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建長寺で考える「まちづくり」と「幸せ」

昨日は機会があり、建長寺で開催された鎌倉市制80周年記念まちづくりシンポジウム NEW OLD KAMAKURAに参加させて頂きました。これがもう豪華なスピーカだったので、忘れないうちに感じたことを記録に残しておこうと思います。

隈研吾先生の基調講演

キーノートスピーチは隈研吾先生でした。もう説明する必要もないかと思いますが、新国立競技場などもデザインされている世界のトップ建築家です。

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隈先生の話を最前列・真ん中で聞けたのは完全に役得でした。というのは置いておいて、お話のキーメッセージは

「建築における価値が急速に変わってきている」

ということだったと思います。20世紀型の大きい、高い建築物から、低い(特に地面にへばり付くほど)・古い/伝統、というのが価値として改めて出てきている『New Old』という世界になってきているというものです。Human Communityとの密着を上手くデザインする必要があり、特に「山」が起点になっているというのは非常に印象的でした。山には電気、水といったインフラを供給する基となるものであり、それが故に「神社」や「寺」が作られていて、それらの近くに住む「ヒト」が存在している。それらを流れるように繋ぐことで「街」「コミュニティ」をデザインできるというお話だったように感じます。講演の中ではご自身の多くの事例を交えて紹介されており、得意の「木」をふんだんに使った圧巻の建築物を沢山見せて頂きました。個人的に印象的だったのは、

【一階にガラス張りの議会場などがある長岡市役所】

【地域のLiving Roomとして様々な使い方がされているスコットランド美術館】

【万里の長城の傾斜をそのまま活用したホテル】

それぞれ詳しく説明頂いた話は割愛しますが、いずれも環境、伝統、自然という空間がそもそも持っている歴史、意義、価値を最大限に活用した写真だけでもインパクトのある建築物でした。それらを踏まえた上で、「鎌倉」には上記のような場所そのものがもっている歴史、価値が十分に揃っており、「NEW OLD」には最適な場所という話をされていました。

まちづくりとヒトの幸福度

隈先生の話を受けて、鎌倉市の参与でありグロービス教授の加治さんのモデレートのもと、内閣府のスーパーシティ構想担当の村上審議官、楽天創業メンバーでチーフ・ウェルビーイング・オフィサである小林正忠さんにワタシも混ぜて頂き、「まちづくりとヒトの幸福度」というテーマでのパネルディスカッションや市民の方とのプチワークショップをさせて頂きました。はい、控えめに言ってもめちゃ豪華です。

詳細な議論の内容などはそのうち鎌倉市の方から開示されると思いますので、それぞれの方が仰っていた、もしくは議論された内容の中で、記憶に残る話を紹介させて頂きます。

あらゆる世代のあらゆるセグメントが困っていることの第二レイヤーくらいで「お金が足りない」という話が出てくる。それぞれのレイヤーで困っていることに対して、それを解決しようとするとちょっとお金が足りなくなっているのが現状。この困っていることは、実際にはどうしようもないことが多くて、どこかでしょうが無いよねと我慢してしまっている。これを我慢せずに口に出すこと、出しやすい環境を作っていくことがマチづくりの第一歩。
1.1を掛け合わせることが重要。少しだけ前向きな意見、発想を積み重ねていくこと、掛け合わせて行くことがスゴイパワーになる。1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×1.1×・・・・=∞(無限大)
0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×0.9×・・・・=0(ゼロ)
ちょっとした市民の人たちの行動、パワーが元気の源になる。

まちづくりと幸福度という非常に抽象度の高いテーマで具体的な鎌倉市のアクションまで落とし込めなかったことは、スピーカの1人として非常に申し訳なかったのですが、市民の方の意識が非常にハイレベルかつ積極的であったことには大変感銘を受けました。

一方のワタシはというと、完全に実力不足を露呈してしまいまして、大きな反省というか、もっと日々考えながら過ごさないといけないなという状態でした。

特に、「ロボットは人を幸せにできるのか?」「鎌倉市に一番必要なロボットは?」という問いにスパッと答えることが出来なかった点は大きな反省です。

ちなみに、現時点では前者に対する答えは「Yes」だと思っています。ロボットだけで人を幸せにすることは難しいのですが、ロボットがそのキッカケ作りをすることができるのは間違いないと思っています。

人手不足による忙しさに対しては、自動化技術によりある程度の解決が出来る。それにより時間を生み出すことができる。ここまでは間違いなくできます。ただし、生み出された時間を楽しみに使うことができるか、そして幸せに繋げることができるか?というのには、テクノロジー側ももうひと頑張りする必要がある。このあたりには、現在進めているAug Labの活動の中で積極的に取り組んでいきたいと思います。

Aug Labの活動も3月には色々とオープンにできるかと思います。もう少々お待ち下さい。

では、また来週。

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