唯脳論とAI:時代の流れに対する洞察力
AIへの注目が急速に高まっている。
社会の変化の速さに驚かされる。
人々はおそらく「取り残されないように」と飛びついているだろう。
そして、それを予測して強力なプレイヤーが餌をまき、人々が導かれていく。
ここまでは見通せる。
つまり、この時代の流れとは何か。それを見極めないと、様々な格差はさらに拡大していくことになる。
AIはブースターである。脳の投影を迅速かつ効率的に、より具体的に表現するための装置に過ぎない。
だから、AIの創造物は人間が創造できるものに限られる。
なぜか、それ以外のものを創造することはできない。
感情、波動、生命、そして存在。
AIが人間の仕事を奪うという意見があるが、それは一面的な見方である。
しかし、AIの使用を禁止するのは適切ではない。
「考えることがなくなる」「能力の成長に悪影響」という意見もあるが、それらは権威を守るために言っているだけだと思われる。
電卓の誕生によって、人間の計算能力が低下したのだろうか?
答えはわからない。
もしはっきりと低下したと言い切れるのであれば、それは電卓が原因ではない。
何らかの要因が存在し、その途中で電卓が登場したに過ぎない。
だから、スマホの普及に対して、「スマホ脳」などと批判していた論調は的外れであると考えられる。
関節に炎症を起こしたからと、細部に薬を塗ったって、同じことを繰り返すことと同じだ。
なぜなら、炎症を起こしたのは関節に負担をかける体のどこかの歪みが原因であることがほとんどだからだ。
もう一度言う。
AIはブースターだ。言うならば、認められているドーピングである。
マラソン大会に自転車に乗って参加していいよ、と言ってもらえているのに、「せっかく体を鍛え上げたのだから、生身で走る!みんなもそうすべきだ!」
と言って不利な状況に自ら身を置くことは効率が良いと言えるだろうか。
頭にメガネをかけたまま、メガネを探しているような状況が今後もしばしば見られることだろう。
話が前後するが、ひとつ考えてみてほしい。
AIはブースターであると言ったが、具体的に「何」をブーストさせるのか。
英会話のスキルの本質は単に会話ができることではない。
コミュニケーションはトランスレーターがあればある程度可能である。
言葉の生成のメカニズムが構築されていることが重要なのだ。
ブーストさせる対象の「何」を理解し、想像することが重要になってくるはずだ。
それを可能にするためには、AIを駆使するだけでは難しいだろう。
アインシュタインはこう言っている。
「知識よりも想像力が重要である。知識は限定的だが、想像力は全世界を包含し、進歩を促し、進化を生み出す」
では、想像力とは何だろうか。
脳を想像したものとは何か。
ちなみに、唯脳論とは、養老孟司氏の著作である。
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