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昨日の読書会で紹介された本のなかで、特に心に残った一冊

昨日は、2か月ぶりのオンライン読書会。常連さんや久しぶりの方も含め7名が参加くださり、多様な本が紹介された。

そのなかで一番心に残ったのは『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』という本だ。

タイトルのとおり、目の見えない方と一緒に美術館に行き、同行した方が作品1つ一つを言葉で説明しながら鑑賞するというような内容のようだった。

紹介された内容で心に残ったのは2つ。

ひとつは、結果的に、同行した方が、作品1つひとつの特長を言葉で説明しているうちに、見ていたはずだったのに見えていなかった、気づいていなかった作品のディテールに気づいていく過程。私たちは、見ているつもりで見えていない。聞こえているつもりでも聞いていない。そういうことが往々にしてあるのだと思った。そして誰かを支援することは、結果的に自分も支援されることでもあるという話にも通じると思った。

もうひとつは、障害者に対する社会のまなざし。生まれつき目が見えない白鳥さんにとっては、その状態が当たり前で、まったく不足を感じていないのに、周りの人からは「大変だね、かわいそう」という言葉をしばしばかけられるそうだ。本人は不自由を感じることもなく幸せに生きているのに。

昨日の読書会では、この本の内容に関連して、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という、完全に光を遮断した”純度100%の暗闇”の中で、視覚障害者の案内のもとで、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを体験するイベントがあることも知った。

ここ最近、思っていることの1つは、特定の価値観に過度に固執しすぎると、自分も周りの人も苦しめることになってしまう、ということ。たとえそれをどんなに正しいと信じていても。

過度な固執から自由になるためには、そもそも自分がどんな価値観を大事に思っているのかを、認識することがはじめの一歩になる。自分にとってはあまりにも当たり前すぎて認知できていないこともあるだろうから。

その意味では、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』や「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、自分の価値観によって創り上げている世界から飛び出す、良いきっかけになるのではないか、と思った。まずは書籍を読んでみることにする。

今回の読書会も、非常に良い刺激が得られた。来月も楽しみだ。

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<今回の読書会で紹介されたその他の本>


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