101歳の祖母から学んだ、受け身の人生で幸せになる方法
自分の人生を主体的に生きよう、とか、流されないで自分自身で人生をドライブしていこう、と言う話は良く聞くし、私自身もキャリア相談の際によくそうしたアドバイスをしたりしています。
でもふと思うと、
実家にいる101歳のおばーちゃんって、真逆だけど、すごく幸せそうじゃない、、、?
という事に気がついてしまった今日この頃、、、。
去年101歳の人の話を聞こう!というイベントを開催して、おばあちゃんの幼少期から今までの話をみんなと聞く機会がありました。
そこで話されるのは、とにかく流されまくっている人生。
・親戚の養女となり、養女は名目ばかりで実際は女中の扱いでとにかく奉公する苦労の毎日を過ごし、
・結婚後は破天荒な旦那さん(おじいちゃん)に振り回され
・旦那さんも早くに亡くなってしまったので女で一つで3人の子供を育て上げ、教育を受けさせ
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気付いたら101歳。
自分主体だったり、自分で人生の舵取りをしているところは何にも無くて、受け身そのもの。女中、ちがった、養女も、家族が決めたから、、、。結婚もまわりが言うから、、、。
私の母親も、他の親戚も、しょっちゅう「おばあちゃんは自分が無いからダメなんだ」「自分の意見なんて無い人なの」と文句を言っていました。
(そうはいっても私はそのように思う事は無くて、やっぱり優しいおばあちゃんで子供の頃パフェに連れて行ってくれたりとか、終戦記念日にとんじるを作ってくれたり、、とまた別の見方なのですが)
まぁでも確かに、誰かに文句を目の前で言われても、困った事があっても、ヘラヘラして笑って受け流す感じではあります。
そしてそんなおばあちゃん、この年末に転倒して大腿骨を骨折し、入院する事になりました。(以下蛇足なのですが備忘録)
高齢者の入院→(家族)いよいよかと覚悟を決める、、→意外と元気。→手術どうする?→お医者さんが「手術しましょう」との判断(この年齢で!)→全身麻酔→家族:「今度こそいよいよだぞ、、(手術後にぽっくり逝く事もあるそうなので)」→しっかり生還((゚Д゚))→リハビリ開始→「リハビリの先生、若いんだけどイマイチいい男じゃないのよね」→家族:「目が見えてるんかい!」(目が見えなくなってきているので)→手術後に風邪をひいたか病院で38度越えの熱→「ついに来たか、、」→解熱、退院
病院ではなぜかアイドル状態になっていて、看護師さん達がよってたかって面倒を見てくれていました。色々と話が弾んで楽しそう。
「このセーター、私が編んだ、といったら、看護師さん達が教えてください、っていってくるのよ。編み物教室でも開いたらもうけられるわねぇ、ふふふふ」
おばあちゃん、稼ぐ気満々なのね、、、
看護師さんが介護のやり方についておばあちゃんにどうして欲しいかを聞くと、まず、「看護師さんのやりやすい方でいいですよ」という返事をしているのだそう。それを聞いて、「なんて優しい、気遣いの出来る患者さんなの~」「かわいい~」となり、逆に色々と面倒を見てくれるようになっているそうです。
そしておばあちゃんは入院しているのだけど「今が一番幸せだねぇ」と。。。
おばあちゃんの場合、
・徹底的に相手に合わせて、相手を自分の味方にしてしまう力。
・何か嫌な事があっても心にとめず、さらりと流しまくるスルー力。
この二つの力で、流されながらも幸せになるスタイルを作り上げているのだろうか、、。
奉公状態で生活していた期間が長かったから、そうした経験からこうした相手に合わせても平気になったり、嫌な事があってもスルー出来るスキルが身についたのかもしれません(そうしないと生きられない時代、、)。
なんだか色々考えさせられるし、必ずしも自分軸でなくても、こういう人生も有りなのだなぁ、と勉強になります。
101歳の人の話を聞こう、のイベントで「長生きの秘訣は?」と聞かれて、「何もないねぇ」と言っていたおばあちゃん。だって主体的じゃないから何の戦略も立ててない。「嫌な事はため込まないで言う事かねぇ」とも言っていたけど、確かに悪口は言うときは言ってました(笑)。全然意地悪な感じじゃなくて、「困ったもんだねぇ、全くねぇ」って言うくらいだけど。だからシリアスな感じが全然しなかったです。
私が思う長生きの秘訣も、この、「圧倒的なスルー力」と「受け身に徹して味方にする力」なのではないか、と思ったりしています。ストレス全然なさそうだし。
そんなわけで、おばあちゃん、長生きしてね!入院してもこうして元気になって、ほんとに妖怪だと思う!
・・(そうしたら私は妖怪の孫か、、、、後から気付いた)
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