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平尾のブログ

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2021年10月の記事一覧

「夢かうつつか」は「夢か現か」と書く(787)

「夢かうつつか」は「夢か現か」と書く(787)

時々聞く言葉に、「夢かうつつか」というものがあります。「眠っているのか起きているのかわからない」状態という意味で利用する人が多いかもしれません。たとえば「うつつを抜かす」という言葉は、現実であることに対する意識がはっきりしない(ある物事に心を奪われる)ということだと理解していれば、「うつつ」は「現実」のことを意味すると分かるでしょう。すなわち、「夢かうつつか」は「夢か現か」と書くのが正しいのです。

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正しい知識を得るための手順(786)

正しい知識を得るための手順(786)

私たちは、勝手にものごとを見聞きし、勝手に判断しています。Aというものを見たら、「これはAだ」とか「これはA’(Aダッシュ)だ(Aかもしれない)」というように判断するのです。

生まれた初めてAを見た時に、それがAだというのは誰かに教わったわけですね。では、それを受けてそれがAだと思うのは、誰が思うのでしょうか。

答えは、自分の奥底にある心が思っているのです。すなわち、私たちはものごとを自分

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無意識という意識(785)

無意識という意識(785)

もともと意識というのは、対外的に想いが現れる意識と、相手には見えない潜在的にはたらく意識があります。前者は、五官を通して入力された情報などをもとに、分別・認識するはたらきを持っています。五官に続く意識ということから、六番目の意識(六識)と呼びます。それに対して後者は、意図的にはコントロールしづらい無意識または潜在意識という意識になります。要するに七番目以降の意識と位置付けられます。

七番目の意

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そもそも意識とは何だろう(784)

そもそも意識とは何だろう(784)

何らかの作業をしているときに、急に音が聞こえたりすることがあります。これは、自分が意識して聞こうと思っているのではなく、自然に聞こえてきます。このことは、何か作業をしていても、耳から入ってくるものを感知するはたらきが常に働いているということを意味します。
今回は、何かを認識するということをまとめてみたいと思います。

明らかな事実として、次のような関係があります。
器官 目  耳    鼻   舌

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見聞きしたようなことから起こってくる精神作用(783)

見聞きしたようなことから起こってくる精神作用(783)

私たちの心のはたらき(精神作用)は、非常に複雑に分けることができます。仏教では、51個のはたらきとして説明しています。その一つ一つを知ることは学術的には意味があるかもしれませんが、ここでは五項目くらいに大分類してみていくことにしましょう。

1. 感覚: 人間は外界の事物・条件を、眼耳鼻舌身の五官から得ます。その結果、見る、聞く、臭う、味わう、触るという感覚が発生します。いわゆる感覚器官を通した

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