見出し画像

鹿島アントラーズ2022シーズン選手別レビュー 後編

前編はこちらから

MF

No.6 三竿健斗

リーグ戦33試合出場(31試合先発)2ゴール

今季は樋口が加わったことや、開幕からセンターバックが不安定だったこともあって、シーズンの多くをセンターバックとして過ごすことになった。本職ではないにしてはまずまずのパフォーマンスを見せていたし、対人の強さと安定感はチームのセンターバックとしてNo.1(それはそれでどうなんだという話なんだが)だったのだが、じゃあこのままセンターバックとして使い続ければいいのかと聞かれると、決してそうではなかったと思う。守備時では周りの数人は動かせるようなコーチングをしていたけど、チーム全体をオーガナイズするような感じはなかったし、何より問題は組み立ての部分。基本的に左足の精度がからきしだし、あんまり運ばずに近くの味方に渡そうとするので、その状態で左サイドから安西とボールを運ぼうとすると地獄絵図に近かった。終盤はアンカーに入り、両脇からセンターバックがボールを運んでいたが、この形がベストなように思える。シンプルなことを当たり前にやらせたらめちゃくちゃ強いので、来季もその方向性で使っていきたい。

No.7 ファン・アラーノ

鹿島:リーグ戦12試合出場(5試合先発)1ゴール
G大阪:リーグ戦11試合出場(10試合先発)1ゴール2アシスト

前半戦が終わって振り返った時に、アラーノについてはこんなことを書いた。

監督が変わっても、アラーノはアラーノということをまざまざと感じさせてくれる前半戦だった。強度の高さは相変わらずで二度追い三度追いも厭わないし、攻守の切り替えの速さもヴァイラー好みのレベル。ただ、あまりにもパスミス、シュートミスが多いのと、構えた時の守備の寄せ方は結構甘いので、そこで剥がされて失点に繋がってしまうことを考えると、現状ではプラスよりマイナスの方が大きくなってしまっている。一回、レギュラーに定着したものの、直近の試合では出場時間が減っているのもそのあたりが原因のはず。良いところも悪いところもハッキリしているが、ヴァイラーとしては強度を保つためには使いたいはずなので、夏場では重宝されそうだけども。

https://note.com/takegola/n/n723352d33f7f

はい!結果としてその重宝する夏場に移籍してしまいました!という!!!
まあ、あれだけ出場機会なくて、それでJ1の他クラブからオファー来たらそりゃ行くよね、という感じではある。ガンバだと4-4-2のサイドハーフとして使われ、松田さんのゾーンディフェンスで求められる細かなポジショニング修正とかそこから前に出ていくパワーみたいな部分は、特にスタミナ面と機動力だとベストマッチだから、そこからレギュラーに定着するのもさもありなんという。最終節で見た時にカウンターのチャンスをことごとく潰していたのも含めて、アラーノっぽいなとは思ったけど。

No.8 土居聖真

リーグ戦23試合出場(11試合先発)1ゴール1アシスト

今季最も苦しい立場になった選手だろう。キャプテンに就任したはいいが、強度の高さを重要視するヴァイラーの下では序列は上がらず、その後監督交代などの時期もあって再評価の流れにはなったが、土居は周りの個性あるアタッカーを活かすべくバランスを取るタイプ。ところが、この頃そのアタッカーたちはコンディションを落としている最中。調子の悪いアタッカーたちを活かすために土居がバランスを取る、という意味のわからない構図になってしまったので、当然結果が出ないのも仕方ないという状況になってしまい、最終盤はケガで離脱してしまった。本人の調子も中々上がらなかったというエクスキューズもあるし、岩政監督が率いるであろう来季の巻き返しは予想できそうだが、今の4-3-3を採用すると土居のポジションはない、という悩みに今度はぶち当たることになる。30歳を過ぎ、キャリアのターニングポイントに来ている気がする。

No.10 荒木遼太郎

リーグ戦13試合出場(6試合先発)1ゴール1アシスト

こんなはずではなかった、という印象しかない10年に1人の天才。出だしはよかったが、ヴァイラーが合流すると強度の弱さを指摘されたことや優磨・綺世の2トップが絶好調だったのもあり、序列が急降下。そのままケガで離脱してしまい、シーズンの半分近くを棒に振ってしまった。その後復帰したが、明らかにコンディションが戻っておらず。また、昨季のような荒木システムではなく、またトップ下に起用されてもワントップにいるのは荒木と同じように自由に振る舞う優磨なので、荒木のためにスペースを空けてくれるわけでも、荒木の受け手として常に準備してくれているわけでもないので、実にやりづらい環境になってしまっていた。この感じだと、現実味を帯びていた海外行きも振り出しに戻ってしまったわけだが、今の感じだと来季も荒木にとってはあまり好ましい状況とは言えなさそう。ただ、荒木もサイドからの仕掛けなど手札を増やそうとする姿勢は窺えたので、コンディションが戻った来季に大化けして昨季以上の無双っぷりを見せる可能性もあるので、そこに期待していたい。

No.11 和泉竜司

リーグ戦30試合出場(23試合先発)1ゴール4アシスト

和泉竜司は天才、明治大の時のプレーを見てそう思った自分の感覚は間違ってなかった、そう思わせてくれる部分のあるシーズンだった。開幕当初の序列は低かったが、風向きが変わったのはヴァイラーの合流とピトゥカの出場停止。これでボランチに使われることになると、その強度の高さと技術の高さを最大限に発揮。その後も前線、2列目、サイドバックまであらゆるオーダーに応えて、どのポジションでも器用にこなしてくれるようになった。競り合いで頑張れる、ミスが少ない、走れるっていう選手はどんなサッカーにおいても欠かせないんだなと改めて思わせてくれた。ただ、絶対にチームに1人はいてほしい選手なのだが、最終盤の形だとどこで使うんだ問題が出てくる。前線だと相手陣内をズタズタにできるほどの突破力はないし、あまり中盤では使う気なさそうだし(インサイドは樋口とピトゥカで固めたいんだろう)、サイドバックは本人がやりたくなさそうだし。出ていかれるのが一番困るので、なんとか落とし所を見つけたいところ。

これの1週間後にセンターバックもやらされていた

No.14 樋口雄太

リーグ戦32試合出場(29試合先発)2ゴール8アシスト

上手くて走れる、鹿島のダイナモ。夏場にチームが落ち込んだ時は上手く活かしきれずに、ただのよく走るキックの上手い選手になってしまっていたが、それ以外では加入1年目ながらチームに欠かせない存在となった。基本的に動き続けながらパスコースを作り出して、受けて捌くができるし、そこから崩しにも関与ができる。守備では危なかっしい部分もあるが、強度高く走ってくれるし、何よりいいのはプレースキッカーとして優秀なこと。長年セットプレーのキッカーに苦しんできたチームの問題を一気に解決してくれた。今季終盤を見てるとおそらくチームとしては樋口に頼らない組み立ての形を作って、どうしようもなくなった時に樋口の助けを借りたいんだろうなという気がしたし、そのやり方自体は問題ないと思う。現状は樋口をもっと頼ってもいい気はするが、その必要がなくなってきたらもうちょっと樋口のゴール数が増えてくることに期待したい。ミドルはチームで一番上手い。

No.17 アルトゥール・カイキ

リーグ戦29試合出場(23試合先発)9ゴール3アシスト

個人的に選ぶ今季のチームMVP。セルジーニョの使い勝手の良さは最高だったが、この男も中々に使い勝手がいい。サイドに置いておけば、ちゃんと走るし、何より身体が強いので地上戦でも空中戦でもボールが収まるのが大きい。それでいて味方とのバランスも取れるし、足元も結構上手い。夏場からシーズン終盤はパフォーマンスが落ちたが、それでもコンスタンスにゴールを奪って9ゴールは立派なもの。4-3-3のウイングに置くと突破力に不満があるが、それでもあの大外からの空中戦の強さでカバーできるだろうから、来季もなんとか残ってほしいところ。あと、あまりにも強さに期待して中央に置くのはやめてあげてほしい。カイキの鈍器は相手のサイドバックをタコ殴りにするためにあるのです。

カイキの正しい使い方

No.21 ディエゴ・ピトゥカ

リーグ戦28試合出場(24試合先発)1ゴール2アシスト

良くも悪くも昨季から大きく変わらず、ペットボトル事件以来大人しくしつつ、ヴァイラーの下では守備面のカバーを期待してアンカーに置いていたが、岩政さんは1列前で起用して自由を謳歌させるように。ピトゥカも後ろで面倒見ながらパス繋ぐよりも、どんどん前に出ていってゴールに絡める方が好きなんだろう、伸び伸びやっている感があった。守備の方は大分チームとしてコントロールできるようになってきたが、攻撃の方はいまだに最適解を見つけ出せていないのが現状。ピトゥカが独力で解決しようとし過ぎて、精度のあまり高くないプレーに全振りしなければならないし、上手くいかなくなるとさらにその質が落ちるという負のスパイラルに最近の鹿島はよく陥りがちである。もっとも、ピトゥカの強引なプレーが突破口になっていたりもするのだが。扱いの難しいプレーヤーであるが、チームとしてはいたらプラスになる存在。ただ、本人は生活に満足しているしプロ意識は高いのだが、すっごいブラジルに帰りたそうだけど。

ペットボトルの蹴飛ばしも加えてほしい

No.24 小川優介

リーグ戦出場なし

今季は天皇杯で公式戦デビュー、ただ試合出場はその1試合のみに留まった。上手さはあるが、強度もまだ足りないし、テンポが上がるとその上手さもミスが目立つようになるようでは、まあ試合で使うのは難しいだろうな、と言うのが練習なんかを観ていて思うところである。こういう上手い選手が鹿島で伸びる時は自分で確変を起こさないといけないので、それが難しい選手は外に出ないといけないというのもそろそろ考えものだと思うのだが、小川もそうなってしまいそうな予感はする。あと、昌平高が好きなのはたぶんスカウトの性癖。

No.27 松村優太

リーグ戦12試合出場(5試合先発)1ゴール2アシスト

荒木と同じくケガに苦しんだシーズンとなり、シーズンの半分近くはそもそも試合に出られなかった。ただ、試合に出た時の存在感は確実に大きくなっており、来季大ブレイクの予感はすごくしている。スピードに加えてパワーがついてきたことで、ドリブルにも突破力が出てきたし、フィニッシュにもかなり絡めるようになってきたのが大きい。さらに、4-3-3でサイドでの仕掛け役を任されるのは、松村の持ち味を活かすには格好の舞台。この状況を活かして、来季はゴールとアシストの数字を激増させることにこだわってほしい。三笘になれるし、それすらも超えられるよ。

No.30 名古新太郎

リーグ戦5試合出場(1試合先発)

ケガ持ちの状態で戻ってきた今季は監督交代後にようやく合流。終盤戦では出番が巡ってくるようになった。名古の良さは自らもドリブルで運びながら、細かいパスで攻撃のテンポを変えられるところ。その良さを活かして、追いかける終盤ではいい攻撃のカードになっていた。ただ、先発でアンカーで使うと微妙。チームとしては名古にボールを運んでほしいのだが、相手は名古を消してくるのでそこを活かせず、じゃあ空いた周りを活かせばいいじゃないか!となるのだけど、そこはあんまり上手くなくて使えないので、あまりメリットを活かせずに終わってしまった。なので、今後もインサイドで勝負しつつ、ビハインドの時はアンカー起用が基本になりそう。インサイドだと樋口やピトゥカとのバトルになるので、名古もそろそろゴールやアシストの数字にこだわってプレーしたいところ。

No.33 仲間隼斗

リーグ戦19試合出場(12試合先発)2ゴール

三代目魂、の呼び名に相応しい通り、ガッツあるプレーを見せてくれた。攻守にエネルギッシュに動くし、プレーの強度が高い。それでいて結構足元も上手く器用だったりするし、ゴール前での強さもあるので、監督にしてみたらこういう選手がいてくれると助かるだろう。ただ、どんな時でも頑張りすぎるきらいがあって、それが守備でのファウルの多さに繋がってしまっているし、細かいケガが多いのもそのあたりだろう。いいパフォーマンスの時でも70分には大抵代えられているので、その辺りは計算していそうなのかもしれないが。来季もいてほしい選手だが、独力での打開力や強引なパワーがあるわけでもないので、ウイングで使うとなると難しくもなりそう。

No.34 舩橋佑

リーグ戦13試合出場(3試合先発)

2年目のシーズンは昨季より出場機会を増やし、今後を期待させるシーズンだった。2年連続外国人監督が評価しながら、日本人監督に交代するとプレータイムが減るのは色々と示唆に富む現象だけども。今季は強度が段々と増してきており、試合に出てもいい意味で異物感がなくなってきたのはプラス。困った時にサイドバックで使われていたのもその辺とキックの質の良さを評価されているのだろう。ただ、ゲームメイクに秀でているのだが自分のところから局面をなんとかしようとするプレーが少ないのはマイナスポイント。普通にテンポを落とさないだけでなく、自分のところから展開を変えてやろうとするプレーを増やしてほしい。来季はもっと出場時間を与えて、ブレイクさせてあげたい。それだけ投資する価値のある選手だと思う。

No.35 中村亮太朗

リーグ戦12試合出場(2試合先発)

今季の新加入組の中でも異質な存在だったが、最後までチームにフィットすることができず、評価が上がらなかった。パスセンスや攻撃面で光るものはあるのだが、まともな仕組みの中で使うと上手く活きるタイプのため、それを作っている最中で自己解決力が求められた鹿島でそれを活かすのはどうにも難しかった部分がある。あと、問題はなんといっても守備、というか根本的に足が遅いところにある。スピードがないので、カバーエリアが狭いし、いっても遅れて結果としてファウルになってしまう。そうなると、J1のテンポの速さではかなり厳しくなってしまうのも無理はないというか。来季も厳しい状況になりそうなので、新天地を求めそうな気もする。今のチームで使うならアンカーだし、ただアンカーを攻撃面で選ぶなら名古だし、守備面で選ぶなら三竿だし、という状況を覆さなければならないので。

FW

No.9 エヴェラウド

リーグ戦19試合出場(3試合先発)5ゴール

ケガもあって、稼働できたのは夏場以降。それでいて5ゴールという成績は普通のフォワードなら悪くないのかもしれない。ただ、2シーズン前に18ゴール奪った助っ人で、エースの抜けた穴を埋める存在として期待されていたことを考えると、やはり不本意な成績と言える。絶好調時ほどコンディションは戻らなかったが、原因はそこだけではなく、オフザボールの動きのなさが大きい。ボールが来るまで基本的に動かないので、全部のプレーを遅れた状態で突っ込むことになるし、それで点が取れるほどJリーグのDFは優しくない。動かないので、味方としてもそこに安直にボールを入れて点を取ってくれそうな期待感が薄いので、入れるのに躊躇してしまう悪循環もあった。流石に2シーズンこの成績だと、残って来季に期待するのは難しいだろう。ホームC大阪戦のオーバーヘッドはゴラッソだし、いまだにあれが決まるのがよくわからん。

No.18 上田綺世

リーグ戦18試合出場(17試合先発)10ゴール1アシスト

「ストライカーって大事なんですね」「サッカーって全員でがんばって守って、上田綺世にボール渡せば勝てるんですね」っていうのは今季我々が得た学びだと思われる。とにかく前線で起点になってくれたし、何よりどんな形でも点を取ってくれた。ベルギーでもなんだかんだ言われながら点取ってるし、いなくなった後の鹿島の惨状を見てると、上田綺世のいた後半戦の世界線を考えてしまうのも無理はないだろう。W杯でも点を取ってほしい。

No.19 エレケ

リーグ戦4試合出場(2試合先発)1ゴール1アシスト

ここ最近セルジーニョみたいな選手ばっかり来てたので忘れていたけど、シーズン途中に鹿島が連れてくる助っ人ってこんな訳わかんないヤツだったわー!ってことを思い出させてくれた。フィジカルは強そうだし、そこそこ速そうなんだが、基本的には中央にいないでサイドでボールを受けたがる。ただ、オフザボールめちゃくちゃだし、あとボール持つととにかく遅いのだ。あんなにわかりやすくてフェイントになってないシザースも中々観ないぞ、ってくらいには遅かった。ということで、救世主としてきた割には全く使われず。あと、やたら痛がるのが多かったので、たぶんスペ体質も入ってると思う。まあ安物買いだったらしいので、それには訳があるよねという感じであった。来季はたぶんいない。アディオス。

No.19 染野唯月

鹿島:リーグ戦12試合出場1ゴール
東京V:リーグ戦16試合出場(12試合先発)4ゴール

FWの層は薄く、ケガも無かったので今季はチャンスだったが、強度の面からかヴァイラーの信頼を掴めずに、プレータイムを伸ばせず。そうこうしているうちに、出場機会を求めて武者修行に出てしまった。ヴェルディではまずまずの成績を残しており、使えばそれなりに点取る力はあるんだなと思わせてくれたが、じゃあ来季戻ってきて活躍できそうかと聞かれると、ちょっと微妙なところである。基本的にエゴイストでなく優しいので、自分が点取れなくても気にしてなさそうだし、あとやはり競り合いでまだ弱さが残るので、ポストプレーとかでの貢献度が得点ほど高められそうにない、という部分がある。もっと得点の部分に自分のパワーを振っていいと思うのだけども。個人的にはもう1年余所で修行した方がいい気がする。

No.40 鈴木優磨

リーグ戦32試合出場(31試合先発)7ゴール9アシスト

上田綺世がいる間はまさしく獅子奮迅の働きっぷりだった。ピッチのあちこちに顔を出し、ポストプレーからチャンスメイク、フィニッシュまで何でもこなし、数字も順調に積み重ねていった。ただ、綺世がいなくなると状況が一変。優磨がサイドに流れても、中央に綺世がいるから攻撃の迫力を担保できていたが、その綺世がいなくなると途端に攻撃の迫力が落ち、それを埋めてくれるはずのエヴェラウドやエレケも機能せず。優磨は相変わらず頑張るが、頑張れば頑張るほどチームの攻撃は空回りするなんとも言えない状況に陥ってしまった。ただ、最後まで本人も現場もプレーを限定させる気はなかったので、来季もこの状況になりそうな可能性は多分にある。なんとか優磨をラクにしてプレーを効果的にするためにも、ストライカーを迎え入れたい。

監督

レネ・ヴァイラー

ヴァイラーについては、上記に書いたので、そのサッカーの中身についてここでは特に触れることはない。たしかに、ヴァイラーの方にも落ち度というかなんとかできる部分はあった。ただ、にしてもだ。ヴァイラーをサポートする姿勢がクラブとして欠けていたし、そもそもヴァイラーを呼んだその選考基準とかどうなの、と思わざるを得ない部分がある。いずれにせよ、ヴァイラーが採ったやり方は現状のスカッドを考えると、ベストではないにせよベターなものではあったし、それなりの結果も出していたというのは事実である。どう思っているのかは興味あるので、スイスメディアはインタビュー仕掛けてほしい。

岩政大樹

コーチ1年目の開幕は監督代行で迎え、閉幕を監督で迎える、とは流石に本人も思っていなかったのではないだろうか。監督に正式就任後は新しい鹿島を作るべく色々チャレンジを進めており、その成果も出始めているが、現状の問題はそれが勝点として現れていないことだ。監督として色々メッセージも出しているが、それが弱くなってしまっているのもこの結果が出ないことにあるし、「他が上手くいっているから自分たちも時間はかかるけどきっと上手くいくだろう」理論の説得力の弱さになってしまっている。それでも、来季の続投は決定的なのだから、この新しい鹿島作りにクラブとして賭けるしかない訳だが。せめても、陣容だけはちゃんと整えてあげてほしいな。願うとしたら、それだけである。

強化部

一言で言うならこれである。とにかく意志が弱いし、変なところにこだわり見せるし、それを貫徹しようとする力も持っていない。言いたいことは色々あるのだが、問題点を2つ挙げるなら、それは失敗を自分たちの取り巻く環境のせいにしようとしているところと、一個一個の事柄をぶつ切りで捉えているところ。育ってきた選手が海外移籍しちゃうんで厳しいんですー、っていうのはみんな知ってるし、そんなの今すぐにはどうしようもないのだから、それを踏まえて動くしかないのである。いつまで言い訳にしとんねん、と。あと、今回ミスしちゃった!ドンマイ!次はしないようにします!じゃないんだよ。ここ数年で何回監督変えて、スタイルも変えてきた?毎回初めての失敗みたいな感じで捉えていますけど、それまでの文脈見てると全然この人たちその反省を活かす気なさそうだなという風に見えてしまう訳である。別に今回の事柄だけで怒ってるわけではない、今までの己の行いの積み重ねが今の状況を招いているわけで、その部分はもうちょっと考慮してほしいな、と。まあ、いずれにせよこの状況を覆すだけの結果や意志の強さを見せてほしい、今思っているのはそれだけである。

遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください