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都市伝説系Vtuber マリー&ホロウ(4)
Days 2
朝が来た。
とてもサイの家で過ごす気にはなれず、二人は近場の安モーテルに駆け込んで事なきを得た。あれから怪人は現れていない。
「逃げきった──と思うか?」
「思いませんね。ありゃ多分しつこいヤツですよ」
インスタントコーヒーを紙コップで煽りながら、サイとドモンの二人はお互いのベッドに腰掛けながら顔を突き合わせていた。
「ご同業じゃないのか?」
「少なくとも僕が知っ
ライク・ア・ヘル・エッジ・ロード(1)
頭をふっ飛ばされた死体が出たのは、今日六人目だった。
小さな家だ。メキシコの乾いた風が砂塵を巻き上げて、外から窓を叩いた。
そこに真っ赤な血がべっとりと貼り付いた。七人目のクズ野郎の脳とのシェークだった。
「頼む……助けてくれ! 俺がなにやった?」
男はぴいぴい泣きながら跪き、無様な命乞いをはじめた。誰でもそうだ。多分同じ状況になればそうするだろう。
「何やったって……わかってない?
天使が街にやってきた(前編)
「君も隅に置けませんねえ」
ニタニタと笑顔でそう言って笑えあえたのなら。それは幸せなことだっただろう。
残念ながら、その相手だった男──サイにはそういう感情はない。むしろ憂鬱そうな表情だ。オールドハイト、セントラルパーク。暖かい季節だ。ベンチに座り、新聞や本、タブレットで文化を摂取する──白い雲が伸びて消える。
「いつの間に同棲なんか始めたんです? 仕事ばっかりだと思ってましたけど、やることや