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人生を好転させる「1°」の法則

 行動するか、しないかーー。
 一瞬の判断が一生を変えることがある。

 先日、出版のこれからについてうだうだとツイートしていたら、知らない青年から突然DMがきた。「サポートするんで関わらせてください!」という。

(ん? 誰?)

 彼のプロフィールを見てみるとお笑い芸人を目指しているようだ。よくわかんないけど、ちょっと会ってみるか……。noteの記事もやたら熱量があってポジティブだし。

 そして現れたのが、うすいよしきくん(25歳)。その人だ。

 会社近くのスタバで話を聞いた。大学4年のときにクラウドファンディングの先駆けで知られる「ReadyFor」にインターンとして参加。その後、社員となるも、昨年秋にフリーランスのキュレーターとして独立したという。春からは芸人を目指してワタナベエンターテインメントの養成所に通うらしい。

 ひとしきり話して、オフィスを案内したあと、彼は帰り際「せっかくなんで記念撮影しましょう!」と言いだした。

(え、マジで?)

 会社のフロアは静かだし、変な動きをすると目立つ。しかも、誰に撮ってもらえばいいんだ……? そんなことを考えているすきに、うすい氏、たまたま通りかかった会社のおばちゃん(ベテラン)に急に声をかけた。

「写真、お願いしていいですか?」

(おぉ、マジか…)

 さいわい、ベテラン社員のおばちゃんは快く撮影をしてくれ、いい写真が撮れた。

 ぼくは、街などで有名人を見かけても、声をかけたり、一緒に写真を撮ったりすることができない人間だ。恥ずかしいし、相手に失礼かもしれない。いろいろ考えてしまって動けないことが多い。

 だから、うすいくんの動きには驚いた。ぼくが彼の立場だったら同じことはおそらくできないだろう。はじめて人と会う場面で、はじめて行く会社で、その辺にいる人に声をかける勇気はぼくにはない。

 この腰の軽さ、見切り発車っぷりはうらやましかったし、ぼくも見習わねばと思った。「チャンスの女神は前髪しかない」という使い古された言葉もある。さっと動ける人、軽々しくものごとを始められる人は、そうでないその他大勢に比べて、きっと後悔は少ないはずだ。



こちらがうすいくん。人を油断させる絶妙なビジュアルである。


秒で電話できるスピード感

 そういえば、このあいだもこんなことがあった。

 週刊文春が主催したイベントに行った。新谷編集長とカンニング竹山さんのトークショーだ。

 イベント後、「竹山さんって本音でぶつかるおもしろい方だな」と思い、ご挨拶したいなと思った。ただ「楽屋に押しかけるのも失礼だよな」と二の足を踏んでいた。

 すると、ちょうど出口付近で知り合いの記者さんを見つけた。以前飲んだことのある若手の男性記者だ。

 彼に「カンニング竹山さんにご挨拶をしたいんだけど、むずかしい、、ですよね……」と遠慮気味に言ってみた。すると、「あ、了解っす」と言い、ケータイを秒で取り出し、すぐに竹山さんのマネージャーに連絡を取り始めてくれたのだ。

 無事、竹山さんにご挨拶ができたのだが、ご挨拶できたことよりもその若手記者さんのめちゃめちゃ早い動きに感動した。

 うすいくんも文春の若手記者さんも、思ったらパッと動ける天才だ。あのとき、彼らが動かなかったら、もちろん、うすいくんと出会っていなかったし(このnoteも書いていないし)竹山さんとご挨拶もできていなかっただろう。「秒で動く」ことの価値は、思っている以上に大きいのだ。

 あるブログ記事にこんな記述を見つけた。

 物事を軽々しく始める人は得をする。

(ノーベル経済学賞を受賞した)カーネマンの指摘を考慮すると、実は、「物事を軽々しく始める人」は、ものすごく得をすることがわかる。

 新しいことをして、チャンスに恵まれる上に、「新しいことを始める」のがデフォルトなので、後悔もほとんどすることがないからだ。


人生の角度を「1°」上げる

「目の前の一歩を踏み出してみる」ことは「人生の角度を1°上げる」ことに似ている。その行動は小さな一歩だけれど、角度を1°上げることで未来は大きく変わっていく。

 たった「1°」人生を上向かせる。そのことが、数日後、数カ月後、数年後にはとんでもない差になってくるのだ。

 ぼくは考えすぎる性格だし、なにか行動を起こすためにいろんな条件を求めてしまう。「足場」がないと、なかなか動き出せない性格だ。しかし、変化の多い現代に必要なのは、軽々しく何かを始め、人生を「1°」上向きにさせることなのかもしれない。

 SNSだけに閉じていないで、ブラウザを簡単に飛び越えていく軽やかさ。すぐに電話して「つなぐ」ことのできるスピード感。

 目の前の一歩は、一生を左右する「1°」なのだ。


 ちなみにうすいくん、お笑いライブを開催するためクラウドファンディングに挑戦中らしいので応援してあげてください!


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