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【自己紹介】エンジニアとしての挫折、キャリアのリビルド そこから学んだこと

非IT企業でITエンジニアとして働くごくごく普通のサラリーマンです。

数年前、仕事での挫折をきっかけにシステム設計の専門書やビジネス書を読み漁るなかで、システム設計におけるアーキテクチャの考え方は自己実現の達成に通じるということに気付きました。

このnoteでは「自己実現を支えるアーキテクチャとは?」をテーマに、自身の15年のキャリアに基づいた技術的で意識高い系の情報を発信してきたいと思います。

まずは、自己紹介にお付き合いください。

エンジニアとしてのキャリアと挫折

私は社会人になってから約10年間、ある特定分野のシステム開発に携わってきました。その中で、要件定義やシステム設計などの上流工程から、完成後のシステムの据付や保守対応まで、システム開発に関する一通りの業務を経験、それなりにリーダーとして仕事を回せるようになり、自分でいうものなんですが「オレ、イケてきたな。」とちょっと調子に乗っていました。

しかし、10年目を過ぎた頃、大きな壁にぶち当たります。全く異なる分野の新製品開発を任されたのです。当初「オレはイケてる。イケる自分ならできるはずだ!」と意気込んだものの、それまでの経験やスキルは全く通用しませんでした。
自分が10年間身につけたスキルは、特定分野の製品に特化したものであり、経験がないことや、新しい挑戦には太刀打ちできなかったのです。

何をやってもうまくいかず、上司からは毎日叱責され、任された仕事は取り上げられ、周囲からもどんどん孤立していきました。会社の席に座っていても、ただただ混乱しているだけ。「オレはポンコツか・・・」ネガティブが言葉が頭を駆け巡るだけで、全く成果がない。高橋優さんの「♪明日はきっといい日になる・・・」を、毎日のように元気なく歌いながら帰宅したのを覚えています。

考えてみれば、私の仕事に対する考え方は酷いものでした。
仕事を作業としか思えず、言われたことしかやらない。たいしてやりたくない仕事でも、こなせそうな仕事であれば勝手に空気を読んで「やりたい」と言い、ただこなすだけ。これは「特定の作業はそれなりにできるけど、それ以外の事はできない」というマニュアル人間が出来上がっていく過程そのものでした。そんなマニュアル人間に新製品開発なんて、そもそも無理だったのです。

「・・・もう、限界だ。」自分も周囲もその事を悟りました。

「挫折」です。

挫折を受け入れキャリアをリビルド

自分の限界を認めることは、自分で自分を「イケてる」と思いこんでいた私にとっては辛く、時間の掛かるものでした。ただ、この「挫折」を受け入れたことで、改めて自分を分析する時間が取れるようになりました。
自分の趣向は何か?本当に自分のイケてるところは何か?過去の仕事でうまくいった原因は何か?うまく行かなかった原因は何か?そして、これからどうしたいのか?など、ノート何ページも渡り書き殴り、吐きそうになるぐらい考えました。

そして、出した答えが「うん。リビルドだ。」

自身のキャリアを一旦リビルドすることを決心しました。10年間お世話になった部署を飛び出し、自分を変えてくれそうな部門に異動願いを出しました。それまで、特定の製品を開発する事業部門から、IoTやAIなど先端IT技術を研究して全社展開するという研究部門に異動したのです。

新しい部門では、仕様書どおり納期どおりにシステム開発を完了させるスキルはそれほど重要ではない反面、システム設計の本質を深く考察し言語化するスキルが求められました。正直、「ヤバいヤバい」と思いました。
システム設計の本質とか、それまでの10年間考えたことがなかったからです。「異動したのはいいものは、オレはここでもやっていけないのか!?」と震えました。

ただ、幸運だったのは、新しい部門の上司や同僚は私に足りないスキルを明確に気づかせてくれました。私にはエンジニアとして知っておくべき専門知識と一般教養が圧倒的に不足していたのです。学び直しが必要だと気付かせてくれたのです。

エンジニアとしての学び直し

学び直しが必要だと気付いた後、専門知識はシステム設計の専門書から、一般教養はビジネス書から、もう漁るように情報をインプットして行きました。Kindle端末を購入し、上司や同僚が「コレ、勉強になるよ。」と教えてくれた書籍はその場でポチリして、帰宅後に直ぐに読みました。Youtubeの有料会員になり、通勤や家事などのちょっとしたでスキマ時間で書籍の解説動画や著名人の価値観・考え方を一般教養として学びました。とにかく、量をインプットしていきました。

まず、専門知識であるシステム設計の学び直しの中では、「こんな初歩的なことも知らずに、よく10年間もエンジニアやってたな」と感じることもありました。ただ、一方で、10年間実践してきた内容と書籍に書かれている理論が頭の中で結びつき、まるで過去の自分に対して「答え合わせ」をしている感覚にもなりました。更に、過去の自分はそんなに間違っていなかったことにも気づきました。数ヶ月前まで「ポンコツだ」と思っていた自分に、実は専門書数冊分の知識とそれを実行するスキルが備わっていたとことに気付けたのです。

そして、最も大きな学びは「アーキテクチャ」という概念でした。「アーキテクチャ」については、IT用語辞典バイナリにて以下のような解説されています。

アーキテクチャとは、情報システムの設計方法、設計思想、およびその設計思想に基づいて構築されたシステムの構造などのことである。
(出典:「IT用語辞典バイナリ」及び「Weblio」)

それまで、なんとなく「大事そうだな・・・」と感じてはいました。学び直しを行ったことで、自身が実践してきた経験と書籍の理論が絡み合い「アーキテクチャは大事!」と腹落ちしたのです。

一方、一般教養の学び直しの中で、興味を持ったのは社会心理学の分野です。特に、マズローの欲求5段階説で解説されている「自己実現」という概念については「もっと早く勉強しておけばよかった」と衝撃を受けました。「自己実現」とは、人間の最高次元の要求であり、「マズロー心理学入門」において、自己実現達成者には以下のような15種類の特徴があると紹介されています。

1.現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を保つこと
2.受容(自己・他者・自然)
3.自発性・単純さ・自然さ
4.課題中心的
5.超越性──プライバシーの欲求
6.自律性──文化と環境からの独立、意志、能動的人間
7.認識が絶えず新鮮であること
8.神秘的経験──至高経験
9.共同社会感情(共同体感覚
10.対人関係(少数との深い結びつき)
11.民主的性格構造
12.手段と目的の区別、善悪の区別
13.哲学的で悪意のないユーモアのセンス
14.創造性
15.文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越
(出典:中野明「マズロー心理学入門」)

社会的にも精神的にも自律したイケてる大人像が浮かびます。初めてこの特徴を見たとき「(なんかよく分からないけど)イケてる!カッコいい!こんな人物になりたいなぁ!」と、ただただ思いました。

自己実現を支えるアーキテクチャ

自己実現を達成するためには、どうしらたいいのか?システム設計の専門知識と一般教養を大量インプットしたことこで、「ヒントはアーキテクチャにあるのでは?」という仮説が浮かんできました。システム設計の「アーキテクチャ」と、心理学用語の「自己実現」、一見別々に見えるこの2つ概念にある共通点があることに気づいたのです。それは「柔軟性」という性質です。

顧客のニーズが目まぐるしく変化するこの時代、ビジネスとそれを支えるシステムには「柔軟性」が求められます。一方、マズローは自己実現と創造性は同義であり、創造性と結びつく特徴として「柔軟性」を挙げています。

創造性は自己実現する人間の全員に見られる普遍的な特徴であることを見出した。創造性は健康、自己実現、完全な人間性とほとんど同義であった。
創造性と結びついている特徴は、柔軟性、自発性、勇気、過ちをいとわないこと、開放性、謙虚である。
(出典:フランク・コーブル 「マズローの心理学」)

「柔軟性」がキーなのです。

そして、システムの「柔軟性」を実現するのがアーキテクチャであるといわれています。ということは、システムにおけるアーキテクチャの考え方を、自分の行動に取り入れれば、自己実現に繋がるじゃないか?そんな思い込みに近いような仮説をもとに、仕事に対する考え方を改めました。

すると、私の生産性は飛躍的に上がりました。それまで1度も受賞したこともない社内表彰を3年間に4回も受賞するまでになりました。自己実現達成とまでは行かないまでも、目に見える形で自分に変化が起こったのです。

このnoteでは、「自己実現を支えるアーキテクチャとは?」をテーマに、自身の体験や学んだことを紹介しながら意識高い系の情報を発信してきたいと思います。サラリーマンエンジニアが活き活きと働き、次々と自己実現を達成してくための参考となるよう頑張ってみようと思います。

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