見出し画像

たぬきと出会った

東京といえども田舎なので、レアキャラでもないが

あ!猫だ!と喜び勇んで目をやるため、猫にしては毛が膨らんでいてツンツンと固そうで

おや…?とよくよく見ると顔のサイドがとんがっていて、たぬきか!となる。

家々の隙間から飛び出してきて、急いで走り去ろうとしているところにもかかわらず

私の「たぬき…?」という呟きが、きちんと聞こえていて全身をビクッと強張らせ、「たぬきですが。何か」こちらを見てきた。そしてすぐ走り去った。

もしかしたら昨今猛威を振るっているというアライグマだったのでは?としっぽの形を必死に思い出そうとしたけれど思い出せなくて、手の形が物を持ちたがっていそうなフォルムをしていた気もしたけれど去年も見たから多分たぬきだろうと結論づけた。

去年見たたぬきは道路の横断に失敗して車に轢かれたらしかった。既にシデムシが分解を始めていたのか群がっていた。硬いコンクリートの上では上手く土に還れないのではないかと思ったが、たぬきが居なくなればシデムシは土に戻っていくのだろう。

一緒にいた娘は時折このことを思い出して話していたが、昨晩たぬきと出会ったよ、と言った時には、もうこの話はしなかった。

つけヒゲに憧れているのでつけヒゲ資金に充てたいです。購入の暁には最高のつけヒゲ写真を撮る所存です。