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VUCA時代こそブッダの教え:「自燈明」と「法燈明」

先日、「自燈明」と「法燈明」という言葉を教えて貰いました。

お釈迦様が亡くなる前に、弟子たちの「これから私たちは何を頼って生きていけばいいのか?」という問いに対して、

『おまえたちは、おのおの、自らを灯火(ともしび)とし、自らをよりどころとせよ、他を頼りとしてはならない。この法を灯火とし、よりどころとせよ、他の教えをよりどころとしてはならない。』

頼るモノは、「自分」と「法」(真理とか正しいこと)だ!という意味で、前者を「自燈明」、後者を「法燈明」と呼ぶそうです。

従業員満足と「自燈明」と「法燈明」

なぜこの言葉が気になったかというと、最近は年度末ということもあって、組織としての成果とか、人材育成とか、来期の計画とかを考えることが多いのですが、その中で従業員へのアンケート調査、ちまたでは従業員満足度調査(ES調査)とか言われているものの結果を分析する機会がありました。

そんな中で、何のために従業員満足度を調査するのかなぁ~とか、そもそも、従業員は満足させる対象なんだろうか?という思考が沸いていました。

もちろん、社員エンゲージメントというか、社員が働きがいがあって、楽しく、充実した会社生活を送ることが、直接的にも間接的にも会社の価値や業績に繋がっていることは、理解しています。

ただし、会社が従業員にコミットすべきことは「満足度」ではないと思うんですよね。では、何なのか?そんなことを考えていたときに出会ったのが、この「法燈明」と「自燈明」というものでした。

本当に正しいことを見抜き、従う力。
そして、自ら明かりを灯し、道を拓いていく力。

Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という不安定な「VUCA」な時代だからこそ、本当に正しい真理を見抜き、不安定かつ正解が見えない状況の中でも、自分を感性や理性を信じ、自分で責任を持って決断しながら、進んでいくことが必要になってくる。

この力を身につけることこそが、会社が従業員にコミットすべき大事な要素なんだと思っています。大げさかもしれませんが、仮に従業員が満足できていなくても、「法燈明」と「自燈明」を実現する力を従業員に授けることができれば、会社としても従業員としても結果的に満足する方向に動いていくのではないでしょうか。

ただ、これは結構難しい。どうしても私利私欲に絡んだ判断をしてしまうし、いろんな色眼鏡がかかった状況でモノを見てしまう。そして、可能な限り他の人に決めてもらいたい、というか、もっと情報が欲しくなり、なかなか自分で決めきれない。

「法燈明」と「自燈明」を実践していくためには、分解していくと「技術的な専門性」、「論理的な思考力」など従前から掲げられている指標と類似したスキルが必要ということになるような気がしますが、最後に自分自身を拠り所として判断する力としての「自分を信じる力」をどのように養成していけるかが最大のポイントになってくるはずです。

どのようにすれば、『自分を信じる力』を養えるかはまだ考えられていませんが、ある程度実践的に鍛えていくしかないのかなという気もしています。自分で決める機会を増やす、そして自分で決めても良いんだという雰囲気を作る、そんなところから職場を作れればなステキになってくるでしょう。

仏教関係で最近教わった「法燈明」と「自燈明」という言葉を、娘の仏教系保育員の卒園式で昔を振り返っているときにふっと思い出し、たまたまその前日に職場で議論していた「従業員満足」と繋がりました。

最近のVUCAと呼ばれる時代だからこそ、昔からあるブッダの教えというのは真理を突いているのかもしれません。

では、また来週〜。

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安藤健(@takecando)

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