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子供のころ行った図書館、行かなくなるのはなぜ?

 タイトルの問題って、よくあることとして割と図書館員の間でも話題に上りますが…明確な答えを持ってないことが多いんですよね。つーか、ちゃんと検証してないし彼ら彼女らの価値観の変化に合わせてないからだけじゃね?と思ったりしてましたが。

 今は離れたので、この辺りはネタバレ的に容赦なく!自分の考えを述べていきます。当時はダメ出しとか厳しいのって、相手が凹むだけだからやらなかっただけだし。(笑)

 まず、冒頭でも書きましたがコレの理由って

子供から思春期の変化を正しく理解してない

からでしょうね。要するに小学生位の思春期前までの純朴なというか、幼い感覚の延長線上で待ってたりするから。でも、自分の思春期振り返っても

思春期になると好みや考え方が急変する

のは分かります。性への目覚めとか、激変して戸惑いましたし。

 従って、こういう時期の子が図書館をよりどころにできる位の利用環境の整備が必要なんですけど、コレって個人差もあるし答えがハッキリ出ない。男女でも差がある。だからコスト的に考えたら

複雑すぎて対応できないから、落ち着いたらまた来てね

になってしまう。これじゃダメなんですけどね!(苦笑)

 それに、全く思春期の子たちが来ないかと言えば少ないサンプルはあるはずなので…こういうトコから分析と検証をした上で、ニーズを的確にとらえないといけない。この点は非常に困難です、今の図書館環境だと資源がドンドン削られてるし。

 それでも、今後の図書館環境を存続・拡大を目指すなら避けて通れません。この点の困難を克服できれば、むしろかなりレベルが上がるしね。

 だから、TSUTAYA図書館などの商業ベースの受託とかって私は好意的に評価してます。とはいえ司書である私としては

あ、それはアカンで?

というお粗末なミスもしでかしてるの見て思ったりもしてましたが。

 でも、こうした動きって選択肢が増えるという意味で貴重。政治的動機はともかくとして、キッカケとしては良かった。本題からそれるのでそれ位にしますが、こういうトコが思春期以降の若年層に目を向けないはずはない。ココを抑えておけばその後リピーターになってくれる確率が高い、と思えますしね。

 なぜかというと成人=大人以降になるとこうした過去の未成年期での良い体験をどこかで反芻することはあるし、何より彼ら彼女らが子供など家庭を持った際に、こうした若年のころの記憶を頼りに子供の教育環境をトレースする可能性があるから。

 結局、大抵の人たちは自分の実体験から教育環境や方法論を作り上げることが多いと思う。だから、この時期に図書館での良い体験が残留していればいるほど、また子供たちを連れてくることになる。こういう

長期投資

の感覚で図書館を運営していかないといけない。

 でも実際には長期投資なんて笑えるほど、その日暮らしで過去の方針を墨守しているだけになってる。だから既存の利用者に顔向けしながらちょっとずつ…といった改善にとどまる。その間に利用者がごっそり減ったとしても、下手すれば

それこそイチからやれるじゃん

とまで腹をくくってるかもしれない。それで一度ひどい目に合うのは図書館員だと思うんだけどね…。

 従って私は、そういう”谷間”を作らないためにも、今から高いレベルでの利用者開拓をしておかないと、と思っている訳です。最近起こった台風による洪水災害と一緒で、

なるべく高いところにいれば水にさらわれない

のだから。

 まとめに入ると、

① 思春期のニーズの変化に応じたサービス確立

② それに合わせた図書購入だけでなく、行政や学校との連携も必要

③ ここで定着させることができれば、成人以降も固定客として見込める

と私は解釈してます。ハードルが多いので、実現は困難でしょうけどね…。

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