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思い出はアスファルトに埋まってしまった

今日、自転車で地元をブラブラした。
行ったのは、思い出の場所だ。昔から行っている初詣の神社の前を通り、昔よくジュースを買っていた100円の自動販売機の前を通り、昔住んでいたアパートの様子を見に行き、小学校の通学路を自転車で走る。小学校にもお邪魔して、昔よく使っていたものを見てきた。

「絶え間なく景色が変わる場所はどこだ?」
そう聞くと、東京や大阪などの大都市を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

今日自転車を漕いで思ったが、人口17万人(合併前は10万人)という小さな地方都市である僕の地元も、十分景色は変わっている。

昔友達と鬼ごっこをした場所。
友達と缶蹴りや石けりをした場所。
家族と歩いた田んぼ道。カエルが沢山鳴いてたなあ。

だけど、そんな尊い思い出に溢れた場所は何になっているかというと、田んぼは固いアスファルトになり、カエルが鳴けるような場所はコンクリートで硬くなり、昔友達とかくれんぼをしていたとても大きな石の置いてある味のある遊び場は、駐車場になっていた。

なんだか、寂しいなあ。

もう、あの頃の景色は僕の頭の中にしかない。
思い出はアスファルトの中に埋もれてしまった。

友達と遊んだり、虫の鳴き声を聞いたりすること、こんな平凡なことが幸せなことだったんだと、失ってから気付く。

それでも、地元巡りから帰った後の僕は、幸福感に満たされていた。

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