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私の備忘録

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独学我流で写真を学んでいる私の立場から必読の記事を掲載させていただきます。
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#写真家

連載「須田一政への旅」 第3回

晩年の須田さんの境地といったものが、「そこ」に向かっていたのではないか 「かんながら」、遥かなもの  2017年11月に刊行された写真集「かんながら」( PlaceM)は「木立」、「空」、「海辺」などの風景が次々と通過するように立ち現れ、時折、路傍や家屋の中の事物が挟まれていくだけの、「流した」ような、少し力を抜いたようなスナップ。また鳥居や寺院門前といった、およそ須田さんには興味なかったようなモノにレンズが向けられている。  そういえば、この時期私はしばらく須田さんにお

屋外写真展の準備とトークイベントの開催

ここのところ、写真展の準備に追われていました。 セレクトをした写真をキヤノンの大きなプリンターで出力。今回は35点ほど展示をするので、この作業だけで丸二日を要しました。 普段ならこうした作業は外注なので色校正をするだけですが、今回は全て自分でコントロールするのがテーマでした。そこで大活躍してくれたのが、キヤノン純正のソフトウェア「Professional Print & Layout」です。 これまでも、LightroomやPhotoshopを使って出力してきたのですが、

沢山の方に支えられて

先日発売になった石橋睦美さんの新作写真集のライブを見ていて、自分のライブ配信のことを思い出しました。本当に素敵なスタッフたちです。そして、こうして自分の写真集のために動いてくれる人々がいることが奇跡ですね。10年前には想像も出来なかったことです。 ところで、いつも僕が愛用している帽子を作ってくれている林愛さんが、とてもとても素敵な感想を書いてくれていたので、皆さんに読んでいただきたいのです。このレビューを見て、僕自身ドキっとしました。 林さん、本当にありがとうございます。

白と黒の世界

心に刻む言葉

プリントすることで見えてくるもの

少し前、キヤノンのプリンターPRO-G1のPR動画に出演させてもらいました。 その後、横浜のゼミ生向けにプリンター講座を複数回開催しました。生徒さんの中に深く関わっている人がいたというのも理由の一つですが、プリントすることで見えてくるものを体感して欲しかったのです。 というのも、プリンターを持っていない人が案外多いことに気づきました。カメラは持っているしよく買い替えるのに、出力はしない。そんなわけでゼミに提出してもらう写真プリントも「がんばれ」というものが多かったのです。

既視感からいかに離れられるか

質を生むために量を撮る

「写真」について考えてみる 001

「写真」の鑑賞力  1 「わかる写真」と「わからない写真」  「わかる」という言葉は、漢字では「分かる」、「解る」、「判る」と書きます。私たちが写真を見る「鑑賞」の上で「わかる写真」とは、どの「わかる」なのでしょうか。結論からいえば、やはり「解る」なのでしょう。「理解」や「解釈」につながるからです。あるいは「判る」ですと、何かと何かを区別、判別していく場合に使われそうですから、これも「鑑賞」につながりそうです。  それでは「わからない写真」ときますとどうでしょう。「理解不