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楽器のお値段〜私のバイオリン🎻①

こんにちは。高月香里です。

写真は私が楽器を購入しましたお店のものです。私はここで楽器を購入し、レッスンを受けておりました。

京都市北区にある『アメリカヤ楽器店』さんです。

初めてのバイオリン

真剣に習いたいなと思い始め、この楽器店を訪れました。実はこの楽器店を訪れる日の夕方から嶋村楽器さんで体験レッスン予約をしていたのですが、嶋村楽器さんにはバイオリンの種類がそんなに無さそうな気がして、こちらの存在を思い出しお店のドアを開けたのでした。

社長さんが対応してくださいまして、このガラス棚に何十丁とある中から次々とバイオリンを取り出し試させてくださいました。

試させてくださったと言いましても、私はこの日初めてバイオリンという楽器に触れたのですから、どれがどうなのかさっぱりわかりませんでした。

社長さんにササッと教えていただいた通りに楽器を構えて、弓で弦を鳴らすという行為を繰り返してました。

しばらくして社長さんが「ご予算のほうは」ときいてこられましたので、私はお店の雰囲気からして数千円はないなと感じ、咄嗟に「15万円くらいでしょうか」と答えたと思います。

それで3丁に社長さんは絞ってくださいました。3丁から選ぶとなっても、どれが良いかやはりわかりませんでした。キコキコと音を鳴らしていると社長さんが言われました。

「高音で選ばれるのがよろしいかと」

そう言われ、これは自分で感じて自分で決めるしかないと思いました。自分が心地良いと思える音、その気になってみると意外にわかるもののようで、聞き分けることができました。

そして選んだ楽器は15万円になりました。

しかし弓がなくてはバイオリンは弾けません。それで社長さんが「予算いっぱいになってしまわれましたので、弓はこれでよろしいかと」とおっしゃって、1万3千円の弓と松脂や肩当て、それにケースも手頃なのを選んでくださり一式で20万円近くになりました。

初めての買換え〜弓

15万円と1万3千円の楽器で練習に打ち込みました。が、半年ほど経ったある日、もう少し良い弓を使ってみたいなと思いました。

実は購入した後、社長さんが「弓も良いものは良いのですよ」とおっしゃって、試させてくださったのです。

それは、とても滑らかな弦への感触で、音もスーッと伸びる感じがしました。私が驚いていると、「いいでしょう?700万円です」とおっしゃったのです。

高額過ぎて手にしているのが怖くなり、私はその弓を突っ返すように社長さんにお返ししました。

そのような経緯がありましたので、ちょっと良い弓というのを使ってみたくなったのです。ちょっとだけです。

社長さんではなく、習っていた先生に相談しました。先生はお店の弓を引き出しから何本か取り出し、また試させてくださいました。どの弓もそれまで自分が使っていたものよりも軽く感じました。

使い易い、弾き易いなと感じるのを選び購入しました。7万円でした。

さあ!これで10年くらいは練習しようと思いました。

本当の買換え

弓を新調して1年ほど過ぎた頃、そのとき習っていた先生が急におやめになることになりました。

先生から新しい先生を紹介していただきました。先の投稿で述べましたルーマニア人の先生でした。

その新しい先生の最初のレッスンできかれました。

「この楽器はアメリカヤさんで買った?」と。

どうも先生は気に入らないようでした。私は15万円と7万円もしたのに何がどうお気に召さないのかと不服でした。でもそれ以降は何もおっしゃいませんでした。

新しい先生に代わって、レッスン内容も以前の先生とは全く違う感じになりました。

それまでも楽しかったレッスンでしたが、レッスン料がいきなり3倍になったこともあり、私は一層練習に励み、音楽を楽しめるようになったと感じました。

そして新しい先生にも馴染み、3年経った頃でした。練習しても練習しても何か物足りないと感じ、ふと楽器を変えたくなりました。

そしてまた先生に相談しました。先生はなぜかとても喜んでくださいました。

そして、「今度ルーマニアに帰ったときに買ってきてあげる」と言われました。私はお願いしようと思いました。

ところが気が変わったようで、その次のレッスンのときに先生は社長さんに、「香里さんが楽器を買い換えるだから安くしてあげて!僕がこんなこと言うの初めてでしょ?社長さんお願いします」と言われたのでした。

先生曰く、アメリカヤさんは(お値段が)高いからルーマニアで調達しようと思ったけれども、社長さんにはお世話になっているから裏切るようなことはやはりしたくないので、とのことでした。

そそくさと社長さんは楽器を3丁取り出し、また試させてくださいました。

私はあまり悩むこともなく、ウィーン製の1961年の楽器に決めました。値札には85万円と記されていましたが、先生の鶴の一声が効いたのか、それまでの楽器を下取りして65万円にして頂けました。

それに弓も。私は必要ないと思っていたのですが社長さんは弓も選んでくださっており、なんとなく断れない雰囲気で合わせて購入することになりそうでした。

先生に「弓は買い換えなくてもよくないですか」と耳打ちしましたら先生は「いや買い換えたほうがいい。今のは、あれはオモチャだよ」と言われました。私は5年近くも、オモチャで練習してきたのかと、なんだか自分が可哀想に思えました。(泣)

弓はドイツ製でマンモス牙を使っており、貝の装飾もある、赤みがかった色の弓でした。とても美しかったです。

お値段は29万円でしたが、こちらも7万円の弓を下取りしてくださるとのことで、合計87万円になりました。

そんなこんなで、社長さんは楽器のケースも新しいのをサービスで付けてくださり、黒地の布製で地味だったケースが、ピンクでキラキラのラメが入ったケースになりました。

それを背負って帰ろうとしましたら、次の生徒さんがレッスンを受けておられるのに出会しまして、「あれ?なんだかキラキラされてますね」とその生徒さんに言っていただけました。この生徒さんは高校生のかたで、私は少し照れました。

ウィーン製だなんて、まさか自分がこんな高価な楽器を弾く日がくるとはと、感慨深いものがありました。

つづく…

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