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❨552❩1973.3.6.火.晴/のんびりターザン生活3日目/カラカス:ベネズエラ(Caracas:Venezuela)

七時起床、気持ち良い朝だった。
腹だけがグーグーで、早速スープとビスケット3枚と紅茶を飲む。
少し体操をし、辞書でスペイン語の勉強。

昼、例の様に水を浴びる。洗たく物を少し。またスープ(鶏のコンソメ)、食物は、砂糖、マーガリンしかない。

暑くなって来ると、余計空腹を感じ、体がだるくなる。
あちころの茂みの下で、英語の辞書を開いたり、谷川を眺めたりで、ノラクラ過ごす。

空腹をかかえ、怠慢な気持ちでやる補強が、最も辛い。約30分、蹴り・突き・腕立て、腹筋とやったが、大変なものだった。ボクサーの気持ちがしみじみ感じられる。
すぐ、谷で汗をふき、ばらく休憩。今夜もスープのみ。スープぜめの四日間だったが、兎も角もった。
下界へ降りずに済ました事は、一つの得るものがあった。

明日は、まず泊まる所を上田さんの紹介の人に頼み、断わられたら、次は日本大使館。それから、船か飛行機のエージェンシー捜し。
ややこしい町だけに、忙しくなりそうだ。
何よりも物価の高い所だから、節約を更に厳しくしなければならない。
残り560ドル。ロスまでは十分だが、カリブの島を一つでも多く、渡ってみたいものだ。

早く手紙(来ているかどうか分からないが)を受け取りたい。今一番会いたいのは、ヒロちゃん。別に恋なんてものではない。彼女は、なぜか、とても気が合った。ポーカーの時の表情が面白かった。またアメリカで是非会いたいものだ。

一人で居ると、誰かと一緒に旅をしたいと思ったり、イヤ、やっぱり、このままずっと一人の方が気楽でいいと思ったり、色々浮かんで来る。結局は一人生活に慣れた今は、ずっとこのままが、自分の思う存分の事をしながら旅が出来ると思う。

今自分は、一年半前と比べて進歩したのだろうか?それともあのままの停滞の状態なのだろうか?生活が、あまりにもここの所ノンビリしているので、考えてしまう。

まあ、焦ってみてもしょうがない事ではあるが、何かの機会にはかってみようと思う。

あちころの茂みの下で、英語の辞書を開いたり、
谷川を眺めたりで、ノラクラ過ごす。

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