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猫という生き物

私は猫が好きです。
ずっと昔からではなく、猫を飼い始めてから好きになったのです。
何が好きかというと、とにかく自由なところでしょうか。
猫は自分の意思に基づいて、本能のままに生きている。

お腹が減ったらご飯を食べる、眠たければ寝る。
遊びたかったら遊ぶ。
気分が乗らない時は、どんなに誘われても無視を決め込む。
でも、たまに遊びに誘ってみたりする。

好き嫌いがはっきりしている。
至ってシンプルに生きている。
人に媚びることもなく、分け隔てなく接してくれる。

これって、人間に置き換えると、すごいことだなって思うんです。
猫をみていると、自分は邪念が多いのだと気づかされます。

日本に住んでる時、猫によく話しかけてました。
「今日は疲れたなあ、今日は何してたの?のんびりしてた?」

何も言わないけど、返事をしてくれている気がするんです。
「おお、帰ったか。俺はいつものように寝てたよ。ちょっと遊んだけどね。
 まぁ、君はそんなに頑張らなくて良いじゃないか?
 疲れてる時は休んでも良いんだよ。俺みたいにさ・・・」と。

休みの日にゴロゴロしすぎてちょっと自己嫌悪になった時
「ああ、ちょっとゴロゴロしすぎたなぁ・・・(溜息)どう思う?」
「良いじゃんか、俺なんて毎日ゴロゴロしてるぜ。
 何か悪いのか? まあ、ゴロゴロするのが俺の仕事でもあるがな。
 君もゴロゴロしたい時にすれば良いのさ。俺のように(ゴロゴロ)。
 何かしたくなったら、その時すれば良いじゃないか。
 仕方ないな、何かしたいなら撫でられてやるぞ。ほら(ゴロゴロ)。」


たまに、無言で色々伝えてくる気がします。
「この家での俺の仕事は、みんなにチヤホヤされて癒しを与えること。
 案外、チヤホヤされるのも疲れるんだぜ。まあ、そう悪くないけどな。
 今なら撫でても良いぜ。ほら、癒されるだろ?(ゴロゴロ)
 癒しを与えて癒される、持ちつ持たれつも悪くないな・・・
 (ゴロゴロゴロゴロ)」

「あ、ご飯の時間だ。
 (チラッと人をみる)撫でさせてやるよ。
 (背中を見せる)ほらほら、背中。いつもの感じで頼むな。
 (モグモグ)やっぱり食が進むぜ。」

何も言わないけど、色々言ってくる気がする。励ましてくれる気がする。
何も言わないけど、幸せをくれる。
無言の優しさ。猫って、きっと優しいんだ。
なんだか、不思議な生き物。

今は、実家の猫と離れ離れ。
なので、夫の実家の猫と会うのが楽しみです。
イタリアの猫はイタリア語かなと思って
Buongiorno, come stai? と挨拶しています。
「あら、よく来たわね、元気?
 私はちょっと眠いから、また寝るわ。
 あなたは、ごゆっくり。」
と言ってくれてるのかな。
猫との会話を妄想するのも一つの楽しみ。
(夫には若干、白い目で見られていますが)

そういえば、小さい頃の1番お気に入りの絵本は
『100万回生きたねこ(作・佐野 洋子)』だった。
何度も何度も読んだ本。
何度読んでも飽きることのなかった本。
そう考えると、昔から猫のこと好きだったのかも。

タケディーナ拝

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