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スポーツ界の給与がなぜ上がらないのか?

「スポーツで稼ぐ」や「スポーツは稼げない」という言葉を時々、聞きますし私自身もこの表現を使うことはあります。稼ぐとは売上なのか?利益率の話なのか?個人の給与の話なのか?

給料が安いから、ボランティアで成り立ってるからスポーツは稼げないとイメージがあるのではないか?という仮説だとすると確かに給与が低い=儲からないと思われるのが普通です。

手に職と言われるような仕事、資格職の人たちの業界は「稼げない」「儲からない」イメージは強いと思います。美容師や鍼灸師なんかはコンビニより多いと言われますがそのイメージです。

でも医者や弁護士にはそんなイメージもなく、むしろ逆ですよね?さらに美容師や鍼灸師も個人で稼いでる人はいますし、オーナー業の人もいます。スキルや知識がお金にならないわけではありませんし、IT業界でのエンジニアやデザイナーは今は上がってきてます。

つまり、どの業界でどのスキルを発揮するかは重要で営業やマーケ、人事など横断できるスキルは業界を選ぶことが給与の差が大きい要因かもしれません。営業とかであれば結果出せばスポーツ界でも稼げます。営業能力が高い人ほど、自分の評価(リターン)が大きい業界を選ぶと思います。

VCや投資家と資金調達の話してると時々「スポーツビジネスって儲からないよね」って言われます。投資目線なので時価総額や利益による配当が一つの判断基準だとは思いますが、会社の経営者でスポーツ好きな人たちにも自社のビジネスと比較してなのかよく言われます。

スポーツビジネスの定義が何で、どの業界と比較してなのか?と考えたことがあります。プロスポーツだったとしたらJ1の平均で約40億(最大約100億)B1で約7億(最大で約15億)、合計100チーム以上を見て儲からないと思われてるのはこの数字なのか?プロ野球だと100億~300億くらいですが、アメリカやヨーロッパと比較されているのか?

プロスポーツ以外ではどう思われるのか?スポーツで1番売上が高く、時価総額が高い企業もメーカー(数千億)なので、スポーツメーカーは世界でもNIKEがありますし、メーカー勤務の人が給与どうこう言われることはありませんのであまり稼げないイメージはありません。

私が調べたメーカー領域を除く、スポーツに特化した事業売上だとスポーツ施設管理、スクール、フィットネスなど色々と調べましたが最大でも400億ほどしかありませんでした。特徴としては4兆円程ある市場で、400億が最大規模の企業で、零細企業が沢山ある業界です。儲かるイメージは数百、数千億単位じゃないと払拭しないという感じですかね。だだ、利益率が高くないビジネスモデルの業界は売上にフォーカスしても儲かるイメージはなく、決算書や個人給与に反映されないとオーナーだけが儲かると思われるかもしれません。

つまり
稼げない=職、業界の給与が低い
儲からない=売上規模、利益率の違い
なのかなと思います。

なぜスポーツ界の給与が上がらないのか?スポーツ市場に限らず日本の平均給与は上がってないのでそもそも変わらない感覚がある一方で、エンジニアの給与が上がってるようにスポーツもプロ選手の年俸は上がっています。

雇う側の意思と働く側どちらの側に立つか、優先(投資)すべき場所はどこかという議論があります。雇う側は、チームにしても企業にしても、予算内で見つけたい。予算で来る優秀な人材を探します。これは選手だろうとスタッフだろうと同じだと思います。

選手や営業といった売上に大きく左右するポジションは予算を超えても投資対象としてイメージできるが、それ以外のポジションはあくまで予算内でしか給与の範囲がないわけです。

売上に大きく、直接的に大きく影響しない職種は、予算が上がらないと給与も上がりません。そして上がらない理由は、自分たちの貢献度、評価基準、どう会社の利益に繋がってるかを可視化できていないところにあります。あるいは相対評価ができていない点があります。

全体の予算を上げる=給与の元の企業の売上、利益が上がらないとそそもそも予算の幅が増えないのであなたの給与が増えることはありません。あなたの業務パフォーマンスが上がっても利益が上がらないのならば、あるいはそれを証明できなければ給与は上がりません。

「あなたの職」の相場を上げることも重要です。いないと困る職業かつ、会社の売上、利益に間接的に大きな影響を与えていることを証明しないといけません。そして300万で雇った人より800万で雇った人との差が明らかに違うことを定量、定性評価を可視化して証明しなければいけません。

いないと困る職業でも300万でもやってくれる人がいる、仕事のパフォーマンスが会社の売上、利益にそこまで影響がない、800万の人との差を感じれないのであれば「あなたの職」に投資することはないでしょう。あなたの価値を決めるのは雇う側です。雇う側は「あなたの職」の価値を知ってるとは限りません。

雇う側、雇われる側の今の状態では「給与が上がる職」と「給与が上がらない職」で分かれていくでしょう。

あなたの職が、職として食べていくだけの地位と仕組みを作ることが、その職の業界の発展に繋がる仕組みを作ること。職として心理的な安全とその先はどの業界でも個人の努力で稼げるロールモデルがいることでスポーツトレーナーやコーチ、指導者でも稼げる仕事になり、業界発展に寄与できるサイクルを生み出すことができると思っています。

こちらのnoteにはスポーツトレーナーやコーチ、指導者という職が食べていくためにはどうすればいいのか?の考察を書いてます。

スポーツ界を稼げる業界とするには「業界の給与を上げること」で儲かる業界にするには「売上規模、利益率をあげ、スポーツ市場を大きくすること」が必要です。業界にもっとその空気感と事実を作る必要があります。

弊社は前者の「業界の給与を上げること」に対してスポーツで働く人のプラットフォームを開発、運営しています。興味があればぜひお声がけください。


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