記のメールの例でいうと、「挨拶文」「資料の添付」の2つで構成されているわけですから、塊は2つであるべきです。段落途中の改行はそれを崩してしまいます。見た目にも良くないだけでなく、読み手に伝わりにくい文章になってしまうのです。

今はスマートフォンの普及により、縦長の画面でメールを見ることも珍しくなくなりました。横長の文章は各自の画面の幅によって自動的に調整されますから、書き手は気にせずにどんどん続けて書いていく方がいいのです。改行を入れるのは段落を変えるときだけにしましょう。勿論、詩など文ごとに改行する場合は例外です。

段落の作り方ですが、印刷媒体では最初の一文字を下げるのはご存じですよね。メールでは字下げをしない代わりに、段落間を一行開けます。HTMLでも字下げをせず、一つの段落を<p></p>で挟みます。こうすることで、段落と段落との間におよそ一行分の行間ができます。段落の切り替えでは<br>を使いませんから、注意してください。「note」では「Enter」キーや「Return」キーを押すと自動で一行開けてくれるので、便利ですね。

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