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❨627❩1973.5.19.土.曇/「生命ある日に」塩瀬信子/ロサンゼルス:アメリカ合衆国

昨夜は、ポーカーを4人で一時間やった後(15¢負け)、一時間半、本を読んだ。

「生命ある日に」塩瀬信子 著(女学生の日記)。
名女短大の女性で、いまはもう故人。実に細かく人生を、自分を、他人を見つめ、そして生命と死とを深く考えている。

インテリ・タイプの女性だが、単なるインテリとは違う。どちらかと云えば、彼女も将来そうなりたいと望んでいた様だが、作家のような、鋭い考えを持っていたみたいだ。

20才と数ヶ月、生まれもった悪い心臓の為に、世を去った。死にたくない、まだ死にたくないと、強く願っていた彼女。さぞ無念だったろう。

しかし、80、90才と生きても、世に何も為さず、惰性で過ごした人間の事を思えば、彼女はその時まで精一杯考え、精一杯生きたのじゃないか。

この世を惜しみながら、希望を持ちながらら、死んで行く事は、俺は、幸せだと思う。
俺も、例えいくつで死んでも(出来るだけ長く活きたいと願うが)、一つでも希望を持っていきたい。
そしてその目的の為に、その時まで努力を怠るまいと思う。

健康である事の有難さは、病気になった時、他人の弱身を知った時など、よく分かる。
健康である者は、それを当然の事の様に思って、随分無駄な生活をしている事が多い。
健康であれば、なおさらやるべき事も多く、やらねばならない事もきっとある筈だ。

俺は、今やっていることだけで、それでいいのだろうか?
イヤ、きっと何か、もっとある気がする。

誰かが云ったな
人間 これでいいと思ってはいけない…と
そう考える様になった時、そう考えている時
その人間の進歩は止まる
いつも忙しい人間になろう
忙しすぎるという事は、めったになかろう
そう思うのは、自分に能力がないか、
又、怠慢な性があるのだと思う

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