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歯医者が見つからない!

虫歯は厄介だ。歯を抜くか削らないかぎり解放されないなんて、こんな理不尽なことがあるだろうか。

そのため子どもには出来る限り虫歯とは無縁の人生を送ってほしい。

必要なことは何か?

定期検診である。

しかしコンビニより多いと言われている歯科医院。最寄駅周辺だけでも数多ある歯科医院の中でどこに行けばいいのか…。私の歯医者をめぐる旅に少々お付き合いください。

意識高い系歯医者

初めは何も考えず家に近い歯科医院を選んだ。診察もていねいで雰囲気も優しかった。施設もキレイ。そして何より家から近い。子供が3歳まではそこに通っていた。

しかし4歳になったとき異変が起きた。

美人だが全てに厳しそうな歯科衛生士さんがさっそうと現れ「お母さんは外の待合室でお待ちください」(診察室は個室)

面食らう母。急に…どうした…?

「4歳になったら教育の一貫で1人で診察を受けてもらうことになっているんです」

聞いてないな。歯医者さんって教育まで請け負ってくれるの?

「前回お話ししたとカルテに書いてあります。そして前回も1人で診察できたと」

1人で受けてないな。もしかしてカルテに嘘書いた?

前回の歯科衛生士さんは、何だか気弱そうな方だった気がする。決まりなので出ていってくださいという問答無用感が、方針に逆らうとスタッフまで責められそうな雰囲気を醸している。適当にごまかしてカルテを書いたのかもしれない。

次回は受診する前に1人で受けるということを説明して説得してから来るから今回は同席させてくれと頼むと「甘やかしやがって…」という冷たい視線を向ける衛生士さん。今回だけですよ、と許されたが、申し訳ないけれど甘やかしだろうが何だろうが見ず知らずの人と2人きりにはさせられない。

そういうことは信頼関係を築いたうえで行うものではないだろうか。

あと正直さっさと終わらせて帰りたいのに子どもとそんなところで押し問答したくない。一緒にいてすぐ終わるのなら、それでいいじゃないか…。

何人かのお母さんに尋ねたが、歯医者さんでそんなことを言われたことは一度もないと言われた。

カルテをごまかしたようにしか思えないし、信頼できなくなったので、そこに通うのを止めた。

しかし定期検診は定期的に受けるから定期検診なのだ。早急に次の歯科医院を探さねばならない。

フワッとした歯医者

駅前に新しく歯科医院がオープンしたという。オープンしたてなら変なルールもないだろう。しかし何となくで通った歯科医院で妙な経験をしたため少し身構えてしまう。子どもを通わせる前に偵察をせねば。

まず自分の検診をすることにした。オープンしたてなだけあり施設はキレイ。診察椅子の目の前にモニターがあってテレビが見える。子どもも気が紛れていいかもしれない。厳しそうでもない。定期も迫っているし、ここにしてみよう。

確かに厳しくはなかった。なかったのだが、口をチラッと見て虫歯がないことを確認してフッ素を塗って終わり。

フワッとしすぎたかな…?

これでいいと言えばいいのだけれど、これで良いのかなと問われれば良くない気もする。そんな歯医者。

クセの強い歯医者

地元の老舗歯科医院。老舗なのだから安定感もあるだろうと偵察に赴いた。

出迎えてくれた受付のお兄さん。お兄さんの服には「DIESEL」のロゴ。

私服の受付って初めて見た…

お兄さんは新人らしく、たどたどしく案内をしてくれる。新人だから私服なのかな、受付だからそんなに気にしないのかな。

待合室に突如現れた白衣のおじいちゃん。一見で歯科医の先生とは分かるのだが待合室に現れる歯科医の先生も初めて見た。

何だかいろいろ説明してくれるが、マスク越しで早口のためほとんど聞き取れない。ただうなずくばかりであった。

診察室。老舗なだけあって老練さを備えた先生に出迎えられる。さっきのおじいちゃんではない。何だったんだ、あのおじいちゃん。

老練なだけあり一切の説明をされず進められる。スピーディー。痛い。

レントゲンを撮ることになりレントゲン室。「DIESEL」の6文字。

お兄さん、レントゲンとかもやっちゃう系ですか…!

戻った私を出迎えるおじいちゃん。

先生が…入れ替わってる…!!

どうやら噛み合わせの専門医らしく、突然のおじいちゃんの手拍子のリズムに合わせハイハイハイハイ!と口の開け閉めを繰り返す。繰り返す。繰り返す。「リズムを頭に叩き込んで!」

ここ、歯医者ですよね?

アゴが疲れた。おじいちゃんは何言ってるかよく分からない。DIESEL。

クセが強いんじゃ。

噛み合わせは自分自身も気になっていたし、老舗なだけあって腕前には安定感があった。それと変な所は個人的には大好きなので私は通ってみようかなと思ったが子どもが通うとなると…歯が永久歯に生え変わる時期に差しかかっているのだが、予告なく「あ。グラグラしてる。ぬいちゃおう!」ズボーッとか平気でやりそうな予感がした。

良いんですけれども、抵抗に抵抗を重ねる我が子が容易に想像でき、ゲンナリしたので却下。

たどり着いた歯医者

夫が「ここ良い感じだったよ」と教えてくれた。程よい老舗感。保育士さんのような歯科衛生士さん。穏やかそうな歯科医の先生。

あ。ここやん。

怯える子どもに器具の説明を細かくしてくれて、歯の掃除もていねいにしてくれる。私に掃除の指導もしてくれた。

この土地に留まる限りはこの歯科医院に通おうと決めた。

一口に歯医者と言っても、個性が全然違うのだなあと実感した。セカンドオピニオンとは全く違うが、歯医者を選ぶ旅に出ても良いかもしれない。やっぱり元の歯医者さんが一番だと戻ってきたとしても信頼度が上がるだろう。

私の歯医者をめぐる旅にお付き合いいただきありがとうございました。







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